- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198619985
作品紹介・あらすじ
女児誘拐殺人犯として有罪判決を受けた柏木喬-。懲役15年の刑を終えて出所した彼は、意図的に冤罪を被ったと主張するが…。柏木は本当に無実なのか?彼の狙いは?意想外の展開、衝撃の真相。
感想・レビュー・書評
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少女誘拐殺人の罪で服役後、出所して冤罪を晴らそうとするお話。
あの人が犯人かも、いやこの人かも。とあちこち怪しい。少女の母親の自分勝手さには辟易するが、最後まで真相が分かりそうで分からない。まあまあ冗長な感は否めないけど、伏線の多さ大どんでん返しで衝撃のクライマックス。久々に大堂のミステリを堪能しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作品解説(帯より):女児誘拐殺人犯として有罪判決を受けた柏木喬――。懲役15年の刑を終えて出所した彼は、意図的に冤罪を被ったと主張するが……。柏木は本当に無実なのか? 彼の狙いは? 意想外の展開、衝撃の真相!
比較的穏やかに始まる第1部。奴は「被害者?」「加害者?」それともただの「関係者?」一度ならずとも犯人像を捉えたかに思えるのも束の間、巧みなミスリードに翻弄され、遂には作者の意図するところへと思考を誘導されてしまう。こうなると決して犯人へは辿り着くことはかなわず、作者は心の中でしめしめと思いながらニヤついているに違いない。
第1部とは打って変わって、激しい動きをみせる第2部。幾重にも結ばれた事件の真相が、一つ、また一つとほぐれていく……ように見えるが、気付くとそれはいっそう固く結ばれてしまう。本格&人間派ミステリーの融合は、ラストで全てが氷解する。人は罰によって罪を贖えるのか?
読了後、深く心を揺さぶる最高傑作。 -
この作者さんなら犯人はこの人か、と思っていたら正にそうだった.... のだけど、あちこち転がされた感は否めない。読書中のドキドキ感は確かにあるんだけども読後感としてはいい方じゃないな~。
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日本推理作家協会賞候補(59回/2006年)
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幼女誘拐事件の犯人が、17年の刑を終え出所してきた。
最初からずっと冤罪を訴えていた彼が、自らの無実を証明するべく調べ始めると、当時の関係者たちに波風が立ち始める。
果たして彼は本当に無実だったのか?真犯人はいったい誰? -
人間はどう裁かれるのか。。。とても重く辛いストーリーでした。
ただ、ミステリーとしては「え?結局これ??」って感じで緊迫感もなくだらっとした終わり方でした。
これが時効の前だったらもう少しハラハラしたかな〜。
事件が起こったのが昔すぎて、登場人物もこちらももういいじゃないって気持ちになってきちゃう。(特に後半)
いきり立っているのは柏木だけで、周りはもうほじくり返されたくないと思ってる人ばっかり。
空回りしてる柏木だけの行動で最後まで引っ張っていくのには、やっぱり無理があった気がします。
作者が言いたいことが最後のほうになってだんだんぼやけてきてしまうのも、事件が昔すぎる、騒いでるのは柏木一人なのが原因だと思う。
もう最後は何を表現したかったのかまるでわからなくなっちゃって、種明かししてフェイドアウトみたいな感じ。ええ〜〜〜!ですよ
派手な事件でもないし、アクションがあるわけでもないんだから、もう一息掘り下げたかったかな〜。。。。
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この方の本は初めてです。
面白かったです♪
すっごく運の悪い人っているよなぁと思う。
全てがその方向に動いてるとしかいいようがない。
この冤罪の話もまたうまい具合に疑わしいんだよね。
本人にとっては最悪だけど。
なんかこの本を読んだ後に丁度、冤罪の方じゃなくて
結果の話と似てる事件が起きてびっくりしました。
読後の爽快感は皆無ですね。
こういう事が自分に起きませんようにと願うだけです。 -
冤罪や被害者の人権をテーマにした話
ミスリードを誘うようにはなってるが
犯人は意外って感じでもないかな、消去法なんで
免罪符なんて存在しない、てのが言いたいことかな -
冤罪というテーマは嫌いではないので半分までは一気に読めた。しかしさくさくとは進まない。同じ説明が何度も繰り返されるので、その度に偏頭痛を感じた。地の文と台詞との温度差が同じなので、全体に薄い印象を持った。それが災いしたのか、終盤あたりに来て急激に失速。盛り上がったように思うが、そこに到達するまでが非常に長い。冤罪事件がいくつもに枝分かれして行くが、それぞれの決着に曖昧さが残る。題材が面白かっただけにとても残念。
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大どんでん返しには綻びが見えてしまう。そんな感想。
確かにラストの展開は吃驚したが、それまでの伏線が甘いというか何と言うか・・・まぁ面白かったですけど。