×ゲーム (幻冬舎文庫 や 13-6)

著者 :
  • 幻冬舎
2.91
  • (80)
  • (150)
  • (595)
  • (225)
  • (96)
本棚登録 : 4661
感想 : 242
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344410022

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【あらすじ】
    小久保英明は小学校時代「×ゲーム」と称し、仲間4人で蕪木鞠子をいじめ続けた。段ボール箱にいじめの内容を書いたクジを入れ、それを引いては書かれたことを実行するのだ。ある日、英明は「蕪木に告白する」というクジを引き、やむなく愛を告げる。それから12年、突然、彼らの前に現れた蕪木は、英明への偏執的な愛を抱き壮絶な復讐を始める。

    【感想】

  • 山田悠介は中高生にダントツ人気の作家なのだそうです。私はこれまでずっと避けてきました。『リアル鬼ごっこ』を読んだ友人が「あんなの日本語じゃない」と評していたから。しかしその一方でこの『×ゲーム』が面白かったと言う友人もいて、中高生の5人に1人が読んでいるという(ってホンマか!?)山田悠介、初体験。

    郵便局に勤める小久保英明は、小学校の同窓会に出席する。悪いことばかりしていた仲間たちと再会し、思い出話に花が咲く。楽しいひとときを過ごすが、その同窓会に出席していた担任教師が翌日惨殺される。そればかりではなく、英明と親しかった3人が何者かに襲われて負傷したり行方不明になったり。警察が捜査を開始したところ、犯人は同級生だった蕪木鞠子であると断定される。英明らは当時「×(ばつ)ゲーム」と称して鞠子に酷いいじめを繰り返していた。段ボール箱に入れたクジを引き、そこに書かれた内容を実行するという×ゲーム。英明は「鞠子に好きだと告白する」という×ゲームを実行したことがあったのだが、それを真に受けた鞠子が以後12年間にわたって英明をストーキング。「英明は本当は自分のことを好きなのに、仲間から一緒にいじめるように強要されている」と信じて疑わない鞠子。彼女の復讐は英明の仲間や交際中の女性に向けられて……。

    率直に言って、嫌いです。だけど面白いことは面白い。どうなるのかも気になるから、250頁ほどを数時間で一気読み。内容は凄絶なはずが、強い不快感がないのはなぜなのか。あとがきで齋藤明宏氏(立命館大学映像学部教授)がお書きになっているように、「覗き見する行為」にとどめているからなのでしょう。嫌な話は聞きたくないけれど、気になるからちょっとだけ教えてほしい、そんな気持ちを満たしてくれるのだと思います。

    ネタバレですが、本作に登場するいじめというのか拷問は、過去に読んだ本に出てきた拷問の中で個人的に「やめて度」1位か2位。ゴキブリの入った箱を頭からかぶせられるというものです(笑)。ちなみに1位か2位のもうひとつは、蚊の入った袋をかぶせられるというものでしたが、そっちは何の本に出てきたんでしたっけ。貴志祐介だと記憶しているけれど、ちがったかなぁ。あぁ、どっちも嫌だ(泣)。

  • あっという間に読めましたが、決して良くできた本ではありませんでした。設定自体も、昔いじめてた子に復讐されるといった極めて単純な内容ですし、犯人の居所を警察が探し出せない理由も特になく、話の都合上見つかっては困るというだけの勝手な展開でした。(小説ということを差し引いても勝手すぎる。)怖いと思われる方もいるかもしれませんが、ただただ拷問のような描写だけで怖がらせようというところが芸がないようにも思います。中高生に人気の作家と聞きましたが、中年の私にはあいませんでした。

  • 怖い。学生時代にいじめられてた女の復讐のはなし。読みやすくてスラスラ読める。

  • 2015 6 21
    2冊

  • うん、これが山田悠介だな。
    グロくて、テンポ感があって一気に読み切れる。
    彼らしい文章の構成でよかった。

  • すごくグロいです。
    けど、面白いです。

  • 人気作家らしいので、一読。ストーリの矛盾が気になって。たぶん内容が面白ければ気にならないんだろうが。
    しばらく手に取らないだろうなあ・・

  • 復習のお話ですね。
    中学時代のいじめが原因。
    この方の書く、生きた人間ほど怖いお話ってのはないんじゃないのかな…。
    なんていうか、本当に気持ち悪いうえに怖いお話です。

  • いじめに対する復讐話。荻原浩『コールドゲーム』を思い起こす。本作品では異色の恋愛も絡めてある。最後に愛した人と心中を試みて、両者とも生き残るのは、生きているのはいいことだと感じた。

全242件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

大東文化大学文学部日本文学科講師。1984年大阪府生まれ。専門は環境文学。著書に『反復のレトリック―梨木香歩と石牟礼道子と』(水声社、2018)、論文に「「声音」を読む―石牟礼道子『水はみどろの宮』とその周辺」(『石牟礼道子を読む2―世界と文学を問う』東京大学東アジア藝文書院、2022)など。

「2023年 『石牟礼道子と〈古典〉の水脈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田悠介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×