愛するということ 新訳版

  • 紀伊國屋書店
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感想 : 509
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314005586

感想・レビュー・書評

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  • 愛することは技術である。

    この本で、愛するためには、日々の意識が大事なんだなと思いました。
    本にも書かれていましたが、部屋でリラックスすることと怠慢は同義で、その積み重ねは愛する技術をなくしてしまいかねない。
    繋がっていないと思ってても、どこかで繋がることがあると言うことなんだなと思いました。
    毎日、丁寧な生活を送ることが愛とつながると思います。

  • ※2000.4.29購入@古書店
     2005.2.27売却済み

  • 自分には理解が及ばなかった様です、、

  • 婚活がうまくいかず、そもそも愛ってなに?どういうこと?どうすればうまくいくの?と悩んでいるときに手に取った1冊。1956年に書かれたとは思えないほど、現代人にも通じる人間が抱える孤独や不安、それを取り巻く環境を鋭く指摘した本だった。

    結論から言って、本当に【愛する】ということは、特定の対象だけでなく、全体に対する態度、性格の方向性。愛を注ぐにふさわしい対象を見つければあとはうまくいくというものではない。規律、集中、忍耐、そして愛に対して気持ちを寄せること、これらの上に成り立つ【技術】。

    これを読めばすべてが上手くいくというハウツー本ではないが、自分が抱える問題を客観的に捉えられた。フロムが、これらは愛ではないと提起した偶像崇拝や自分のことは棚に上げ相手の欠点ばかり目ざとく見つけて非難すること、これらがまさに自分と過去に婚活でうまくいかなかった方々がぴたりと当てはまっていて身につまされた。利己主義と自己愛は似て非なるものという考え方は自分にとって新鮮だった。

    また、こうしてみれば?というフロムからの愛ある提案も少しあったので、実生活に取り入れてみようと思った。

    最後に個人的には
    【人は意識の上では愛されないことを恐れているが、本当は無意識で愛することを恐れている。なぜなら、愛は何の保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に全面的に自分をゆだねることだから】という一節が深く印象に残った。他にも心にグサッとくる名言がたくさんあったので、ぜひ実際に読んでみてほしい。

  • 愛するとはこういうことですよ、という定義があるわけではないから難しいところです。
    恋している、というのはなんとなくわかるものたまけれど。
    自分が愛していると思っていても、まわりから見たらそれは愛じゃないよという場合もきっとあるはず。
    自分の色々なところを磨いていかないと愛するなんてできないなぁと思いました。

  • 一部いただけない考えはあるものの…。

  • ■ひとことで言うと?
     自他の核心を知ろうとする能動的営みが「愛」

    ■キーポイント
     ・「愛」の本質
      →意志にもとづく能動的な営み(愛は感情ではなく「技術」)
      →他者の愛を喚起する生産的活動
       →「愛とは愛を生む力であり、愛せなければ愛を生むことはできない」
      →世界全体(全人類)に対する態度
     ・孤独の克服
      →人間の根源的欲求
       →他者の核心を知り(他者との「合一」)、孤独を克服するために「愛」が必要
     ・「愛」の性質
      →配慮:相手を気遣う
      →責任:相手の求めに応答する
      →尊重:相手の唯一性を知る
     ・「愛」の変容
      →愛のカタチは社会構造の影響を受ける
       →市場原理の影響による「愛の崩壊」
     ・「愛」の習練
      →規律・集中・忍耐の習練
      →理性(客観的に考える能力)の獲得
      →信念(理にかなったヴィジョン)の設定
       →勇気を持って信念を貫く
     ・「愛こそが、いかに生きるべきかという問いにたいする唯一の健全で満足のいく答えだ」

  • かなり感動した
    愛は技術であり、意思の領分であり、尊重・責任・配慮・知から成る、という定義は、愛を自分の主体的コントロール下におくための第一歩である。
    たしかに普段生活していて、意図的に愛そうとすることはあまりなく、頑張って意図的にやろうとして、無理な壁にぶち当たることもある。
    そのとき、愛は落ちるものでもないし、また主体的にやろうとして不可能なほどの無理難題でもない、手の届く範囲の技術であることを教えてくれる。
    他方で技術であるのだから、その習得には習慣や強い意志がないとできないことも注記する。ピアノの技術の習得と同じである。
    僕は人を愛することがしたかったから、まず自立と自律を目指すことにした。親元を発ち経済的にも精神的にも社会的にもできる範囲で少しずつ独立を目指す。必ずしも人を愛すのに親元からの独立は必要ではないかもしれないが、精神的に誰かに生活そのものを一方的に頼る状態で他の人を支えることはできないと思った。また自分自身にとってベストを考えたとき(つまり自分を知り、配慮し、尊重し、責任を持つ=自分を愛するにあたって)誰かに頼りっぱなしだと満足がいかず他の人に意識を向ける余裕はないと思った。また、誰かから搾取して徳をしようという愛と反対の営みを続けて矛盾を抱えてしまうような気がした。つまり、僕の自立を促し生活を具体的に変えた本だった。

  • 現在読んでいるが、難しくてなかなか読み進まない。色々と勉強になります。

  • 「自分自身を愛せない者は誰も愛せない」ということについて。人を傷つけたり、差別主義者やあるいは差別そのものを擁護・正当化するために過激な言葉を使って自分自身を貶めている人々のことを思うと正にそうだと痛感する。
    向田邦子は、言葉は無料で手に入る最高のアクセサリーだから、流行り言葉などを安易に使わず、良い言葉を身に付けろと言っていた。ただしそれを身につける(つまり教養を深める)には努力が必要だとも。正に愛する技術を体得するための修練といえるのではないか。
    この本は、2014年のダ・ヴィンチで綾瀬はるかさんが読んだと言っていて、綾瀬はるかさんを愛しているので読んで以来の再読。スタイリストさんからすすめられて読んだそうで、スタイリストさんが綾瀬さんにすすめたことで僕も読むことができたわけで、綾瀬さんにこの本をすすめたスタイリストさんにありがとうと言いたいです。
    この本は、フロム自身の難解な文章より、彼が「○○(人名)がこれについてみごとに要約している」とか言って引用している文章のほうが分かりやすくて印象に残りやすいのが面白い。

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著者プロフィール

ドイツの社会心理学者、精神分析家。1900年、フランクフルト生まれ。ユダヤ教正教派の両親のもとに育ち、ハイデルベルク大学で社会学、心理学、哲学を学ぶ。ナチスが政権を掌握した後、スイス・ジュネーブに移り、1934年にはアメリカへ移住。1941年に発表した代表作『自由からの逃走』は、いまや社会学の古典として長く読まれ続けている。その後も『愛するということ』(1956年)、『悪について』(1964年)などを次々と刊行する。1980年、80歳の誕生日を目前にスイス・ムラルトの自宅で死去。

「2022年 『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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