オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)
- 河出書房新社 (2007年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309709413
感想・レビュー・書評
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ロードムーヴィーならぬ、ロードノヴェル。
今まで気にしつつも、手に取らなかった理由の通り、やはり共感出来なったけれど、大変興味深かった。多分、必読。
あとがきで、登場人物のモデルが明かされて、それを踏まえて読み返すと更に面白いかも。
ケルアックのネーミングの才能を知り、感心する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
語り手の親友でもあり、物語の真の主人公ともいえるディーン・モリアーティは、最低にヨレヨレで、最高にテンションの高いヒーローである。全てのことに目を見開き、大げさに感動する男。実際に彼が自分の周囲に現れたとして、絶対に関わりあいになりたくない人物なのだが、遠くからなら成りゆきを眺めていたい気がする。
この物語は旅の記録であり、主人公たちの動きっぱなしなところに驚嘆した。ニューヨークとサンフランシスコ(「フリスコ」)を行ったり来たりし、あげくはデンヴァーからメキシコまで国境を越えて縦断してしまう。そして、そこに暮らす人々の現実を、ディーンの過度な感激でもって二次体検させてくれる。
旅をしたくなる本だ。しかし、あまりに移動のし続けなので、読んでいるだけでも疲労してしまい、一時に少しずつしか進められなかった。こんな本は、初めてだった。 -
この本の主人公たちの旅は、出たとこ勝負できちがいじみたところさえありますが、何者にもしばられない自由と開放感が感じられました。
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旅
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ON THE ROAD AGAIN!
ケルアック、バロウズ、ギンズバーグ。ビート世代を代表する若者が、酒、薬、女、音楽、そして自由を求め、刹那的な幸福・快楽を求めた旅の記録。池澤夏樹による新訳で新たな「路上」が広大に拡がる。
中村 -
女子大生には受けないかもしれませんが・・・
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若者二人がアメリカ大陸を行ったり来たり、旅をし続ける物語。
なんかもう、ここまで自分と価値観の合わない登場人物たちの旅を追うってのは、
正直しんどかったです。
流されやすくて目先の快楽しか見えてなかったりとか、
計画も立てずに旅に出て、当たり前みたいに食料を盗んだり、薬物に手を出したり、
女や家族をあっさり捨てたり…
ほんとにもう、どうしようもない。
人に迷惑をかけてまで求めるような「自由」に価値があるとは思えません。
池澤夏樹さんは、この作品について
「今になるとなかなかわからないけれど、
常識を根底からひっくり返したところが『オン・ザ・ロード』の魅力だったのだ」
と述べていて、
結局、その「ひっくり返された常識」を理解できるかどうかが、
この作品を楽しめるかどうかの分かれ目なんだろうなぁという気がします。
私には残念ながら理解できなかったわけですが。
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学生時代にリアルタイムで新訳読めるなんてすごい幸運。
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河出書房新社、池澤夏樹監修の世界文学全集の待望の第一巻です。
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文化的背景も、時代背景も、何ら私と共通点がない主人公の、クレイジーな物語。
大学時代に初めて読んで、未だに私の読書体験の中にどっかりと座り続けている小説です。
なぜなのか、自分でもわかりません。
ただ、見知らぬ土地の風景や空気が、ヒリヒリと伝わってくることは確かなんです。
今回、完全な新訳で登場! 素晴らしいです。
全集の選者は、大ファンの池澤夏樹さん。
現在刊行中のこのシリーズ、他にも大好きな小説がいっぱいです。
こうやって素敵なハードカバーで読めるのは嬉しいし、本自体が宝物です。