- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784181961169
作品紹介・あらすじ
子どもは、鍛えられて伸びることを望んでいます。鍛えられて伸びることへの潜在願望があります。望ましい鍛え方によって、見違えるように伸びていく子どもたちの姿を私は自分の目でいっぱい見てきました。健康で逞しく成長していく子どもたちを眼のあたりにするほど果報なことはありません。本書は、子どもたちの学校生活の中核であり、また教師の最大の仕事である「授業」に的を絞って、子どもたちの「知的活力」を伸ばす鍛え方を述べたものです。耐性虚弱症から子どもたちを救い出し、健康で逞しい知的活力を鍛えるノウハウを、実践的に、具体的に解説したものです。
感想・レビュー・書評
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野口先生は子どもの成長や向上的変容をともに喜ぶことを大事にしています。
「おめでとう、よかったね」
何か賞を獲得したり名誉ある立場になったりしたときに言われることが多い言葉ですが、野口先生は「生徒が成長したとき」「生徒が向上的変容をしたとき」にこの言葉をかけていました。自分も同じように「おめでとう」と一緒に喜べていただろうかと反省しました。
誤りだと分かることは大きな進歩だということを心の底からわからせる。
子どもも大人も間違いを嫌がります。ですが、正解に近づくためには、間違いからもアプローチができます。「なぜ正解なのか理由を説明ができる」と同時に「なぜ不正解なのか理由を説明ができる」ことが大事だと思います。間違いは貴重な意見です。それを尊重することが大事だと改めて分かりました。
正解よりも変容をほめる。
”われわれ教師は、正解や正答よりも、揺れや変容をこそ大切にしなければならない。そのように、教師自身の授業観の転換を図るべきではないか、と私は強く考えている。”(p.85)
自分の場合、授業ですぐに正答や正解を求めがちです。正解も大事ですが、どのようにそこに行き着くのかという過程を大事にしたいと考えました。最短で正解にたどり着いてもしょうがない。むしろ、そこに行き着くまでの揺らぎこそ授業の中で大事にしないといけないのではないでしょうか。
改めて授業にこだわりをもっていきたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
音読、読解、作文の部分で妥協していた自分に立ち返る。指導が具体的で再現しやすいと感じた。ただ、目の前の子どもの実態に合わせて邁進し過ぎないように気をつけたい。
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現在、4年目の教員です。うまくいかない時には教育書を読み、その改善方法を探し、うまくいった時には自信をつけてもっと良いクラスにしようと本を読みました。
気がつくと自宅の自分の部屋には様々な本が溢れ、もはや何が大切か分からなくなっていました。
そんな時には原点に帰ろうと思い、有田先生や野口先生、向山先生の本を読みます。名人と呼ばれる本物の教師の考え方を改めて学ぶことが大切だと思ったからです。
読み終わると、やはり素晴らしい考え方だなと思います。まだまだ若手ですが、野口先生に少しでも近づけるように精進していきます。 -
書かれていることから書かれていないことを問う「なぜ」や「どうして」をどの難易度で、何を題材に子供たちに提示するかが教材研究。そう思うと、教材研究が楽しくなりそうだ。でも、その視点って体験的、積み重ね的、帰納法的に培われていくものだと思うから、優秀な教員の教材研究に付き合ったり、例をたくさん知ったりすることで身についていかないと。この本に載っているいくつかの例はその中でも極上な部類?なのだと思う。というか、そうであってほしい。基本的には小学生ぐらいを、個人的には低学年から中学年くらいを想定して書かれているように思う。授業で子供を鍛えるのが、やっぱり基本なんだよなあ。