チーム (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550237

感想・レビュー・書評

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  • 箱根駅伝のお話。箱根駅伝に出れなかった大学の優秀な選手達を集め、選抜チームとして一次的にチームを発足。当然、寄せ集めだけあって色んな人がいて、監督と選手達の温度差も違っている。駅伝が詳しくない私でも、すごくイメージしやすくて、後半、レースが始まってからは選手一人一人の心理描写が素晴らしくて読みながら一緒に応援してる気分になった。

  • 箱根駅伝出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。究極のチームスポーツといわれる駅伝で、いわば“敗者の寄せ集め”の選抜メンバーは、何のために襷をつなぐのか。

    こんなに鼻の奥がつーんとしっぱなしの小説は初めてだった!フィクションなのに実話のような生の息が感じられる、とにかく熱い青春作品。
    余計な恋愛要素がなく、走るのに青春をかける汗臭いところがたまらなくいい!

    ただまぁ、ちょっと上手く行き過ぎなところもあるけれど、フィクションだから、ね。それでも感動させるんだからすごい。

    箱根駅伝を見るのは好きだけど、即席の学連選抜にもドラマがあるなんて考えてもみなかった。今までは注目していなかったけれど、来年は学連選抜も注目したい。

    誉田さんの『武士道シックスティーン』然り、普段警察ものを書く作家さんのスポーツものって土台がしっかりしているからか外れがないイメージ。もっと読みたいな〜!

  • 登録したと思っていたらまだだったので、再読したこの機に登録。

    三浦しをん『風が強く吹いている』を読んで箱根駅伝に興味がわき、この本も読んでみた。
    学連選抜というチームは、いったいどんなモチベーションで走っているのか?というテーマに、純粋におもしろいと思った。

    山城のイヤな男ぶりはすごかったが、彼がまた故障を機にそれまでと違った思いが芽生える過程の描写が丁寧で、ハラハラして、泣きそうになる。

    学生たちはいろんな思いで走っているんだなあ。改めて。

  • 母校代表としての箱根駅伝出場を逃したがPick up されて新たな「学連選抜」としてチームを組んでキャプテンを任された浦の葛藤を中心に話が進む第一部。第二部は本番。三区一年の朝倉、五区山登り門脇、ランナーの心理が描かれていてどきどきして、つい最後の結果を先に読んでしまったことを後悔している。学連選抜に意識して目を向けたことがなかったがこれからは見る目が変わってきそう。

  • いやー面白い小説でしたよ。

    緊迫感と内面のバランスがすばらしくて

    面白いというより凄いって感じ。

    昔から駅伝がチームスポーツだってなかなか思えなくてさ、

    連携とかもないし、ただ個人で走るだけじゃんって思ってたんだよね

    でもこの本を読んで駅伝はチームスポーツだって思ったね。

    きっと日々が支え合いなんだろうな。

    熱湯甲子園張りにドキュメントを作ったら

    すごい面白い映像になると思うんだけどな

    あとね、走ってる時は自分との戦いを臨場感たっぷりで描いている場面が素晴らしい。

    目立ちたい。

    勝ちたい。

    でも、自分の力を過信し過ぎない。

    次の走者へどの順位でつなぐのか。

    無理しない。

    でも無理したい。

    目立ちたいし

    役に立ちたい

    でも、自分がレースを壊すようなことになったら・・・・

    なんのため?

    だれのため?

    どうして走るの?

    うん、駅伝深いす。

    監督と選手の両方からの目線で描くのも良かったね。

    なんかこう、箱根駅伝を体感できるような感じがたまらなかったね。

  • 「風が強く吹いている」を読んで、遅蒔きながら学連選抜という存在を知った。「敗れた強者」の混合チームというのが気になり、そんな学連選抜を主役に据えた本書の存在を知って、どうしても箱根駅伝までには読みたくてゲット。
    やはり「読む箱根」は臨場感たっぷりです。「風が強く吹いている」とは確かに比較したくなるけど、これはこれで私は面白く読めた。いわゆる寄せ集めチーム、タイムだけ見ればなかなかの記録を持つ者たちだけど、だからといって勝てるわけではないのが箱根。個人競技でありながらチームという、複雑な思いをそれぞれ抱えながらの箱根はどうなるのか…。読みながら大手町や箱根の情景が見えるようで、まさに手に汗握りな展開であった。故障を抱えるキャプテンの浦。走る後悔と走らない後悔、どちらがいいのかという究極の選択は自分も考えさせられた。
    箱根駅伝…日本のローカル競技だろうけど絶大な人気を誇る駅伝。これからは学連にも注目して観戦してみよう。スカした天才・山城がどんな風に変化していくかも見どころ。

  • 箱根駅伝を題材にした物語で今の季節にぴったり。
    『風が強く吹いている』(三浦しをん)も面白かったけど、
    個人的には同等以上の評価。

    それぞれの大学では予選会で破れてしまった選手たち。
    その中から成績優秀なものだけを選抜して作られた
    一時的な「チーム」のメンバーを主役にした物語。

    昨年の箱根、アンカーとしての十分な役割を果たせず、
    シード権を失ってしまった、主人公の浦。
    浦の高校時代の同級生、門脇。
    個人としては最優秀でありながらも、チームは敗れて
    しまった、孤高の天才山城。
    長年にわたって監督をやってきたにもかかわらず、
    自分のチームでは箱根に出場できなかった吉池。
    その他にも魅力的な登場人物が多数。

    一時的に集った者たちが「チーム」としてまとまっていく
    姿については、もう少ししっかり描いて欲しかったな。
    第一部「敗れし者」はもっとボリュームあってよかったよ。
    うまく行き始めるまでの部分だから、決して読んでて
    楽しくはないんだけど、そこが薄っぺらいとせっかくの
    第二部が引き立たないよ。

    第二部「敗れざる者」は箱根本番を描いていて
    文字通りスピード感があって面白かったな。
    山城は最後まで「個」であり続けるのか?
    そのあたりも気になってどんどん読んでしまった。

    『風が強く吹いている』『一瞬の風になれ』あたりが
    好きな人には特にオススメ。

    • mariさん
      続編『ヒート』は読まれましたか?
      山城が相変わらずいい味出してて、とっても面白いです。まだでしたらぜひ!
      続編『ヒート』は読まれましたか?
      山城が相変わらずいい味出してて、とっても面白いです。まだでしたらぜひ!
      2012/05/05
    • daidai634さん
      mariさん、コメントありがとう。
      『ヒート』、文庫を待つかどうか迷い中なんです。。。
      いずれにせよ、絶対読むつもりです!
      mariさん、コメントありがとう。
      『ヒート』、文庫を待つかどうか迷い中なんです。。。
      いずれにせよ、絶対読むつもりです!
      2012/05/05
  • 一気に読めました。
    楽しかったです。

  •  箱根駅伝で予選落ちしたチームの中から上位選手を寄せ集めたチーム。そこで走る選手たちがどんな気持ちなのか、面白そうだと思って期待したが、がっかりだった。

     一時的な寄せ集めとはいえ、キャプテンに選ばれたからにはチームとしてまとめようと必死になる浦と、実力ナンバーワンで「自分の記録にしか興味がない」と公言し壁を作る山城。浦の責任感には感心するが、やりすぎじゃないのか? そんなことより、自分の体調に気を配ったほうがよかったのでは? 

     監督の吉池、浦、山城、と視点が移るのが分かりにくいところがあったし、心の声を書きすぎていてうるさいと感じてしまった。特にレース中の細かい描写と大げさな心の声。感動させようとしているのが分かりすぎてかえってしらける。

  • 2023.7.23

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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