新・夢十夜

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 24
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408533490

作品紹介・あらすじ

夢か現か、現か夢か…目覚めても、これは新たな夢の世界なのか!?とすれば、この夢を見ているのは、いったい誰なのか!?過去・現在・未来が交錯する不思議で妖しい10編の"夢"の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 夢から覚めたのに、
    まだ夢の中だったという経験が一度だけある。
    それはとても怖かったのだけど、これは比にならない。どの話も夢の境界は曖昧で、意味もあやふや。夢を見ることが少し怖くなる。とても面白いのだけど読むのにやたらと気力と体力が必要で、少しずつ読み進めた。

    夢の中ならではのちぐはぐな会話や、突然場面が切り替わる感じがリアルで面白い。と、この読書体験は本当に実体験かな。それとも

  • これは久しぶりにどんどん続きが読みたくなる本だった!ドキドキハラハラとかそういうのではないもやもやとした「夢の中の危機感」とでもいうべきものをうまく表現していると思う。語られる夢に微妙な既視感を覚えるのは多分私だけではないはず…。タイトルもうまいですな!思わず手に取ってしまった。物語の構成としては漱石よりも面白いと思う。文学としてはまた別の話だけども。

  • 「新・夢十夜」芦原すなお
    ドリーム・ホラー。そんなジャンルあるのか?和色全般。

    本作を読んで気付きました。"夢"を扱っている作品は既視感を受けやすいのではないかと。
    怖いくらいに作品世界への染み込み方が滑らかな印象でした。抽象的ですね・・・汗。
    楽しめ度としては本家にひけをとらない読み物であると思っております。

    「青春デンデケデケデケ」も、本書も、一作家で二度美味しい!
    おすすめです。(4)

  • 夢にまつわる十の短編集。
    作者が触発されたという漱石の「夢十夜」は未読。

    古来より人の夢の話を聞くほど退屈なことはないと聞くけれど、この作品はきちんとテーマを持たせて、なおかつ夢の不思議さを描いているのできちんと読み終えることが出来た。
    大抵の夢が死にまつわるもので、読みながら背中がぞくりとするようなものが多かった。
    大人の怪談かな。夏の夜に読むのにお勧めかと。
    あとこのまま短編オムニバス形式映画にすると怖そうだ。

  • どの物語も夢を題材にした不思議なものばかり。怖かったり、悲しかったり、切なかったりと、これ一冊で色々な物語が楽しめました。

    どこまでが夢で、どこまでが現実なのか。そもそも夢を見ている人物は自分なのか、それとも他人なのか。読んでいると頭が混乱しそうなんですけど、面白いです。一話、一話、先が気になって気になってどんどん読み進められました。会話部分がコミカルなところも良いですね。思わず笑ってしまいます。

    中でも「時の小鳥」と「てんまる」が好きです。悲しいのだけれど、どこかほんのりと温かい。こういう物語は大好き。あぁ、良いなぁとしみじみ感じました。

  • 漱石の「夢十夜」を読んだ高校生の時、感情的・独善的な感想文を書いた覚えがあります。それを懐かしく思いながら借りた一冊。夢はその人の潜在意識や記憶に左右されるけれども、とても自由な存在。それだけに魅力的な題材なんでしょうね。暖かかったり切なかったり怖かったり、色々な夢を見せてもらいました。夢の中で見た夢や、時間軸・空間軸が異次元で絡まりあうような夢。まさに変幻自在ですね。子供の頃は見た夢の内容を良く覚えていたのですが、大人になると目が覚めたら忘れてしまうのはなんででしょう?面白い夢を見た日は忘れてしまうのが残念です。

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著者プロフィール

1949年香川県観音寺生まれ。早稲田大学大学院博士課程中退。1990年、『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、翌91年、第105回直木賞を受賞する。著書に『スサノオ自伝』などがある。

「2010年 『青春デンデケデケデケ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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