- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396334352
感想・レビュー・書評
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死と向き合う作品。女主人公の原型はこのころから固まっていたのかも。
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「おくりびと」の江戸時代版。とはいえ、私は断然この作品の方がそれぞれの思いが伝わってきて好き。毎度の事ながら著者の描く登場人物達は、皆まっすぐで人情に溢れていて好感が持てる。
今回ミステリー要素が多かったのは意外な気がしたけど、それはそれで良い。
しかしながら母の葬儀の時の事を思い出して、読みながら辛くなってしまった。 -
みをつくし料理帖シリーズのように、シリーズにしてほしい。
登場人物がみんないい。切なく、しかし温かい。 -
「おくりびと」を観てないのもあり、新鮮で読みごたえがあった。
人との繋がりや命をあたたかく感じられる。 -
江戸時代の暮らしぶりが湯灌の仕事を通して描かれる。“落合蛍”など読みながら涙が落ちる。正真を始め、厳しくも優しい人たちに見守られる様子に心が温かくなる。
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これは面白い!
マンガ原作者だけあり、登場人物の視点が安定しなくて「これ誰の視点だっけ?」と戸惑うところがあるのだけれど、縁と登場人物たちの情感が豊かで、読後がさわやか。
マンガも同じ題材でかいているらしいので読んでみたいなーと。 -
火葬が普及し始めた江戸の世、亡くなった人々の体を、焼き場にもちこむ前に湯灌をし、身奇麗にしてから棺に入れる。菩提寺には出家したお坊さんたちのほかに、そういう仕事に携わる、毛坊主と呼ばれる人たちがいる。
主人公の少女・縁の父親は、妻敵討ち(妻と駆け落ちした間男を追って討つこと)のために、藩を離れて長い旅に出ていた武士だった。しかし道なかばで毒草にあたって、倒れてしまう。はからずもその末期を看取ることとなった寺の人々は、死にゆく男の願いを聞いて、ひとり残された少女の面倒を見ることになる。
成長し、出家して湯灌にたずさわることになった縁。
ときに屍洗いと侮蔑されて傷つき、ときに隠された人のつらい秘密に触れて苦しみながらも、心を込めて遺体を清め続ける縁はやがて、その心根の美しさから人々に「三昧聖(さんまいひじり)」と呼ばれるようになるが……。
キャッチコピーに江戸時代の「おくりびと」と書かれていて、その広報の仕方はなんだかなあとか思ったのだけれど、それはさておき、とてもよかったです。
「銀二貫」といい「みをつくし料理帖」シリーズといい、高田郁さんの小説は、人情と登場人物の心根のよさに、心をあらわれるような作品ばかりです。どの作品の主人公も、不慮の災害や事故等でつらい思いを重ねて、けれどその中でも我が身の不運をひがむことなく、ときに苦しみながらも前を向いて成長していく。周囲の人々から注がれるやさしさや情を見落とすことなく、まっすぐに顔を上げている。
時代ものがお好きな方には、すごくオススメの作家さんです。 -
女版おくりびとと誰しもが思うだろう。
おくりびと自体、話題だったから観たけれど、なんだかよくわからなかった世界だ。
あーああいう感じかーと思いながらも、最後まで読む気になったり、情景が目に浮かぶような描写はさすがと思う。
お紋みたいな女、大嫌いだ。
まさにサヨリのようだ。 -
せつない。
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心がほわっとあったかくなる
あぁ、いいな。
最期はこんな人たちに出会いたいなと。
一気に読み切った。