愛着障害 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036430

感想・レビュー・書評

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  • 愛着が不完全で、安全基地をもたない場合には、そこに縛られることがないので、まったく常識を超えた目で社会を見たり、物事を感じたり、発想することができやすい。これが独創性という点で、大きな強みを生むのである。

    創造とは、ある意味、旧来の価値の破壊である。破壊的な力が生まれるためには、旧来の存在と安定的に誼を結びすぎることは、マイナスなのである。

    技術や伝統を継承し、発展させることはできても、そこから真の創造は生まれにくいのである。なぜなら、破壊的な創造など、安定した愛着に恵まれた人にとって、命を懸けるまでには必要性をもたないからである。

    彼らの創造的な人生の原点にあるのは、既成の価値を否定し、そこから自由になろうとしたことである。彼らにそれができたのは、彼らが内部に不安定な空虚を抱え、常識的な行動によっては満たされないものがあったからだ。そして、その源をさかのぼれば、愛着の傷ということに行きつくだろう。それが、彼らを社会的な常識から解放し、新しい価値を手に入れる旅へと駆り立てたのである

  • 遺伝、親の気質、組み合わせ、そのほか出会う人や環境まど色々なことが要因となって、またその組み合わせの濃淡によって人の人格は作られる。
    自己というものはとても危うく、頼りないものだが、時には特異な才能として現れることもある。
    人間の不思議を感じた。

  • わかりやすく、そして希望の持てる内容。自分自身に照らし合わせてみて納得いく。簡単な分析も付いていて参考になった。

  • 子ども、大人にとって愛着の大切さを知った。
    相手から認めてもらうこと
    将来、自分に子どもが産まれたら、目一杯愛してあげたい

  • 逃避癖、恋愛依存、身体フェチ、あるいはアダルトチルドレンとか。程度を問わず、こうした傾向について身に覚えがあって、自己理解を進めたい人におすすめ。成長段階での愛着の観点から、これらの傾向をまとめている。巻末にチェックリストがあって自己評価ができるのと、愛着障害のあった著名人の事例がいくつも書かれていて入りやすい。

    こういう分析はあくまでも「自己/他者理解を進めたい時と場合」向けだと思う。

  • 三部作の一作目

    愛着障害とは何か、が一冊にまとまっている

    安定型愛着スタイル、回避型愛着スタイル、不安型愛着スタイル、恐れ・回避型愛着スタイル
    の四つのスタイルの特徴とその原因、過去の著名人の話を交えながらの説明

    克服はかなり短め、目次を読んだ感じだとより詳しい回避型の説明は二作目、克服やその先は三作目に書いてありそう

    愛着障害に関して初めて読むにはわかりやすい本でした

  • 以前働いていた所で
    苦情をしてきた母親のことを考えて
    この本を手にした…

  • 記録

  • 自分が当てはまり過ぎて、恐ろしいです。

  •  心理学の本なのですが、どういうわけか夏目漱石のことが、ややゆがめられたかたちで分析されているので、気になりました。

     夏目漱石は人気作家であるから、大学で卒論の対象にした方も多いし、伝記的事実も細かいことまで根ほり葉ほり研究されています。それをこんなふうに恣意的に書いては、ファンのかたがたから反発をくらうだけではなく、肝心の「愛着障害」の心理学的根拠も疑われかねないのではないかと危惧します。

     夏目漱石の場合は、周期的に精神のバランスを崩しているようなので、おそらくなんらかの精神病ではないかと私は思っています、がそういう素人診断もあまり意味がないとも考えています。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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