- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198615116
作品紹介・あらすじ
「千と千尋の神隠し」主題歌作詞者が贈る第1作品集!生きている不思議と死んでいく不思議を往き来する-21世紀の巫女が優しくうたう祈りのような物語、寓話のような詩。
感想・レビュー・書評
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ゼロになるからだ - 徳間書店
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『いつも何度でも』の歌詞が今になって心に染みてくるようになった。だからこの本を手にとった。身体の芯が冷たい色に染まるのに温かい。そんな不思議な心持ちになった。魂の始まりと終わりは一緒なのかもしれない。その瞬間の生命の揺らぎを私たちは知らないのではなくて、思い出せないだけなのかもしれない・・・なんて思った。
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高山なおみさんおすすめ。
とても大好きな世界。とてもおもしろい。ぴったりくる。本の中身に、熱の体と夢が混じり合っているみたいな感じになりながら読んでいた。 -
覚和歌子さんは『千と千尋の神隠し』の主題歌に詩をつけた方です。不思議な世界観に横溢した詩です。
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ジブリアニメ映画のエンディング曲の歌詞が好きで、特に
さよならのときの 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる
の部分が好きで、ちゃんと読んでみたいと思って買った本。物語のような詩が多くて素敵な詩集です。
好きだなと思ったのは、「桜新世紀」。 -
本の帯に書いてある。
生きている
不思議と
死んでいく
不思議を
往き来するー
21世紀の巫女が
優しくうたう
祈りのような物語
寓話のような詩
新しい文学の登場! -
そこらへんに転がってる生と死が交じり合う人の世の。
この世とあの世の接点のような物語は、記述は詩の形式だけども、短編小説とも寓話とも言え、またそのどれでもない何かに変換された信号のよう。激しすぎない浅く明滅する光。迷わぬようにと確かに光る。こんな痛みで壊れてしまうおまえではないよ。背中のハッピーホルモンのツボを撫でる。
人生の不思議を、たゆたうように、さもありなんと詠う。この人の感覚と双子みたいに持って行って、ゼロの身体を体感したい、死ぬまでに一度でいい。死ぬまで生きたいから。 -
不思議な本です。詩なのか、物語なのか?さよならのときのゼロになるからだ、身体。結構ショッキングな内容ですが、読み終えたあと、意外とこころが安らいでいます。
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25の詩のような物語、物語のような詩で構成されています。ん?なんだろ?と読み進むうちに、この本の世界にだんだん引きずり込まれてしまいました。著者がこのような体裁をとったのは、声に出して読むことを意図されたような気がします。
本書は、生きること、そして死んでいくことがテーマになっていますが、全体に達観したような空気が流れているように感じました。
生きているといろんなことがあって、長く生きれば生きるほど、後悔ばかりが積み重なっていきます。ふと立ち止まり、振り返ってみては悔いることばかり。でも悔やんでみても仕方ないとわかっているなら、いっそ人生をあるがままに受け入れて、とにかく死ぬまで生きてみるしかないのかもしれません。死ぬことと同じように、誰にも避ることができないのが生きることなのですから。
命は生まれたその瞬間から、死に向かって時を刻んでいます。いろいろあるけど、いつの日か〝ゼロになるからだ〟ですもんネ。もしかすると、そんな風に感じる心持が、この詩のような物語、物語のような詩に達観したような空気を感じたのかもしれません。でも、生きることは必ずしも真理を悟ることが目的ではないかもしれません。生きるってことは迷うこと。悔やみ続けることなのかもネ。
巻末に掲載されている〝千と千尋の神隠し〟の主題歌の歌詞にも、文字にしてあらためて読んでみると、新たな発見がありました。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2 -
短いショートストーリーのような作り方。
細部にまで行き届いた著者の目が見て、書いたような本。
エッセイのようでもあり、詩のようでもあり。価値観が沿う人なら読み応えはあるのだろう。