- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334733704
感想・レビュー・書評
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【四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。その男を“始末”するために。目撃した青木淳子は、力――念力放火能力(パイロキネシス)を放ち、三人の若者を炎上させる。しかし、残る一人の若者は逃走。淳子は、息絶えた男に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね。」一方、現場を訪れた石津ちか子刑事は、不可解な焼殺の手口から、ある事件を思い出していた!】
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とりあえず、上巻読み終わった。
火を操れる女性、青木淳子が主役のSFミステリー。
読み進めるに従って、徐々に心の描写が多く出てくるようになり、上巻終了。気になる!
『瞳の中にある、針で突いたような真っ黒な場所。そこには生々しい恐怖が残っている』という文章が印象に残った。 -
読み始めから引き込まれ、読了後も満足のいく作品でした。
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積んでおくこと5年。
やっと手をつけて一気に読み終わった。
宮部作品にしては読みやすかったなぁ。
相変わらず登場人物多いけど。
実は宮部みゆきも読まず嫌いの相性悪しだったんだけどね。
興味はあるから読んでみようとして挫折するのを繰り返してた。
けど、これは最後まで読めたぞー。
この勢いで下巻まで行く。
内容は、まぁまだ上巻読んだだけなので割愛。 -
読了!★★★☆☆ 宮部みゆきのサイキックミステリ。1998年刊
最初っからずいぶん派手にやらかすけど、これじゃすぐに捕まってしまうんじゃないかと心配になった。
能力の事もあり、派手で見応えのあるアクションシーンが多い。
続きレビューは下巻にて。
印象深い一文引用
「・・・使用されているものが「火」だということがあるのではないか。火は裁きの色なのだから。」 -
パイロキネシスについては、信じてないけど、あったらいいなーくらいには思ってる・・・そんな程度。それでも、面白くて、ついつい先へと読み進めた。下巻も楽しみ。
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宮部みゆきさんの作品は、地の文や背景描写、なんでもないシーンが長すぎると感じることがある。
それがもちろん作品に深みを与えているのだけれど。
この『クロスファイア』も、例によってそういった描写も多いのだけれど、
その長さに疲れさせることなく、ぐいぐいと惹き込んでいく筆力はさすがです。
ある事件に偶然巻きこまれた淳子は、被害者の男性を救えなかったことに後悔する。
その男性の最後の言葉は「助けてくれ……ナツコを」というものだった。
まだ事件は終わっていない。
助けなければならないナツコという女性がいると知った淳子は、加害者グループと思われる人々を独自に捜索し、次々と『燃やし』てゆくのだった。
警視庁に勤める、おばさん刑事のちか子は、度重なる大量焼殺事件に違和感を覚えていた。
火力が強すぎる…。
街中で火炎放射器でも振り回したのだろうか。
ありえない、その方法が全く分からない。
そして、こんな不可思議な焼死体がでる事件は、過去にもなかったか…。
明らかにおかしいこの事件は、犯人グループの内輪もめによる仲間割れという形で終わろうとしている。
ちか子は、変り者の刑事、牧原と共に独自にこれらの事件を調査を進めてゆくのだった。
物語の核は、淳子とちか子のそれぞれの視点からの追いかけっこ。
180度違う視点からの2人の追走劇は、重なり合い、すれ違いながら織りなされてゆく。
正義とは何か。必要悪はあるのか。
どちらかというと、ちか子よりも淳子の方に気持ちが傾いてしまっている自分がいた。 -
冒頭からすっかり引き込まれました。
パイロキネシスと言う火を扱う能力を持つ淳子は世の中の不条理な事件に対して、犯人や容疑者を殺傷して行く。
と言うと、必殺仕事人を思い浮かべますが、この淳子も悪い人間を殺すと言う事に対しては感情を持ちえない。ただ、悪の定義を考えるときに程度は様々。主犯から脇役までと。淳子はそれを全てひとくくりにしている所に怖さがあります。
このような抑止力があれば、政治家の皆さんも真剣に政治に取り組むのではと考えてみたりもして。燃やされるのは嫌ですからね。
もし自分にそんな能力が存在したら、何をするのか分かりませんが、どうせなら予知能力など人を傷つけないHAPPYな能力の方が嬉しいです。
矢田亜希子で過去に映画化もされました。