- Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334738426
感想・レビュー・書評
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出たてのあんちゃんだった主人公が、先輩やお客様に揉まれて安心して見てられる社会人に成長していく。
仕事やってての理不尽、大なり小なりあるけど、自分はどこまで踏ん張れるか、目をつぶってしまうのか。
奥さん子どもに逃げられたギャンブラーな先輩、ロリからジョブチェンジした同僚、美しいけどポンコツ臭漂う元秘書、かくしゃくとした先代の愛人、その他も魅力的な人でいっぱいでした。
物語のフェイクには、気持ちよく引っかかりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
話のテンポが良くて面白かった。
日本では路頭に迷っても死ぬ事はないというのが印象に残った。現実にはなかなか仕事辞めて、、というのは難しいかもしれないけど少し勇気が出た。 -
すんごく面白かった
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荻原浩の小説、2002年10月単行本、2005年3月文庫本初版。
最大手広告代理店から中堅の食品会社に訳ありで転職した佐倉涼平27歳が主人公。販売促進課で新製品のネーミング案を任されたはずが、理不尽なトラブルでリストラ要員の強制収容所と呼ばれる「お客様相談室」に異動させられる。販売促進課の課長も今度の室長もはたまた社長も副社長も専務もどうしようもない無能な人間ばかりで、いつ倒産してもおかしくない状況の中から、腐敗した会社に叛旗を翻す実に気持ちのいい物語。
「お客様相談室」のギャンブル好きだがクレーム処理に精通する古株の先輩、パソコンオタクの新入社員、ストレスから失語症になった元購買部の大男、美人の元社長秘書等、一癖も二癖もある同僚達と一緒に顧客のクレームに対処していく中で成長していく。
理由がわからないまま涼平の元を去った恋人、新宿中央公園に現れる謎の助言者、人生観を変えるきっかけとなる偏屈なラーメン屋店主、そして社長も副社長も専務も吹っ飛ばすことになる謎の老婆のクレーマー。多彩な謎の登場人物が物語をミステリーに仕上げていく。
残念なのはせっかくの勧善懲悪な展開も、悪があまりにもお粗末なので爽快感が少し足りなく、顚末がはっきりしないのも未消化感が残る。それでも未熟な主人公が人間的にも成長し、強くそして優しくなり、周りの人間を引き込んでいく様の感動がその未消化感を打ち消してくれた。
荻原浩の小説、初めて読みましたが他のも読んでみたいと思います。
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裏表紙の「サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説」という言葉に惹かれて借りた。
ユニバ―サル広告社が出てきた!別の作品のものが出てくるとなんだかうれしい。最初のほうはサラリーマンの辛い面が書かれていて、途中で読むのを止めようかと思った。
主人公の成長とともに読むのが少し楽しくなった。 -
「お客様相談室」を取り扱った珍しい小説。
NHKでドラマ化されるも、主役の不祥事で放送されず。 -
面白かった。たまちゃんラーメンのお客様相談室にぶち込まれ同僚と意外にも頑張って問題を乗り越えて行く話。主人公の歪んで居ない感じが良かった。何度か笑ってしまうところがあった本も久々だった。