- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309018126
感想・レビュー・書評
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解釈が新しい。
戦国の女性達の生き方が恰好良いです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
夫・長政は兄・信長によって討たれ、娘達は後に天下を奪い合うこととなる豊臣家と徳川家に嫁いだという、悲運の一生を遂げたお市の方。
けれども彼女はその生を気丈に駆け抜けた。
彼女が恋をし、そして愛した者とは。
面白かったです。
勝家に恋をして、長政を愛するお市の方や、辞世の句の解釈、そして最期のシーンの茶々のセリフなど、独自の解釈がふんだんに盛り込まれていて、引き込まれました。 -
お市の方の一生を描いた小説。浅井長政の正室としての期間と柴田勝家に嫁ぎ死ぬまでの期間以外のあまり歴史上に登場しなかった時期を、著者独特の視点で描いています。政治的な出来事は概略だけ簡単に済ませ、主人公と脇役の思いや行動などを中心に展開され、非常に好感が持てます。
2007.10.31読了
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幼きお市にも、柴田勝家の律儀さ、優しさが感じられ、初めて胸の高鳴りというものをおぼえた。
子をなさぬこと、必要とあれば返すことという条件つきで、お市は勝家のもとへと極秘裏に嫁いだ。
「そなたの、初めての男に、なりたかった。」
「あなたの最後の女になりたい。」
少女から女への多感な時期を勝家と共に過ごし、その人生の最期も勝家と共に終える――・・・
うぶで無骨だが約束は絶対に守る優しい勝家の姿に胸をしめつけられ、読後、温かく優しい涙が溢れた一作。