すみなれたからだで

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 576
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025070

感想・レビュー・書評

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  • デビュー後から現在まで、窪美澄さんの魅力全開の短篇集!めっちゃよかった!!読み終わって、またすぐ読み返したくなる!

    いろいろな時代、いろいろな年代の「生」と「性」、そして「死」。出逢いと別れ。穏やかだったり、激しかったり。

    そう。誰だって、手探りで生きてるんだよね。

    そんな人々に寄り添った、8つのいろんな味わいの物語。

  • 短編で読みやすかった。
    穏やかそうなそれぞれの生活の中にも、ドラマがあるんだなと思った。

  • 窪美澄さんの文章はどの話もすぐ入り込める。この本も生きる事に対するそれぞれの想いが感じる8つの話になっている。さり気なく終わるのもいい。

  • 窪美澄さんの豊かな感性が8つの物語に収斂されています。「すみなれたからだで」、2016.10発行。就職に失敗して共同生活してる男女二人に猫が参入した「猫と春」、中年夫婦のなぜか新鮮に感じられるセックスを描いた「すみなれたからだで」、生と性と死の関係がテーマだったのか?「バイタルサイン」、この3話が印象に残りました。

  • 身を焦がすような恋愛も穏やかで落ち着いた関係も自分の選択で自分の身体で経験してきて、人生が続いていくと思う短編集。一つの忘れられない恋の描き方が濃厚。

  • ちょっとだけ今の自分の精神衛生面では、いつも好んで読んでいる窪美澄さんの毒素が耐えられなかった。耐えられなかったと言いつつも読破。
    前に読んでいたものも性描写が多いお話だったので、しばらくはお腹いっぱいです。

  • 呆けたおばあちゃんの昔話が印象的でした。
    あと、猫のお話とか。

    この人の作品は、無駄に?性描写が多くて、こんなに必要なのかな?って思うことがよくあります。電車で読んでいると恥ずかしい……。

  • 「父を山に棄てに行く」
    生きていくために。
    どれだけ人里離れて頻繁に会いに来れない場所だったとしても、平穏を手に入れるには必要なことだったのだろうな。

    「インフルエンザの左岸から」
    二人で見送った人。
    管理しているお寺の言い分も分からなくはないが、それを知っているにも関わらず葬式に関与しないのはどうなのか。

    「猫降る曇天」
    届けたかった物資。
    真実を話したところで子供が拒絶反応を示している限り、誰も信用してくれないだろうし不振者と通報されるだろう。

    「すみなれたからだで」
    失う物と得る物は。
    年齢を重ねるに連れて若い頃のようにとはいかないだろうが、あまりにも何もないと寂しいと感じるかもしれない。

    「バイタルサイン」
    大胆な行動により。
    明らかに慣れた様子で交わり合う二人を見た時の衝撃は、仕事に夢中になっていた事など忘れるほどの怒りだったろ。

    「銀紙色のアンタレス」
    好きになった相手。
    話しかけなかったのではなく何と言えばいいか分からず、頑張って粧し込んでも反応が薄ければ悲しかっただろうな。

    「朧月夜のスーヴェニア」
    愛されていた記憶。
    大切に育て許嫁を持つ娘が見知らぬ男となど知った瞬間に両親は絶望しただろうが、待つだけの身も辛かっただろう。

    「猫と春」
    一匹と一人と共に。
    一緒に暮らしている理由もだけれど、ほとんど会わない生活をするぐらいなら厳しいとはいえ互いに独立すべきだろ。

  • お盆でチビッ子フィーバーしてますw

    ってな事で、窪美澄の『すみなれたからだで』
    .
    ・父を山に棄てに行く
    ・インフルエンザの左岸から
    ・猫降る曇天 ・すみなれたからだで
    ・バイタルサイン
    ・銀色紙のアンタレス
    ・朧月夜のスーヴェニア
    ・猫と春

    の短編集。
    .

    窪さんらしい内容(わしのイメージ)や真面目でシュールな内容と振り幅が広い作品が、ええ塩梅で並んでて気軽に読めるが、一気に読むと心のバランスが崩れていきそう(笑)

    バイタルサインが窪さんらしくて好きじゃなw

    2017年33 冊目

  • 生と性がテーマだと感じた。
    性欲は人間が生きて生きて行く過程では必ずや通過する本能であるものの、とかく影での存在となりがち。
    しかし本書では大胆な描写がされ、これが文学?とも。図書館で読むのは場違いな感じを受けた。

    ただ戦争時代の思い出が語られる「朧月夜のスーヴェニア」は、出征した許嫁を待つ女性と、彼女に近づく男性の物語は、実際にはよくあったことだと思う。

    また幼なじみの男女の心の揺れを描く短編「銀紙色のアンタレス」が良かった。
    それまでの性描写の激しさからヒヤヒヤしたが、最後は思春期の青年の淡い恋と切なさを感じることが出来た。

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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