神様からひと言 (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334738426

感想・レビュー・書評

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  • 本当に大切なものなんて実はそんなにないのかもしれない。そして、それは大袈裟なものじゃなくてささやかなものなのかもしれない。凉平にとってはリンコ、リンコにとっては凉平からせしめたエアフォース・ジャケット。熱いものを持ちながらどうしたらいいのかわからず、漏電してるみたいなふたり。

    〝今の自分じゃない本当の自分なんて、いまのここじゃない本当の居場所なんて、探す必要はどこにもないことに気づいていなかったんだ〝

    若い時分ならわかるけど、実は年を取っても自分をかいかぶるのは変わらないな。だから肩書きなんてものにぶら下がるんだよな。そんなことに精を出す前にやるべきこと、やれることはたくさんあるのに。

    神様のひと言はシンプルでわかりやすい。
    「見つけたものは、拾うべきだね」
    「拾ったものは、離さないこと」
    オイラは大切なものを手に入れられたら、絶対に手を離しちゃダメなんだ、と理解した。もちろんそれは、肩書きなんかじゃない。

  • 201708/ちょっとバタバタした印象があったけど、テンポ良く引き込まれました。ドラマ化しそうな。
    仕事って、内容よりも周りの人で変わる。昔交渉のお仕事をしていたのを思い出しました。

  • まぁ、悪くないですけど、期待したほどではね・・・w

    誰か(たぶん男性)が言ってた「荻原浩の小説の中で一番好き!」というので、ハードルあげちゃったせいかもしれないけどーw

    だって、企業ものにしてはリアリティないしw
    これ読んで元気になれるんならお手軽、って感じ。

    最後の方は、リアリティないなりに面白かったけどw
    ハチャメチャならハチャメチャでまとめて欲しいというか、ちょっと中途半端な感じ。

    神保さんがサクッと退場させられちゃったのも悲しいしねー。。。
    あれでみんなが奮起したってことなのかもしれないけど、だとしたら扱いが酷過ぎるしね。

  • 友人から勧められて手に取った「萩原浩」さんの本。
    直木賞受賞の「海も見える理髪店」は読んでいたが、それほどハマっていたわけではなかったので、正直半信半疑で読んだ。

    所々にユーモアがある作風。
    どうも「海も見える…」よりはこっちの路線が真骨頂らしい。
    スピード感から展開で、結局完全にハマって一気読み。

    特に篠崎のセリフ、会社生活をおでんに例えるトコロ。
    嫌味なく、そしてその通りかなぁと気付けば納得している自分がいた。

    そのシーンが印象に残る自分もまた、その他大勢の塩なのかもしれない。

    それを良しとするのか甘えとするのか、今の自分は迷っている。
    どっちか決めることができたのなら、少しは生きやすくなるのかもしれない。

    <印象に残った言葉>
    ・ 見つけたものは、拾うべきだね。拾ったものは、離さないこと。(P205・神様)

    ・タイタニックには一緒に乗りたくないタイプ。 (P250・宍戸)

    ・手の中に握ってるものが、たいしたもんじゃないことを知ってるのに、手のひらを開くのが怖いんだ。全部こぼれ出ちまうのが、本当にたいしたもんじゃなかったってことを知っちゃうのをさ。誰も彼も、俺も。(P291・篠崎)

    ・ちくわぶは言ってみれば、専門職。天職を見つけたやつだな。よそには行けないけれど、おでんの中では存在感を示すことができる。似ていても、ちくわはよそには転職が可能だ。そう考えてみれば、簡単だろ。お前がこのじゃがいもだとする。おでんの中なら、だだの平社員だ。でも肉じゃがの皿の中なら共同経営者だよ。じゃがバタなら押しも押されぬ社長。社員はバターと塩だけだけどな。(P356・篠崎)

    ・また、よろしくぅ(P442・涼平)

  • ビジネス小説ではなく、泣ける系小説でもなく、コミカル系の物語。
    なんと2時間ドラマのDVDにもなっていることが判明(驚き!)

    再就職先でトラブルを起こして「お客様相談室」へ異動となった主人公がクレーム処理に明け暮れる、そんなサラリーマン生活を面白、おかしく仕上げています。

    クレーマーに対するあしらい方も面白く書かれており、何よ、一番の読みどころは、チンピラのゆすりに対峙するところ。
    笑えます。スッキリします。
    全体的にリアリティはありませんが、楽しめる小説だと思います。

    きっとドラマも面白いことでしょう。

  • 職場の人が貸してくれなきゃ自分では出会えなかった1冊。読み始めの印象と違い面白かった!

    転職した主人公佐倉27歳は、会議で問題を起こしお客様相談室へ異動がかかる。しかし実態はリストラ待ち部屋の不名誉な部署で、仕事内容も苦情をもみ消すこと。

    会社が自社の商品に自信を持っていないし、上層部も問題を見て見ぬふり、同僚も不真面目な人ばかり…とどうしようもないじゃん!と思っていたら、ギャンブラーの篠崎さんはこと謝罪に関してはプロだし、ITに強い羽沢、元秘書で紅一点の穴戸などなど意外と頼りになるメンツでギャップにやられた。

    最後はスカッとした。最初の印象からどんどん変化するキャラたちとストーリーに引き込まれて、他の作品も読みたくなった。

  • おでんの例えすごく良いなと思った
    最後の佐倉が、かっこよかったけどお客様相談室のメンバーでガツンとやってほしい気持ちもあった

  • 肩にタトゥーがあり、前職ではそれが原因のいざこざで退職している佐倉。タマちゃんラーメンが主力製品の珠川食品に再就職するも思ったことを口に態度に出してしまうその性格でリストラ候補社員が入るお客様相談室へ異動されてしまう。プライベートでは長年付き合っていたリンコにも出て行かれてしまう。
    .
    佐倉の成長ストーリー。おもしろかった!
    スカッとしたいものを読みたい方におすすめ



  • まぁ面白かったけど軽い感じ。

    備忘録

    同棲してした彼女も出ていき
    新しい職場で頑張ろうとする主人公。 

    お客様相談室に飛ばされる。

    古い体質の会社と
    謝罪のプロの先輩は
    ムロツヨシか古田新太か安田顕で
    脳内ドラマ化。

    音楽と彼女に未練ある主人公は山田裕貴で。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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