泥棒猫ヒナコの事件簿 あなたの恋人、強奪します。 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198932596

感想・レビュー・書評

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  • 現実にもあり得る恋愛の揉め事や犯罪を、強奪という形で解決するとはなかなか危険な仕事だと思うのだけど、いろんな案件があって面白い。
    どの話も軽すぎず重すぎず、さくっと読めるのもいい。

  • 大手プロバイダーの登録制女性専用サイト、普段なら目に留めることもない胡散臭い広告「あなたの恋人、友だちのカレシ、強奪して差し上げます」というオフィスCATに誰でもいいから助けて欲しいと電話してみた早川梨沙の待ち合わせに現れた赤いセルフレーム眼鏡に三つ編み3本のミナミヒナコはー

    ◆永嶋さん初読み、になるとこだったけど直前のアンソロジーに続く2作め。こりゃあやばいシリーズに手を出した…超面白い!七変化して相手の懐に入って強奪する雛子の、楓の見事さが小気味いい!どれも相談者は切実で、笑い事じゃないけど
    「所詮見習いよね…私って」とか「うまくいったら正社員にするように社長に言ってやるなんて、嘘ばっかり。ひどいったらありゃしない」なんて言ってるけど、楓ちゃん、すごい有能だと思う!あれは、それが正解なんだと思うよー。そして、手助けの輪が広がってるのが、次も楽しみになる♪

    ◆◆タイトルがみんな映画オマージュなのも楽しい♪

  • なんだか久々に面白い本だった!こうスカッとするかんじでページをめくる手が止まらないかんじ。


    早川梨沙は彼氏と別れたかった。仕事で知り合った彼は最初はすごくいい人だった。しかし、次第に暴力を振るうようになった。別れを切り出したところで実家も知られ職場も知られているから八方塞がり。そんなときに目にしたのが『あなたの恋人・配偶者奪います』という広告だった…「泥棒猫貸します」


    他にも何でも自分のマネをする同僚に恋人を取られてしまった人や父親の再婚相手が不倫をしてるから別れさせてという小学生女子、姉の恋人が自分の友人と付き合い酷い目にあったので別れさせてほしいと頼む妹。彼氏の母親に手切れ金を渡された「息子と別れてくれ」と言われた彼女が母親に復讐するために彼氏を奪ってもらったり家出少女が男の家に住み軟禁されていることに気が付き助けを求めるお話などだった。


    最後に家出少女の話は本当にヒヤヒヤした。普通に考えれば、ネットで家出少女待ちしてる男にまともな人がいるわけがない。だけど、家出少女は警戒しながらも連絡して結局逃げられなくなる。軟禁されてることに気が付いた頃にはもう遅い。それを助けてくれるのがオフィスCATの面々。でも、本当に良かった。



    ヒナコが七変化状態ですごかった。ある意味、いくつもの顔を持つ女って感じ。あとあれだけの作戦も考えて実行あいてるんだから頭もいいだろうし護身術もしっかり学んでるんだろうなぁ。


    2019.1.14 読了

  • 恋人を「強奪」する仕事を請け負う雛子さんの仕事録。なんだろう。詐欺師?というには、恋愛が絡むと少し難しいところはあるけど……売春しているわけでもないが寝てはいるだろうという、かなり犯罪ぎりぎり破ってる感じはする。最初の数話読んで、ダメ男パターンで行くのかな?と思ったらいろいろな方向やってくれて面白かった。ストーカー男がストーカーされたらびびってまうのがちょっと痛快だった。自分がやられたらやだよねー。

  • 定型的なダメ男を簡単に恋に陥れていくため爽快感がある。
    様々なエピソードがあり、楽しくない訳では無いのですが、それだけの内容なので、他に何か要素があると良かったな。

  • 作家の「切れ」が光る

  •  雛子さん達の扱う事件の幅に驚き。女同士でよくあるもつれ話もあれば、素敵なラブストーリーもあり、かと思いきやラストのお話はシリアスかつある種のホラーで、とても怖かった。

  • 現代の男女関係必殺仕事人オフィスCATの短編集。恋人から逃げたい女性を救うだけじゃなく、ときには隠された問題をあぶりだす。事件が解決したとき各主人公たちが未来に向けて一歩踏み出せるようにしているところもよかった。 続編も出ているようなので探して読んでみようっと。

  • 【泥棒猫ヒナコシリーズ】"強奪して差し上げます。"依頼を受け恋人を強奪。「泥棒猫貸します」他、6話短編集。サクッとよめて、思っていたより、心があったかくなる物語でした。雛子さんがかっこよく、素敵で。会ってみたくなりました。そして、スルッと強奪してしまう所を、見たい!その術、習いたい!見習い楓さんも可愛らしくて、好きです。

    「広告と呼ぶには奇妙な文面だった。」

  • タイトルがどうなの?と思ったけど、実際読んでみるとすごく面白いです。ヒナコさん魅力的ですね!見習いアルバイトのカエデさんも可愛い。依頼者を助けるために動くCATのメンバー、応援したくなります。

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著者プロフィール

永嶋恵美一九六四年、福岡県生まれ。二〇〇〇年『せん-さく』でデビュー。一六年「ババ抜き」で第六十九回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。主な著書に『転落』『明日の話はしない』『ベストフレンズ』『視線』『一週間のしごと』、「泥棒猫ヒナコの事件簿」シリーズなど。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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