- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344982338
感想・レビュー・書評
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やや強引に3ステップにしているきらいはあるが、参考になる話が多い。
コラムや引用文も多彩で読み飽きない。
現在⇒過去⇒未来と書くのは理路整然とするより興味を引き付けることから書くというのもなるほどと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作文、エッセイ向けの指南書。
タイトルの「書くことが思いつかない」ことに対する答えは、第一章のタイトルである「記憶を描写してみよう」および、そのなかの10ページにも満たない「何を書けばいいのか」という項目にしか書かれていない。
あとは「どのように書くか」であり、ありふれた指南書の内容と変わらない。期待外れ。 -
片づけコンサルタントこんまりさんが、片付け方を習っていない・知らないから片付けられないと著書に書かれていたのを思い出した。小学生の時に読書感想文が書けなかったのも、何をどう書いていいかが分からなかったんだろう。
テーマの見つけ方、書き方、推敲の仕方が書いてあって、文章を書くコツがよく分かった。
日常で「あ」っと思ったことを蓄積していき、独自の視点・問いを持つことを心がける。 -
文章の中でも作文の書き方の本でした。
就活のエントリーシートや小説まで応用が効きそうな内容です。
論文ならともかく、作文の良し悪しなど好みも大きいし、その文章が人の心を動かすかなどわからない。具体的な方法論などない、と思っていました。
けれど、本を読んでみると、なるほど、確かにこっちの方がよいな、と思う添削前後の文章がでてきたり、確かにこの文章は心を動かされる、という例がたくさんでてくるため、すんなりと心に入ってきました。
辛い、悲しい、ではなく、夫を亡くした人が、亡き夫が使っていた歯ブラシを見て思い出したこと、など、直接的な心情よりも、物や事実を具体的に書くことで共感を呼ぶ、など。
納得の書き方が満載でした。 -
作文などの課題で「何をどう書いていけばいいか分からない」「書き方が分からない」と悩んでしまう人にヒントを与えてくれる本。
分かりやすい説明なのだけれど、数学のように明確な順序や答えがあるものではないので、感覚として捉えていかなければならないところもある。
けれども具体例が豊富で、「なるほど、そういうことか」と納得できた。すぐに実践できそう。
同時に、言葉というものは繊細で、乱暴に扱っては正しく伝わらないことがあるということも学べる。
「思う」「考える」や「共感」「共鳴」のニュアンスの違いについても面白かった。 -
大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/555917 -
著者の文章を書くためのテクニックが素晴らしかった
ただそれ以上に引用されている文章が美しい
言葉の可能性を感じさせる一冊だった -
論文などロジカルな内容ではなく、小説などの表現技法のもの。
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12/1/21 村田書店
11/10/7
こんにちは、土井英司です。
『書くことが思いつかない人のための文章教室』。
これは、タイトルだけ見て「即買い」決定でしょう。
本日の一冊は、毎日新聞専門編集委員で、同紙夕刊の大人気コラム、
「しあわせのトンボ」の著者、近藤勝重さんが、その文章術をまと
めた一冊。
知的かつ温かみのある文章が特徴の著者ですが、本書を読んで、な
ぜこんなにも人間味あふれる文章が書けるのか、その秘密がわかっ
たような気がします。
著者が見本として取り上げる文章や川柳には、ごく普通の人間の喜
怒哀楽が描かれています。
・フラダンス手の先だけが波に乗り
・歯ブラシはそっと寄り添うケンカ後も
・夫逝きなかなか減らぬ歯磨き粉
<「今夜はこれで」と立ち上がりかけても、時計をテーブルに置い
て、「これであと十五分、もう十五分付き合うてえな」とせがんで
くる。そうしてまた話し相手になって、どうにか解放されたのは翌
日未明のことだった。玄関先から奥をうかがうと、やすしは模型飛
行機のプロペラをくるくる回しながら、こちらをじっと見つめてい
る。夜の静けさのなかで、プルン、プルンとはかなく響くプロペラ
の音……。やすしのどこか鋭く、どこか哀しげな目を、私はいまも
忘れられない>(急死した横山やすしへの追悼コラム)
いずれの文にも共通しているのは、観察者の「まなざし」がじつに
温かく、やわらかいということ。
随所で、有名作家が書いた文章例なども紹介されており、良い文章
とは何かを考えさせられます。
また、細かなノウハウについても、新聞や雑誌の切り抜きを「納得」
「共感」「驚き・不思議」の3つのファイルに分けるなど、参考に
なるアイデアがいくつも紹介されています。
これまでいろんな文章術の本を読んできましたが、本書はそのなか
でも「もっとも温かい」文章術でした。
心温まる文章が書きたい人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いい文章=「独自の内容」+「伝わる表現」
演技論は文章論にも通じます。過剰な表現より抑えた表現のほうが
強い。細部をとらえる目がそれを支えるのです。細部には神だけで
なく、人間の真も誠も実も宿っているからですね
城山三郎氏はつねづねおっしゃっていました。「心情吐露や説明は
いらない。描写が大切だ」
着眼点が面白い。つまり見方、視点が独特ですと、なるほどこうい
うとらえ方もあるのか、と引きつけられます
書く以上は自分ならではの内容と表現であるべきです
見方・視点は「(1)納得」「(2)共感」「(3)驚き・不思議」
の三つのファイルに分け、新聞や雑誌、本に登場の人の話でそれら
に該当するものがあれば切り抜いたり、コピーしてそのファイルに
収めています
ある男子学生の「生きるとは、ふとんから起き上がるときの決意で
す」という答えには笑ってしまいました。でも強く印象に残りました
文章、とりわけ描写文は五感の働きを抜きに書くのは困難でしょう。
文章上、五感のバランスも心がけてほしいと思いますが、学生たち
の作文でよく働いているのは「視」で、あとの「聴」「嗅」「触」
「味」はそうでもない印象を受けます
「子ども性」を取り戻そう
物事の初め・中ほど・終わりの三つで構成する序・確・急なども知
られた形式ですが、おすすめは現在・過去・未来の順に書いていく
方法です
「あれ、それ、これ」などの指示代名詞で不要なものは削りましょう
◆重複表現を直す ※一部紹介
・あとで後悔する → 後悔する
・連日暑い日が続く → 暑い日が続く
・製造メーカー → メーカー
・思いがけないハプニング → ハプニング
・最後の追い込み → 追い込み
どんな文章も次の行には何が書かれているんだろう、と思わせ、思
わせ進んでいくのが一番です -
文章を書くことにカジュアルに手を貸してくれる一冊。
近藤勝重さんは、学生との触れ合いの場数の多さと、新聞社で鍛えられた言葉に対する感性とその組立てはラジオの中で感じていました。
新書の分量で、気楽に要領良く、自分の文章の悪癖を修正できそう。
〜〜はたして、この文章はこの本を読んだ効果が出ていると言えるのだろうか?
えへん。これからです。学ばせていただき、身につけさせていただきます。
近藤さんからのアドバイスは無駄にしませんよ。