童話物語 下 (幻冬舎文庫 む 4-2)

著者 :
  • 幻冬舎
4.17
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本棚登録 : 1135
感想 : 125
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  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401303

作品紹介・あらすじ

妖精フィツとの突然の別れから一年、十四歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたかに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた…。すべてが崩壊へと向かう中、始まるペチカの最後の旅。そして感動のクライマックスへ!各誌紙で絶賛された長編冒険ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 読んで、ガツンと衝撃を受けました。
    体力気力のある時でないと読み返せない。
    でも、これは持っていなくちゃ…と、あわてて購入した記憶。
    もう十数年も前。

    けれど、この本を読んで以来、虹を見てふわーっと気持ちが高揚する時、このクライマックスシーンが心の一部にあるのを感じます。
    ただひたすら美しいもの、圧倒的な美しさの前に、誰もが心を奪われ、ちっぽけで醜い争いを忘れて、微笑みあえるなら…と。

    ブクログで紹介されていたのを機に、登録しました。
    単行本のレビューを読んで、著者が既に亡くなっている事も知り、またガツンときています…

    • ほにゃららさん
      書き込み失礼致します。
      こちらの作品色々な場面で色々な感情が揺さぶられますよね…、私も体力気力がある時でないと読めないという点凄く分かります...
      書き込み失礼致します。
      こちらの作品色々な場面で色々な感情が揺さぶられますよね…、私も体力気力がある時でないと読めないという点凄く分かります。
      同じくこれは持ってなくちゃいけない本だと購入しました。
      著者の方、お亡くなりになられたんですか…ガツンと来ましたが、知れて良かったです。
      2022/09/17
    • yo-5h1nさん
      コメントありがとうございます。

      読む本は図書館で…の習慣で育ったため、出逢って気に入った本を手に入れようとしたら既に絶版…という目に何度も...
      コメントありがとうございます。

      読む本は図書館で…の習慣で育ったため、出逢って気に入った本を手に入れようとしたら既に絶版…という目に何度も遭っていたので…書店の店頭で、ものすごくホッとしたのを思い出します。


      何十年も経ってから、ブクログのおかげで感動と衝撃を思い出し、また作者が既に逝去されていることを知り、今でもまだ、この本に新しく出逢っている人がいるんだ…と、驚きと感謝と不思議のいりまじった気持ちになりますね。
      2022/09/17
    • yo-5h1nさん
      単行本の方のレビューで、「いけださん」という方のレビューをご参照下さい。
      単行本の方のレビューで、「いけださん」という方のレビューをご参照下さい。
      2022/09/17
  • 上下巻読了。
    向山貴彦さん。初読み。ブクログのレビューを見て手に。

    なんて骨太なファンタジー!!見事でした。
    子供から大人まで、きっと誰でも楽しめる。
    10年おきくらいで読み返していきたい。きっとその時々、感じることが違って面白いだろうと思う。

    • 九月猫さん
      kumi110さん、こんばんは♪

      お久しぶりです。
      いつもたくさんの花丸をありがとうございます。

      このお話、いろんな意味で「す...
      kumi110さん、こんばんは♪

      お久しぶりです。
      いつもたくさんの花丸をありがとうございます。

      このお話、いろんな意味で「すごい」ですよね。
      読み始め、周りから虐げられても心優しい健気な女の子なんだろうなと、
      ステレオタイプなキャラと流れを予想していたら・・・
      ペチカ、酷い・・・猫ちゃんがっ(:_;) ですし(笑)
      フィツも意外に役立たないというか傍にいないし、
      ルージャンはなかなかペチカに会えないし、
      なにより追っかけてくるおばさんが怖くて怖くてたまらないっ!!

      いろいろ衝撃を受けたファンタジーでした。
      でも、たしかに何年かおきに読み返したくなるようなお話だと私も思います。
      ぶあついので気合が要りますが(^^;)
      2014/03/24
    • kumi110さん
      お久しぶりです。
      こちらこそありがとうございます。
      九月猫様のレビューいつも楽しみにしております。

      ほんとに!!
      色々と衝撃的な...
      お久しぶりです。
      こちらこそありがとうございます。
      九月猫様のレビューいつも楽しみにしております。

      ほんとに!!
      色々と衝撃的なファンタジーでした。

      そして、私も分厚さに躊躇して積読状態が長かった可哀想な本でした…(笑)
      2014/03/29
  • ヤバイです。この下巻だけで3回以上は泣きました。それぐらい感動します。ペチカが成長していく所も良いです。本当に心に残った作品でした。

  • 感動。王道的ファンタジー。最後はオルレアやおばあちゃんとの再会をちょっと見たかった気もする少し手前で終わった感がありましたが、「まだ果てしない旅の途中だった」の最後の言葉がキレイに納まった。解説を読むと二次作品的なものがあるらしいのも、さもありなん、と納得。あと付記もよかった。このお話が全10巻からなる物語の途中の2巻なんですよ、という設定がなんか最後わくわく感を残す幕引きでした。堪能。

