名もなき毒

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 694
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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344012141

感想・レビュー・書評

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  • キーワードは「毒」です。一つは青酸カリからシックハウス、土壌汚染など有害になる「毒」。もう一つは人間が持つ負の感情が「毒」で、形を変えて人々の生活の至る場所に存在し、世界中が汚染されているのだと著者が作品を通じて熱く語っています。大変興味深く、なるほどなぁと思いました。なかなか面白かったです。
    ただ、連続毒殺事件とトラブルメーカーの件はリンクするものと思っていたら、結局絡まなかったのでやや期待外れでした。

  • 主人公は「誰か」の主人公と同じ。

    コンビニで買ったお茶のパックに入っていた青酸カリを飲んだ初老男性が散歩中に死亡。
    主人公はトラブルを起こして辞めたアルバイト女性の身上調査を私立探偵に依頼しに行く。
    そこで亡くなった男性の孫と知り合い、事件に首を突っ込む事になる。

    途中から斜め読みして話の筋さえ分かればいいという読み方になりました。
    何故こうなるのか?と思い返すと、宮部みゆきさんの書く小説は面白い。
    だけど文章は私に合わないという事だと思います。
    会話の後に色々書きすぎる。

    お話の冒頭にいつも惹きつけられて、どうなるんだろう?と思ってしまう。
    だからつまらないと思いつつ次々と読んでしまいます。
    なんだかんだ言って宮部みゆきさんの術中にはまっているみたいで悔しいです。

    今回かなりエキセントリックな女性が出て来て、最初から最後まで周りの人間を振り回しますが、彼女の出てくるところだけが面白かったです。

  • 杉村三郎シリーズ第2弾!アルバイトのシーナちゃんが辞めてしまい、新しく入ってきた原田いずみがどうしようもない!!

    でも、原田いずみが兄や杉村三郎に腹を立てたり、「こんなはずじゃなかった」って自分を不甲斐なく思う気持ちには、すごく共感できる。

    両親や周りの人に恵まれているのに、ここまで人を傷つけることが出来るなんて異常。。。

    この人は幸せになれるのか、最後にちょこっといいエピソードがあったけど、また覆りそう。

    原田いずみに腹が立った分、あとから入ってきたバイトのお嬢様ゴンちゃんに癒された。

  • ドラマは見ていませんが、だいぶ前に読了した作品。
    女性(アルバイト的な)の行動がどうしても理解できなくて、でもこういうひともなかにはいるのだろうなあ、とおもった。
    家族を不幸にして、どうして平気でいられたのだろう。
    いや、平気じゃないから物語がこの結末を迎えたのだろうけれど。

    浄土汚染の話やら何やらは大変興味深くて面白かった。

  • 2013/7/22

    913.6||ミヤ (3階日本の小説類)

    杉村三郎シリーズ第2段。
    今回は連続無差別毒殺事件を背景にストーリーを展開していく。
    2007年、第41回吉川英治文学賞受賞作品
    小泉孝太郎 主演 月曜ミステリーシアターで放送中(2013.7.8~)
    杉村三郎シリーズ第1段「誰かsomebody」も合わせてご紹介

  • TVドラマが始まったので慌てて読む、こんな読書の仕方でいいのかしら?しかし、TVの方の話がちょっと違う、本作より前の話をやっているようである、どうやら本作は杉村シリーズとして前作に『誰か』というのがあるらしい。それに気付いて、またぞろ積ん読本書棚から抜いてくる私であった。本作は日本に充満する毒と人間の毒を絡めて二つの事件を解決して行く物語であるが、何処かの作家と違ってあらゆる伏線をきっちり処理してくれるので心地よい。本作に出てくるような毒のある人間は日本人の中にも100人中1~2人必ずいるから始末が悪い。

  • 少し読みだして気が付く。
    中日新聞に連載されていたとき毎朝楽しみに読んでいた小説でした。
    もう一度読み直す機会が出来た。
    やはりドキドキとしながら読み終えた。

  • ドラマが始まったから再読。面白かった。

  • 読みやすいということもありますが、ページをくる手ももどかしいというように、比較的短時間で読了しましたわ。この人の小説、相変わらず面白いです。

    読み進めていくうち、日々新聞紙上でいくばくかのスペースを占める理不尽な犯罪記事があれやこれやと思い起こされ、重々しい気分に陥ったりすることも。

    個人的に、こういった犯罪小説に勤しむのは、社会が孕む様々な悪意と向き合い、折り合いをつける術(言葉)を見出すための作業なのではなかろうかと。見つけたフレーズを救いに、過酷な現実を生き抜く糧とする。本書では特に、示唆される事柄が多かったように思う。

    本書の主人公は先年出版されていた「誰か」と同じ。先週の朝日新聞文化欄に載っていた著者の言によれば、今後、現代ものはこの主人公のシリーズのみ書き継いでいき、本書のラストで伏線が敷かれているように、次作では探偵に転身するのだと。さしずめリュウ・アーチャーの線かな、楽しみだ。
    (2006年記)

  • 原田いずみの闇、チープだけど下世話な興味が深々で一気読み。

    こんくらいの長さがちょうどいいよ!
    宮部さんはあんまり長編を書かないほうがいいと思う。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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