きみの言い訳は最高の芸術

著者 :
  • 河出書房新社
3.63
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本棚登録 : 768
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025124

感想・レビュー・書評

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  • 主に筆者がブログに書いていた文章をまとめたエッセイ本。

    彼女にとって「文章」は発表を前提に書くものだったらしく、つまり彼女の書く文章はすべて作品なのだった。
    思考がダイレクトに伝わってくる力のある文章ばかりなので、読むためにも気力がいる。
    それは普段誰も言葉にしてくれない、見ない振りをしている部分に彼女がスポットを当てているため、自分の心と向き合うことを余儀なくされるからなのかもしれない。
    彼女は望んでいないのだろうけど、私はすごく共感した。

  • さくさく読み進められるようで、中々そうもいかない。言葉がやっぱり踊りながら漂っている感じ。なんて言ったらいいんだろう?
    自分が若い事をきちんと把握している感じ

  • なんとなく気になっていた方の一冊。
    詩を読まねば。
    まず。

  • 共感されたくて文章を書いたことなんて一度もなかった。友達はいらない。共有したいという感情が、ずっとずっと邪魔だった。主張に責任をもてないのか、主張しないことに自己嫌悪する。相手を不快にしないように、それを第一に考えて対応する。それは優しさでもなんでもなく、相手の不快から逃れる手段でしかない。わかるよわかる。なんてね。十代に共感する奴はみんな嘘つきということだ。言葉が研ぎ澄まされるこの作者の詩はどんなんだろう?読んでみようかな。

  • 読むのにエネルギーのいるエッセイだなって思った。何故、こんなにエネルギーがいるんだろうと考えると、1つの文が長いから、句点に辿り着くまでに何を話しているのか分からなくなってしまう。俺の読解力や感性の問題もあるのかもしれないけれど。

    とても「感性度」の高い文章で、例えばこれは、土曜日の深夜2時くらいに読んだ時、心の柔らかい場所を刺激して、自分だけの感性がジンワリと滲み出てくるんだろうなと思った。

    詩とエッセイとの狭間にある本だなと感じた。いつも目に届くところに置いておいて、夜の静かな時間に読見返してみたくなる本だった。

  • 詩人・最果タヒ氏のエッセイ…というかブログをまとめたもの(一部雑誌掲載のものもあり)。
    やはり詩人らしく、言葉というものに対しての見解が独特のもので、特にネット黎明期と思春期が一致したことで、そもそも読んでもらうこと前提でないと文章が書けないという件など、なかなか興味深かった。他にも人間関係について(友達は必要ない)や、これも言葉に関係するがネット上に文章を書くことは自分というキャラクターのコンテンツを作ること…など、他の人とは違った世界の見方をしていることが伺えて面白い。
    詩集も読んでみようと思う。

  • 著者は詩・小説・エッセイと様々な形態の文章を発表しているが、なかでもこのエッセイの語り口が自分に合っていると感じた。

著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
詩人。一九八六年生まれ。二〇〇六年、現代詩手帖賞受賞。二〇〇八年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。二〇一五年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。その他の主な詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(二〇一七年、石井裕也監督により映画化)『恋人たちはせーので光る』『夜景座生まれ』など。作詞提供もおこなう。清川あさみとの共著『千年後の百人一首』では一〇〇首の現代語訳をし、翌年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『もぐ∞【←無限大記号、寝かす】』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、絵本に『ここは』(絵・及川賢治)、対談集に『ことばの恐竜』。

「2021年 『神様の友達の友達の友達はぼく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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