すみなれたからだで

著者 :
  • 河出書房新社
3.34
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本棚登録 : 576
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025070

感想・レビュー・書評

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  • 窪美澄さんの短編集。
    長さはまちまちだけど、平日の夜でも読み切れる長さで良かった。
    短編集だけど、生々しくて読み応えたっぷり。
    タイトルにもなっている「すみなれたからだで」と最後の「猫と春」が好きだったなぁ。

  • 2017/5/1

    川上さんが選ぶ映画は、長く、暗く、そして、何を言いたいのか、その頃の自分には、咀嚼してもうまくのみこむことのできない作品が多かった。
    けれど、そういう映画こそ、いつまでも自分のなかに残る、と知った。
    (バイタルサイン/93P)

    この作品こそ。

  • 初めの二つをよんで、とうとう窪さんも年寄りネタでまとめられる話をかいたのか?と思ったら、四つ目(表題)の話で、窪さんワールド全開となってた・笑
    でも、この話は好きではない。セックスレスの旦那と結局、最後は満足し会える、なんて、窪さんらしくない。もっと、踏ん張って欲しかったわ・笑 
    年寄りネタといえば「朧月夜~」は、よかった。
    認知症と見られるおばあちゃんが、こういうふうに見てる的考えが斬新、というか、説得力ある、というか、そして、昔話が色っぽい。
    結論:窪さんの話は面白い!

  • 「父を山に捨てに行く」
    自殺未遂を繰り返す父を、山奥の老人ホームに入居させるため、手続きに行く女性の話。
    家族愛、親への感謝など微塵もない冷徹なまでの主人公の心と、そんな自分に対して自己正当化に必死になって父からのあれこれの仕打ち思い出してみたり、ホームの職員に聞かれてもいないのにマシンガントークしてしまったり。
    救いようのない感じが痛々しく、リアル。

    「インフルエンザの左岸から」
    老人ホームで暮らしていた父が死のうが正直どうでもいいし墓とか面倒だし人は死んでも金がかかる生き物で本当に厄介だな、自分の生活だけでも精一杯なのに。っていう話。一つ目の話とつながっていそうで、つながっていないのかな?

    「猫降る曇天」
    震災直後の混乱した東京で、別れた妻と娘のために水を届ける男。短い。そしてやっぱり報われない。

    「バイタルサイン」
    母の再婚相手の男とセックスに明け暮れる少女の話。

    「すみなれたからだで」
    40代の萎びた体だけれども、夫と抱き合い幸せに生きている。

    「銀紙色のアンタレス」
    この短編で一番好き。夏休みに祖母の家に遊びにきていた男子高校生が、祖母の知り合いの既婚子持ちの女性に惹かれる話。かわいい幼馴染の女の子もいるのに、どうしてもいつも泣きそうな顔をしている彼女のことが気になって仕方ない。

    「朧月夜のスーヴェニア」
    老婆の思い出話。若い頃は私も恋もしたし戦争もあったし大変だったけど女としては今の若い子よりもずっと輝いていたのよ、っていうエゴっぽいやつ。

    「猫と春」
    捨て猫を拾ってきた彼女に捨てられた俺その猫。結局猫も彼女も戻ってくる。おかえり。

  • 2017 3/6

  • 短編集。窪美澄作品らしいものばかり。やっぱり綺麗。小川洋子さんの綺麗とは違う綺麗。
    後ろから2番目の作品が良かったです。
    2017/1/24読了

  • 短編8編。
    恋愛小説に分類されるんだろうな、多分。
    ベタベタしていないので読みやすい。
    ま、恋愛とはほど遠い生活ですが、楽しめたので★4つ。
    生(性)があるから死を意識し、死があるから生(性)がイキイキと際立つような気がする。もっとイキイキした毎日をだな、こりゃ。
    やはり、後悔せぬよう、今を精一杯生き抜くことだ。

  • テーマがバラバラのようで、全てが纏まっている短編作品。言葉のひとつとても重たく、心の奥底にある本音が疼く所がなんとも言えない。読み終わった後、暗い気分にさせられるくらいの内容なのですが、それがそうでもなく読了。きっとそれは窪さんの文章の上手さからくるもの、だと思いました。

  • 短編集。

    短編集のわりには起承転結がはっきりしている話が多く読みやすかった。
    『バイタルサイン』が良かった。エロいけども(笑)

  • 図書館で予約待ちをして借りた本。

    大好きなので、図書館で予約をした本なのだけど…好きなら買うべきだったかと、痛恨。
    このひとはもともと、「生と死」をテーマに生きているひとだと、ずっと感じていました。
    でもその生と死を、なるべく押し込めて明るく最低限の表現してきた彼女が、とっかかりをなくしてくれた作品だと、思いました。
    最高です。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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