故郷/阿Q正伝 (光文社古典新訳文庫 Aロ 5-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751791

感想・レビュー・書評

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  • 孔乙己は衝撃的。阿Q正伝もまたおもしろい。藤井氏の解説も納得させられる。

  • 先に読んだ『酒楼にて/非攻』に比べ、確かに魯迅の生きた時代の空気を感じさせはするのですが、こちらの方が素直に読めました。素直という表現がおかしければ、あまり閉塞感を感じなかったといってもよいです。とにかく、こちらの方が、どうしようもないいらだたしさとか、心の葛藤などの重さをあまり意識することなく読めました。こんな感想は、あたしの読み方がおかしいのでしょうか?

  • 敬遠して、読まないでいたのがもったいなかったと思う。
    「阿Q正伝」にしろ、「故郷」にしろ、やはり文学史に刻まれるほどの名作であるのがわかる。訳者はなるべく、直訳に近い形で訳したそうだが、決して読みづらくはない。個人的には「あひるの喜劇」が微笑ましく、好感が持てた。
    20世紀前半の中国にいた、名も無き人々の心情や鬱屈がリアルに伝わってくる。表舞台で華々しく活躍する英雄からはほど遠い、市井の人々の無力感やりきれなさに共感が持てるのは、21世紀の日本にいる自分も、それらの人々と同じだからかもしれない。

  • 読んだよ、読んだよ、読んだよ。だけれども今の僕に魯迅のよさを知ることができなかった。太宰治や芥川龍之介とのゆかりもあるし、中国の歴史を勉強しつつ、またの機会に読んでみよう。

  • 過去を悔み、将来を憂い、場当たり的な言説を常に疑い、滑稽なまでの自意識過剰あることは、常に外部とズレを生じている。その悲喜劇、または何一つ起こらないことは、今読んでもビリビリくる。

  • 2010.04.25 朝日新聞に紹介されました。

  • 2010.03.02読了。

  • ■目的
    古典を読む。


    ■学び (見たもの・感じたもの/テーマ)
    時代を見極めてその流れに応じて自分も進化してゆくことの重要性。
    「人生死ぬまで勉強」と言う。世の中は急速に変化している。何が真実で何が正しいかという価値観や正義も、時代によって微妙に移り変わってくる。だから今、何が起こっているのか、世の中の変化をすばやく知ることが最も重要な勉強である。
    慣習や伝統や技術といったものは、時代が変われば古めかしくなる。先人たちの歴史から不変の真実や伝統を学びながらも、また改めるべき過ちをも学ぶこと。
    これらが「時代を見極める力」「日々進化する柔軟性」といった力となる。より良く生きる術となる。


    ■感想
    この本から感じ得て学んだことは前記しました。しかし魯迅は、そこに疑問も感じていたようです。それは『吶喊』の中の「自序」にて、鉄の部屋で熟睡している人々に例えられ記されています。
    確かに、苦しみも何も知らずにいたほうが幸せかもしれません。難しい問題ではあります。でも私は「起きた人」でありたい、そして希望が絶対にないとは言いたくはないです。今は全く希望が持てない時代ではないのですからね。

  • さらさらさら~・・・っとね(笑)

  • 待望の現代日本の魯迅研究の第一人者である藤井省三訳の本が出ました。

    我が本棚で魯迅の翻訳本を探してみると、丸山昇訳や駒田信二訳や増田渉訳、そして一番よく読んで来た竹内好訳と、5冊程ありました。

    今夜、久々に「阿Q正伝」や「狂人日記」など16編の魯迅をじっくり読むために、いつもは存分に腕を振るう料理も端折って、ラゴスティーナにお世話になって15分でカレーです。でも、一昨日から作っていたといっても信用してもらえる味です。

    ええっと、そんなことより、7年前に73歳で亡くなった、コミューンに理想を求めたりした特異な中国文学者の新島淳良からも、魯迅と毛沢東を様々に学んだことを思い出したのですが、彼の魯迅の訳本があったのかどうか、本の山をかき分けて捜しましたが見つかりませんでした。

    いざ、魯迅と交感の時は迫りし・・・・

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著者プロフィール

本名、周樹人。1881年、浙江省紹興生まれ。官僚の家柄であったが、21歳のとき日本へ留学したのち、革新思想に目覚め、清朝による異民族支配を一貫して批判。27歳で帰国し、教職の傍ら、鋭い現実認識と強い民衆愛に基づいた文筆活動を展開。1936年、上海で病死。被圧迫民族の生んだ思想・文学の最高峰としてあまねく評価を得ている。著書に、『狂人日記』『阿Q正伝』『故郷』など多数。

「2018年 『阿Q正伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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