- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309025070
感想・レビュー・書評
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つらい日もあれば、輝く日もある。
喜びいっぱいの時間もあれば、喪失感で無気力になるときもある。
生きていくというのは、そういうことの連続なのかな、と思う。 -
えぐられるし削られるのに、どこかやっぱり優しくて、その優しいものがひずみをすこしだけ撫でてくれる。ひずみがあるからこそ見える世界もあって、そんな世界もまた悪くはないのかもしれないと窪美澄作品を読むたびにいつも思い、少しだけ呼吸がしやすくなる。
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前作の『アカガミ』が個人的には消化不良だったが、『すみなれたからだで』では窪美澄の世界がじんわりと染み込んできた。「あぁ、これだよね」という安心感と物語の中にある切なさや哀しさをしっかりと味わうことができる。
短編集ではあるが、一つ一つの物語に「生きること」への想いが滲んでいる。強く描かれている、とうわけではなく滲んでいる。じんわりと。登場人物の年代や立場も異なるので、それぞれの気持ちに思いを馳せることができる一冊。 -
生きていれば、きれいごとだけでは済まされないことが山ほどある。
生きるために、親を見限り
悪いとわかっていても道ならぬ恋に落ち
猫だって捨てに行く。
どうしてだろう、この短編の主人公たちは
ほの暗い思いを抱え、人生に絶望してしまいそうなギリギリの所でも
しぶとく前向きにすら見えるのだ。
明日なんてワクワク・キラキラしてなくたっていい。
死と隣り合わせに、性に振り回されながら
それでも逞しく生きて行く
この物語が大好きだ。 -
2016.11.1読了
窪美澄さんの短編は、短いながらにどれもドッシリとしていて、一編一編が読み応えあった。 -
生と死と性が描かれた8つの短編。短編なんでより直球のお話は心に響く。生と死。生と性。生きてくにはこの二つが厄介だと改めて感じる。そして無様でも生きなきゃと思わせる作品。次は長編を読みたい。