- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309017051
感想・レビュー・書評
-
『泣かない女はいない』
四郎と三年間同棲中の澤野睦美。
1999年9月、大宮市郊外にあるK電機の下請け会社大下物流に入社、毎朝「シャトル」電車で通う。自分より5・6歳若い女子社員4名と40歳前後のパート3名とで伝票処理をしている。横田社長を始め牧歌的なムードの職場に慣れてきた矢先、親会社の本部長萩生田が来てパート一人がリストラされた。
12月忘年会、各自それぞれカラオケで歌を披露する中いつも伝票を届ける倉庫の班長樋川が「NO WOMAN NO CRY」を歌う。
2000年2月 4月をもって親会社に吸収合併されることとなった大下物流に萩生田が所長として赴任。次第に職場のムードが変化し、戸惑いや不満が出始めた。
三月 解雇が決定した横田元社長が倒れ入院する。樋川の運転する車で他二名と一緒に見舞いに行った帰りの車中で、樋川は退職を決意し睦美は樋川への自分の想いをはっきりと意識する。
四郎に別れを告げたあと、睦美は風邪で寝込み仕事を休む。数日後、重い足取りで出社した朝、会社の門のところで退職が決まり私物を取りに来ていた樋川と出会う。樋川のお別れの挨拶を聞きながら睦美は告白しようか迷う・・・
『センスなし』
夫良一は自分の不貞が発覚してからは必要なものを取りに来る以外殆ど家に帰らなくなった。妻保子は押し入れから自分の生きてきた証を少しずつ引っ張り出してきて夫の領域だった場所や物を侵略していく。そこへレンタルビデオ屋から延滞を知らせる電話が入る。良一の借りたビデオを夫の部屋で探す。アダルトビデオが三本。保子はぶらぶらと散歩のついでにビデオを返しに行く。うっすら雪の積もった景色の中、放置された作りかけの雪だるまを見て自分の幼かった時代を思い出す。返却ビデオと延滞料13,230円を受け取った店員に「まだ未返却が三本ありますよね」と言われる保子。ビデオ店を出て歩く。怒りと呆れで体が熱くなる。歩道橋を渡り降りたところで雪に滑り仰向けに転ぶ。保子は痛みでしばらく空を見上げたまま動けなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
センスなし に聖飢魔Ⅱが出てくるところが、同世代だわ~と思った。
-
執着心とかがないような主人公、淡々とした描写。大きな問題が起こるわけではない、こういう話は割と好き。だけど何かが足りない気がする。
違和感を覚えたのは、蛇の描写。何の暗喩なんだろう。 -
091104読了
樋川さんの魅力がやばかったです。
会社の様子が楽しそうで好きです。
あっさりしててこの本あんまり印象に残ってないなあ
カバー裏が好きです -
2009.9.15
「泣かない女はいない」
澤野睦美が大下物流に就職した9月から、翌年の春までのことが
淡々と綴られている。
一番最初にピサの斜塔のことが書かれているけれど、最後まで
読んでからもう一度最初の所を読んだら、あぁ・・・と思った。
しかし、会社の人とカラオケに行ってボブ・マーリーを歌う樋川さん、
すごいなぁ
「センスなし」
デーモン小暮ファンの保子は、夫に若い愛人ができて出て行かれた。
高校時代からの友人、みどりとは電話でよく話すが、自分の打ち明け
話はできずにいる。
淡々と日常が綴られていく感じはいいんだけど、最後、もう少し
スッキリさせて欲しいなぁと思ってしまいました。 -
2009/09/09読了。
-
じんわりくるなー。
何にもない地味な日常も、
このひとの手できらきら木漏れ日みたいに光るわけ!
あー。
好きだなっ -
全体に暗いかんじがした。
表題のほうは、登場人物の人間味があってよかったけれど
「センスなし」はなんだかさみしくなってしまいました。 -
読了。
-
文庫になってたけれど古本屋で安かったので購入。
長嶋有(男)の書いた、女性が主人公の小説を男(例えば僕)が読むことについて考える。男目線の女性像というものをできる限り取り払う態度を維持し続けながら物語ることがこの作品の気温と湿度(のようなもの)を決定的にしていると思う。なんか感想がうまく書けん。