チーム (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 354
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550237

感想・レビュー・書評

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  • 箱根駅伝を題材にした青春小説。
     
    箱根駅伝の中でも地味な存在である『学連選抜』にスポットを当てています。
     
    箱根駅伝の問題も定義し、読み応えのある作品でした。
     
    普段チームメートではない選手同士が集まり、1度限りの仲間として箱根路を走る。
     
    走るのが好きな人なら、読んでおくべき秀作です。
     
    ブログにも書きましたので、ご覧ください。
     
    http://jnanrt.net/2016/05/14/team/

  • 少し興奮気味に、夢中になって読みました
    箱根駅伝を見るとき、学生選抜って何?なんて思っていた
    人間は、みんなそれぞれ自分が主人公
    それぞれの気持ち、苦しさ、楽しさがあって当たり前
    辛い顔、苦しい顔をしながらも読書時間堪能しました

  • 全体的には期待通りのストーリーで安心して読めるが要所要所では緊迫感があり箱根駅伝の面白さもよく伝わってくる。チームが一体感を持ち自分のためだけでなく他人のために走ることが力になるんだということも。最後の最後でこけちゃうところはそんなにすべてがうまくいくわけではないという戒めをも感じる。

  • 箱根駅伝の「学連選抜」のお話

    箱根好きにはたまらんです。三浦しおんの「風が強く吹いている」もよかったが、「チーム」の臨場感も半端ないです。
    メインのキャスト4人に絞ってリアリティあふれる心情も体調も、自分が体験しているようなハラハラドキドキで読み進めました。
    寄せ集めチームのため、なんのために走るのか?たすきをつなぐ意味、走る意味をそれぞれ考えていく。個なのか・・・チームとは?
    箱根を走ることでそれぞれの走る意味を考え、見出していく。

    監督---長年箱根をめざすも選手時代から一度も箱根出場を果たせず今年定年を迎える吉池監督。最初で最後の箱根で、寄せ集めチームの指揮を担う。
    図太いようでいて、箱根当日は胃薬が欠かせないような繊細な人でもある。

    3区---若く箱根経験のない1年生朝倉。素質あり。

    5区---飄々とみえる門脇、これが最後選手生活で卒業後は先生になることが決まっている。最後の最後で山の5区を走ることになる。5区の部分大好き。飄々とみえて実は熱い心の持ち主でもあるのです。

    9区---次世代のマラソンをけん引していくであろう孤高のスター山城。最後までチームになじまず自分の走りのことだけ考える山城がこのチームで箱根を走ることによって…。結構かわいいところもあるのね。

    10区---寄せ集め集団の「学連選抜」のキャプテンに選ばれた浦。箱根で昨年大きな挫折を味わっているリベンジをかけている。前日に古傷が再発。リベンジはできるのか?あぁ~~~ん最後の最後で!


    裏方スタッフ---浦と同じ大学の4年。故障のため主務になった青木。裏方として選手を支える。この人いい味だしているんだよね~。

    ライバル---裏の永遠のライバル広瀬。さわやか青年。中央大学(優勝候補)キャプテンで10区を走る。

    どのキャラもしっかり描かれていてすてきです。
    続編?「ヒート」「チームⅡ」も読んでみたい。

    • bunkaさん
      hs19501112さん  チームⅡは10月に発売されたものらしいです。楽しみです。
      hs19501112さん  チームⅡは10月に発売されたものらしいです。楽しみです。
      2015/11/04
    • hs19501112さん
      お返事感謝です。まだ新刊なんですね。

      文庫化までは、1~2年待ち、かな。。。
      もしくは、図書館で借りるか。。。

      お返事感謝です。まだ新刊なんですね。

      文庫化までは、1~2年待ち、かな。。。
      もしくは、図書館で借りるか。。。

      2015/11/05
    • hs19501112さん
      送ればせながら・・・、年末に「ヒート」読めましたv。箱根の季節の前後に読むのに、とっても適した1冊でした。
      送ればせながら・・・、年末に「ヒート」読めましたv。箱根の季節の前後に読むのに、とっても適した1冊でした。
      2016/02/10
  • 箱根駅伝の学連選抜チームは、誰のために走るのか?
    後半、駅伝がスタートしてからは、先が気になって一日で読みました。

  • 駅伝は各区間を走る個人の才能が結果に大きな影響を与える競技でありながら、その各個人の各区間での成績が一つに繋がらなければ勝利できない、まさにチームの重要性がポイントとなる競技。
    箱根駅伝の予選会を落ちて出場を逸した各大学のチームの中から好タイムを出していた選手が選ばれて箱根駅伝を走る「学連選抜」と言う名のチームがある。
    しかし彼らが勝利するという事はまず難しい。なぜならば選ばれた時点で彼らは共に戦うチームでありながらチームではない。バラバラの個人なのだ。
    だから各大学陸上部の代表が大学のため、先輩のため、後輩のため、学友のためなどと、共通の目標を掲げて一丸となって箱根に挑むのとは異なり彼らはモチベーションをあげにくい。
    この作品「チーム」は選抜のランナーがトップでゴールテープを切る事が真の勝利でなく、寄せ集めのランナーが一つのチームになる事が箱根に勝利する事なのだと言っている。
    もちろんこれは駅伝だけではなく自分には何の取り柄もないと思っているかもしれない読者も、各自の欲する物に向かってゴールを定め進んでいけと言っている。
    たとえ一人であっても自分と自分を奮い立たせるおのれ自身とのチームを組めば良い。

