利己的な遺伝子: 増補改題『生物=生存機械論』 (科学選書 9)

  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005562

感想・レビュー・書評

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  • 生物に興味を持ち始めた1冊。
    昔、利己的な遺伝子という言葉がはやった。内容を理解しない上司が、得意そうに話していたのをおぼえている。(そして、このセンセーショナルな言葉の響きから、パラサイトイブなんかも生まれたように思う)
    そのときから、本当のところ、どんな内容なのかを知りたいと思っていた。
    出産と育休を機に、だんなの蔵書の中から初めて読んだ。

    思っていたよりもずっとまともな内容。しかも、これまでのわたしの中での進化論の常識をくつがえした。
    途中から、ミームの話になり、かなり机上の空論的になる。が、それまでの緻密な論理の積み上げがすばらしいと思った。

    今、レビューを書いている時点で、3年ほど前に読んだことになるので、その後たくさんの進化論の本を読んだ。こうやって知識を積み上げた後で、再度読みたいと思っている。

  • 「遺伝子は自らの複製を作る性質のある分子であり、生物はすべて、遺伝子の維持のための『生存機械』である」という理論を基本原則として、ある生物の体の構造、行動や繁殖方法がいかにして進化したか、淘汰の中で安定となる遺伝子の「戦略」はどのようなものかという問題について、あらゆる切り口から書かれている。

    『大学新入生に薦める101冊の本』で、本書につけられている難易度は3段階中2。
    一般的な読者も想定している本だが、科学書に読み慣れていない私には、理解しながら読むのにかなり時間がかかった。

    しかし遺伝や進化に関して、高校の生物の授業のときには理解しきれなかったけれど、この本でもっと詳しい説明を読んだら納得できた部分があってスッキリ。

    読んでいて面白いのは、ユニークな生物の例と、そのような生物が有利となる遺伝上の理由。
    記憶に残っているのは、
    ・ハチの変わった繁殖法と分業
    ・農耕牧畜をするアリ
    ・奴隷狩りをするアリ
    「こんなことする生き物がいるのか〜」と驚き、単純に楽しい。

    この本の一貫した「生物は遺伝子が自己の複製を増やすための生存機械」という主張を読んだ後では、自分の生物観を変えざるをえないだろう。
    自分のこれまでの常識が覆されるという、読書の醍醐味を味わわせてくれる科学本。

  • 読もうと頑張り続けてますが、アリでの解説の辺りでいつも挫折。

  • 利他的に見える生物の行動も、
    実は利己的な遺伝子のふるまいの結果に過ぎない。

    自己複製子のヴィークル(乗り物)。
    つまりぼくらは生存機械なのだ、という本。

    もしかしたらこの本は、
    見る人によっては絶望を与えるかもしれない。

    しかし、
    著者はコンドームを好個の例に言う。
    人間は利己的な遺伝子に抗することができる、と。

    模倣子(ミーム)という言葉もここから始まった。

  • 10年以上前、大学時代に読んだ本。非常に感銘を受けたことは今でも覚えています。

    ドーキンスの主張は、一言で言えば「進化の方向は、遺伝子にとって利己的な行動をとった結果である」ということでしょうか。何かを基盤として成り立つ理論ではなく、根底に位置する理論なので否定することが難しく(そう言われると頷かざるを得ない)、それゆえに恐ろしささえ感じてしまいます。

    リチャード・ドーキンスを批判するスティーブン・J・グールドの著書などを読まねばならないですね。

  • 利己的な遺伝子(目次)
    人はなぜいるのか
    自己複製子
    不滅のコイル
    遺伝子機械
    攻撃―安定性と利己的機械
    遺伝子道
    家族計画
    世代間の争い
    雄と雌の争い
    ぼくの背中をかいておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう
    ・個体の利己的戦略とモデル
    ミーム―新登場の自己複製子
    気のいい奴が一番になる
    遺伝子の長い腕

    遺伝子ってこんなにシステマティックに冷徹に目的のためには手段を選ばず(ライオンの継子殺しとか)コピーを作ろうとしている様子が伺えた。生物が今のような状態になったのには長きに渡る遺伝子の試行錯誤があったはず?のことだということがわかる。遺伝子によりヴィークルとして使われてきた人間を含む生物であるが、十分先見能力を発達させた人間が遺伝子の利己性を超越する時だとする著書の意見には感動してしまった。著書が最初の方で書いていたように遺伝子は不死身である。進化しながら複製していくということも考慮すれば、(チープなもののいいとなるが)、神が命(遺伝子)を生み出し、数々の試練を与え、最終的には利他の精神を自ら育むようにしようとしているのではないかと感じた。そのような最終状況が色々な宗教で最終的に訪れる楽園であるのではないかと。

  • . 読了メモ。木村幸治『馬は知っていたか』R.ドーキンス『利己的な遺伝子』。馬が何かを知っているかどうか、人間は言葉では分からない。人間は分かったつもりを越えることはない。ただ、自らのより良い生存を求め、世界に向かい続けていくだけだ。その為の承認は必要だろうが。

  • 「その時代で最も優れたウソが科学である」by日高先生
    いつの日か『DNA原理主義』も論破されるのだろうか?

  • 1 人はなぜいるのか
    2 自己複製子
    3 不滅のコイル
    4 遺伝子機械
    5 攻撃―安定性と利己的機械
    6 遺伝子道
    7 家族計画
    8 世代間の争い
    9 雄と雌の争い
    10 ぼくの背中を掻いておくれ、お返しに背中をふみつけてやろう
    11 ミーム―新登場の自己複製子
    12 気のいい奴が一番になる
    13 遺伝子の長い腕

  • 自分がどこから来て
    どこにむかっていくのか(笑)
    を知りたい時に良いかも。

    遺伝子のふるまい?がそのまま人間社会に当てはめられるところが面白い。
    当たり前と言えば当たり前か。
    だって遺伝子の乗り物らしいこの体。

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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