火を喰う者たち

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 120
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204277

感想・レビュー・書評

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  • 時は1962年米ソ冷戦時代。イギリスの海辺の村に暮らす中学に入学したばかりの主人公と家族、学校、友人を巡る日常を描く。主人公が市場で出会ったいかれた火喰い男。主人公の父と同じ戦地帰りと知りますます興味を惹かれる。そして、起こったキューバ危機。その時、火喰い男が起こした奇跡・・・。タイトルと表紙のイラストに惹かれ何となく読み始めたが、主人公の豊かな感受性と火喰い男の哀愁に予想外に心を打たれた。不思議な魅力に溢れた一冊。

  • よかった。素朴な祈りのちから。

  • 1962年、世界中が固唾を呑んだキューバ危機。米ソ冷戦による第3次大戦の不安が渦巻く時代。舞台はイギリスの貧しい海辺の町。言い知れぬ不安に押しつぶされそうになりながらも健気に生きる少年と、その周りで暮らす人々の日常を綴った奇跡と祈りの物語。
    作者デイヴィッド・アーモンドの魔法に掛けられてしまったような読後感。なんとも美しいお話です。
    ボストングローブ・ホーンブック賞、スマーティーズ賞、ウィットブレッド賞受賞作。

  • マクナルティーの姿が真っ直ぐで痛々しかったです。

  • 普通の物語。
    当たり前の事が当たり前ではなくなってしまう時の恐怖
    普通がいかに大切であり、いかに脆いものなのかを
    普通の物語で表現している。

  • 『へヴンアイズ』もそうだけれど、
    不思議な世界とこの世をつなぐ老人たちは、子どもたちをその世界で守り、成長を見届けるとその役割を終えたかのように
    穏やかにその生を終えていく。

    戦争の心の傷によって、みなに奇人といわれ、炎を吹いたり、頬を串で貫いたりすることで生きるマクナルティー。

    ボビーは、父親が病気で死んでしまうかもしれない恐怖や自分たちが社会の規範であるかのように振舞う教師たち、迫りくる戦争の影に押しつぶされそうになった時、マクナルティーの技を真似することによって、それができるまでのその心の悲しみ・痛みを思い、じぶんを奮い立たせていく。


    最後のシーンは、世界は多くの苦しみや悲しみを抱えているけれど、『世界は驚きに満ちている』ことを見出せる子供たちの、その明るく力強さで終る。いい作品でした。

  • 最近涙もろくて仕方がない。
    マクナルティーの最期があまりにも呆気なさ過ぎるのでは? 一瞬読み飛ばしちゃったよ。それくらい呆気なく死んだ。
    鞭で打つと聞いて「アンダーザローズ」を思い出した(漫画です)全然関係ないけど、「アンダーザローズ」って「秘密」って意味なんだって。

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著者プロフィール

1951年生まれ。イギリスの作家。1988年『肩胛骨は翼のなごり』でデビューし、この作品でカーネギー賞受賞。ほかの作品に『星を数えて』『ミナの物語』『パパはバードマン』などの作品がある。国際アンデルセン賞受賞作家。

「2018年 『ダム―この美しいすべてのものたちへ―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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