サラダ記念日 (河出文庫 227A BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309402499

感想・レビュー・書評

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  • NHKのプロフェッショナルが俵万智さんに密着するのを見て、その番組が短歌を募集すると聞いて、自分も一首詠んでみた。しかし、どうも固い。万智さんのあの軽やかな歌は、一体どこから生まれてくるのだろう。

  • あっけらかんと恋をして、フラれて。

    80年代のバブル景気のころの空気感を一冊を通して吸ったような気持ちに。
    でも、描かれる心持ちは2022年だろうが変わらぬものばかりで、百刷本にもなるよこれは。

    また読もう。何度も読もう。

  • 恋愛の短歌が多いがわたしにはあまり響かなかった。
    たまにある日常や、特に母を歌う短歌はいい年齢の女として共感できた。

    ⬇︎好きな短歌


    ちぐはぐな会話交せり母と娘のつながり信用し過ぎていたか

    母と娘が女と女になってゆく 嫁に行きたい年頃である

  • ・八月の朝
    君を待つ土曜日なりき待つという時間を食べて女は生きる
    我がカープのピンチも何か幸せな気分で見おり君にもたれて
    生ビール買い求めいるきみの手をふと見るそしてつくづくと見る
    「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
    「俺は別にいいよ」って何がいいんだかわからないままうなずいている
    それならば五年待とうと君でない男に言わせている喫茶店

    ・野球ゲーム
    「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの

    「今日で君と出会ってちょうど500日」男囁くわっと飛びのく

    ・朝のネクタイ
    電話から少し離れてお茶を飲む聞いてないよというように飲む

    やさしさをうまく表現できぬこと許されており父の世代は

    ・風になる
    四つめの誘い断る日曜日なんにもしないわたしの時間
    「おまえオレに言いたいことがあるだろう」決めつけられてそんな気もする
    ゴッホ展ガラスに映る我の顔ばかり気にして進める順路


    ・橋本高校
    万智ちゃんを先生と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校
    「おやっ!?」という言葉流行りて教室の会話大方オヤッオヤッで済む
    数学の試験監督する我の一部始終を見ている少女

    ・待ち人ごっこ
    「クロッカスが咲きました」という書きだしでふいに手紙を書きたくなりぬ
    コーヒーのかくまで香る食卓に愛だけがある人生なんて

    ・サラダ記念日
    ナイターの風に吹かれている君のグレープフルーツいろの横顔
    明日まで一緒にいたい心だけホームに置いて乗る終電車
    「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日


  • 職場の同僚が、テレビでお薦めされてたので買おうとしらネットでは売り切れだった、と言うので探して買って読んでみた。恋愛や旅行、日常など二十歳から二十四歳の頃に書かれた歌集。三十一文字ですが恋愛の歌なんてキュンキュンします。この本が最初にブームになった頃、高校の国語の先生が紹介してたのが思い出されます。その時読んでも良さが分からなかったも知れないけど今読んで素晴らしさが分かりました。後世に残る本だと思います。

  • 三十一文字の中に凝縮された情景と、その一瞬のときめきや寂しさ。
    たった31文字の中にいきいきと感じる《君》の息づかい、表情、そして暖かさ。
    家族や男性に愛されていても、彼らを愛していても、どこか埋まらない、報われない寂しさを感じました。
    まさに《ミックス・ベジタブル》のような一冊。

  • なんて瑞々しい…
    どんな日常でも情景や感情がありありと浮かんでくる。
    31文字の強さを感じる。

    北陸新幹線延伸記念で店頭に福井にゆかりのある方の本が置かれていて手に取る。
    アボカドの種と迷ったが、軽く中身を見てあまりの瑞々しさにサラダ記念日を旅のお供に。
    朝ドラのような爽やかさ。

    俵万智さんはどんなテーマでも解像度の高いドラマチックな短歌を詠めるんだなぁ。
    ジャズコンサートの章は音まで流れてくるような美しい言葉たち。
    言葉の余韻がすごい…

    1987年に初版され、今回偶然にも手に取ったが、久しぶりに出会えて良かったと思えた。

  • 有名なあの一首はもちろん知っているけど、ちゃんと読んだ事はないなと思い購入。男女の歌が多いが、どこかドライで読みやすい。

  • この本にはきっと日本で一番有名な短歌が載っている。
    日常の一瞬の切り取り方が本当に素敵。こんな風にいつも世界を感じられたらな、と思う。

  • 20代前半の最初の歌集です。こんなんだったなあと、自分の事も思い出しました。
    もう半世紀前のことですけど…

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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