- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309017051
感想・レビュー・書評
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こういう日常の、なんでもないようなことをうまく書くひとだなあやっぱり。表題作がすごくすきだ。桶川さんに惹かれていく主人公の様子が、劇的なことなどひとつもないのに手にとるようにわかってしまう。そのぶん、最後がすごくせつない。ほんとうにいいたかったことがいえなかった。さびしいなあ、こういうの。また、とか再び、とかそういった類のものが一切ないからなおのこと。あたらしくはじまってしまったこと、けっきょくうまく収まることができなかったのかなあ。主人公がいままで生きてきて泣いたことがないみたいなことをいっていたけど、桶川さんとの最後のシーンで少しずつほろりほろりと空気に感情を溶かしていくさまはすごく泣けた。ひさしぶりにいい恋愛ものを読んだなあと思った。
ところで、この本カバー裏にもう1本話があるらしいのだけど、図書館で借りてしまったから読めなかった。文庫には収録されているのだろうか。
(171P)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語全体に漂う空気感・雰囲気がよい。ラストの切なさがよい。
全般的によかったな。 -
ラストシーン好きすぎる。男の子の服装まで浮かぶ。読み終えたて吐いた息の濃さ、閉じたページの手触りは一生モノ。読み直すたびにそういうのが薄れていってるのでもう読まない。クローズ。
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大宮駅からニューシャトルに乗っているところから、懐かしい気持ちと
その時代と主人公の年齢が重なり感情が入る。
作者は男性だが、女性目線で睦美の若い女子社員になじまない心情を描く。
樋川さんを好きになってから、最後まで何事もなく淡々としてゆく感覚が
逆にリアルで、寂しい情景が細かく描かれる。
センスなし(短編)
聖飢魔�の大ファンだったことを隠して、主人公は大人になり
もう結婚もしている。
前編もそうだったがキン肉マンの詳しい話が出てくるから、
やっぱりこの作者は男性だったのを意識する。 -
ピサの斜塔は完成する前から既に傾き始めていたという。よくみれば塔の上部は辻褄をあわせるように少しずつ角度を変えて、なんとかまっすぐにみせようとしてある。
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作品全体のひんやり感、登場人物たちの孤独な雰囲気にぐっと心が締め付けられた。好きです。
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全体的に、温度が低い。ふーん、という感じ。それで?というか。それでも日常は続いてゆく、というタイプなのだろうけれど。
それよりも、奥付に書かれている書きおろし「二人のデート」が収録されていないのは一体何の間違いなのかしら。 -
なにか大きなインパクトのある、特別なことがあるわけではないけれど、平凡な日常の中にある確かな「変化」を丁寧にえがいている。
個人的には樋川さんにすごく魅力を感じました。
ラストシーンの切なさが、じわっとくる。