    ジブリ的作品だなと思いました。少女と妖精の成長物語。

    よくわからなかったのは、写真がなくなっていたことから西の預かり所に行くくだり。泥棒が持って行ったとかにならんかったのか?ちょっと預かり所に行く理由が、うーん?とか。あとフィツがトリニティで羽とか復活した辺り。もうちょっと説明があっても、かな。ルージャンが必死こいて心配していたのに、なんかあっさり復活してペチカと仲直りして。

    と、そんな細かいことを抜きにして、下巻は良かった。
    後半はもうずーっと目がウルウル状態。ハーティー・オルレアがペチカを優しく迎え、その心の温かさを感じ、徐々に心を許していくペチカ。逆に、ルージャンとフィツは1人きりの辛い生活から、ペチカの辛さを感じることができた。フィツは死というものを感じ、人間を知る。ルージャンがペチカの「許さない」に絶望し、ペチカが地割れに落ちた時に手を掴めと必死に訴え、足がズタズタになりながら道を作り、それにペチカが気付いて足の裏を拭いてあげて・・・。おばあちゃんとの再会。地図に書かれた赤い線。もうそこかしこに心震えるシーンが。
    ペチカもルージャンも紫色の目になってしまい、どうなることかとドキドキ。ルージャンは自分ンの腹を刺し、「キャラメルパンごめんな」とやっと言えて、ペチカをかばってヴォーの火の玉に自ら撃たれ、ペチカに「死ぬな」とつぶやくところはもう涙ボロボロ。

    「変われるってことは絶対にあきらめるなってことなんだ!」フィツが人間をかばう。
    「みんな許す」と言ったペチカの強さ。「世界なんてどうなったっていい、フィツが生きていてくれる方がいい!!」と叫ぶペチカの想い。上巻のあのペチカはどこへ行った?と思うくらい優しい子がそこにいる。
    「誰だって、自分が思っているよりはすごい人間だよ」ヤヤの言葉は力強く勇気づけられる。

    作者が書きたいと思ったアイデアを全て注ぎ込んだんだろうなあ、と思います。ほんといろいろてんこ盛りなお話でした。けど、その量が気にならないくらい一気に読んでしまいました。
    ファンタジー、おとぎ話に抵抗の無い方には、ぜひお奨めしたい。

  • よかったね、ペチカ。

  • 成長した少女ペチカは幸せを掴んだようにもみえるが、心の底では納得していない。離れ離れになっていた妖精フィツと苦難の末に再開するが、世界の終わりを告げる「妖精の日」が始まってしまう。

    結末は妖精レベルでは何ということもないのだろうが、人間レベルとしては涙を浮かべて読まざるを得ない。

  • 光をモチーフとしたファンタジー、やっと見つけた。宝物だ。

  • 妖精のフィツとの別れを乗り越えて、新しい生活の中で幸せを掴みつつあるペチカ。しかし伝説に過ぎなかった世界の終わり、妖精の日はすぐ近くまできていた。向山貴彦さんの小説。

    冒険と成長、善と悪、命、といった童話らしい要素がたくさん詰め込まれていたなぁと思いました。ペチカとイルワルド、フィツとヴォーといった関係性や、旅するおばあちゃんと守頭も少し普通ではないような感じの善と悪の魔女といった関係性にも思えて童話っぽさを感じました。

    ペチカは上巻のあらすじでまで「性格の悪い」子とされていますが、閉鎖的で小さな村でみんなからずっと虐げられていれば、至って普通の反応としてそうなると思いました。広い世界への旅立ちと新しい出会いは大切なことだなと思いました。

    写真を探しに行く場面や守頭がワープのような移動をしている場面など、なんでそうなったのか少し引っかかる部分もありました。しかし上巻でも特に印象的だったペチカとフィツの仲直りの場面をはじめとして、旅の中で積み重なっていった出会いと出来事が大きな感動に繋がっていく感じがとても好きでした。

  • 主人公、ペチカにとってあまりに酷なことばかりで、はじめは読んでいて心苦しくなることが多かった。人のやさしさを素直に受け入れられるようになってきてからの成長が著しい。

  • 「童話が人間の集合的無意識からもたらされるもの…」
    という解説の一節が興味深い。

    本作品が不特定多数の人間によって書かれたものでは多分ないし、
    宮部みゆき女史の『英雄の書』にある、物語が産まれ回帰する“無名の地”から
    生まれたわけでもないだろう。

    血の通った人間が書いている以上、物語は現実世界と、
    そしてそこに生きる人たちと繋がっているんだなと教えられる。
    本作品は決して商業的に書かれたものではなく、
    作者が本当に書きたい話を書きたいように書いたと思う。
    それゆえ、より強く現実世界との繋がりを感じることが出来た。


    フォロワーが別作品のレビューで同じようなことを伝えているけど、
    その捉え方ってなかなか鋭いと思うし、そう考えられる洞察力に感服しきり。

    (これは解説者に対するレビューだな)

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