  • 面白くて一気に読破。
    箱根駅伝の学連選抜チームの話。
    特に題材を気にせずにチョイスして読み始めた本だけど偶然にも年末、
    時期的にピッタリでした。
    駅伝ファンでもないしTVで箱根駅伝の学連選抜を見かけても??
    でしたがこの小説を読んで熱くなった。
    まさかそんな!という展開だけど最後までドキドキしながら読みきった。
    チームのなかでも特に4人の選手にスポットをあてて描かれているので
    他の選手がちょっぴり残念。
    久しぶりにスポーツ小説を読んで読後爽やかな気分になった1冊。
    続けて「ヒート」も読んでみたい。

  • 先日、「風が強く吹いている」を読んだってブログにあげたところ、職場の同僚から「これもお勧め」って貸してもらった本です。

    同じく駅伝が舞台の本で、「風が強く吹いている」よりも、現実味のあるストーリーです。
    こちらの方は10人の選手全員のキャラを立てるのではなく、何人かの登場人物に絞り込んで描かれていて、その分、一人ひとりの描写がたっぷりです。
    才能に恵まれている者もいれば、「大したことはない(でも立派な…というか、ちゃんとした)ランナー」もいます。
    チームというタイトルですが、一丸となって…というところは描かれていないし、反目もあります。
    そういうところがリアルだし、「走り」を通じての変化がうまく描かれています。

    「風が強く吹いている」でも、自分の走りについての「甘さ」がよくわかりましたが、この「チーム」を読んで、さらに自分のダメダメさを実感しました。
    …というか、どういう風に走らないといけないのかということを少し理解できたような気がします。

    素晴らしい本でした。

  •  「俺たちはチームだから」。この最後の一言で、ああそれでこのタイトルなのか、と納得がいく。ただし、そこへ行きつくまでは決して平坦ではない。箱根駅伝物語というとまずは「風が強く吹いている」。あれはまるっきり架空の夢物語であまりにもありえないおとぎ話だけど、それはそれとして圧倒的な感動をよぶ名作であることは間違いがない。小説の真価は現実的かどうかではなく感動的かどうかだからだ。それに比べると本作は少し弱い。満点には届かないか。主人公に学連選抜チームをもってくるという意外性が、逆になんとなくありそうな話に思えてしまう。ひとりひとりのモチベーションがたしかに難しいだろう。前半部はなんとなくぎくしゃくとして、総監督の吉池やコーチの上野、キャプテンをまかされる浦、いずれもがおとなしく、こんなんで熱い駅伝を走りきれるのかと心配になる。
     それが後半のレースが始まってからは一転。三区朝倉、五区門脇、九区山城、十区浦、主役級のランナーがそれぞれの区間を自問自答しながら走る。その浮き沈みがまさに実際のレース展開のようで手に汗を握る。そして最後の最後にたどりついた衝撃のラストシーン。この盛り上げ方はさすが。脇を固める青木、広瀬、吉池、上野らもここへきて息を吹き返したかのようによく書けている。「黙れ!、その旗を上げたら殺してやる」。そしてきわめつけは、冒頭の「俺たちはチームだから」。やられたなあ、大逆転の五つ星。

    • マサトさん
      はじめまして。
      「小説の真価は現実的かどうかではなく感動的かどうかだからだ」というレビューの一文に、思わずウンウンとうなづいていました。
      はじめまして。
      「小説の真価は現実的かどうかではなく感動的かどうかだからだ」というレビューの一文に、思わずウンウンとうなづいていました。
      2013/09/29
    • junkchemさん
      コメントありがとうございます。
      いろんな意味で「風が強く吹いている」とは似ていて非なるものですね。でも最後の9区10区の盛り上げ方はさすがだ...
      コメントありがとうございます。
      いろんな意味で「風が強く吹いている」とは似ていて非なるものですね。でも最後の9区10区の盛り上げ方はさすがだと思いました。「大延長」もそう。この人はそういう作風なのかもしれません。
      2013/09/29
  • 『風が強く吹いている』(三浦しをん著)でもそう思ったが、箱根駅伝をもっとちゃんと見ようと思った作品。
    何区がすごいとかよくわからなかったが、最近は東洋大学の柏原くんが山の神と言われているのを見てすごいと思った。
    なので五区が一番盛り上がるんだと思ってたけど、二区にエースが登場するなんて。

    門脇がいい!
    と思う俺はおっさんだな。

    でも、この本を読んで天才と呼ばれる人間でも、なんかしか気づくというところに共感をもてたりした。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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