エンキョリレンアイ

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  • 世界文化社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784418065073

感想・レビュー・書評

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  • 今は当たり前のようにメールでばんばんやり取りできることが、そうではなかった時代に出会った二人。
    手紙で想いを伝えあう二人だけど、その手紙の内容が本当に素敵なのです。
    結果としては・・・なのですが、作品全体は本当に透明でクリアーで美しい。
    本当に遠距離恋愛している人は、この本を見て何か得られるかも。

  • 13年のすれ違いに、ただただ呆然とした。途中で「携帯電話が欲しい」というシーンがあるけれど、もし携帯電話があったらこのすれ違いは起こらなかっただろう。書店での出会いと、空港でのたった10分の告白。それをメールと電話と手紙とで強い絆にできたことが、すごいと思いつつもメルヘンだなあと思う。彼からのメールだけで成立している章が『あしながおじさん』みたいで面白かった。ただ、結末は書き急がれてしまったような印象。

  • 泣いた。

    この、ありえない感じに、憧れを抱いて読んだら、泣いた。

    これが、恋愛小説だと思う。


    恋したくなった。

  • 装幀/中直行 写真/KIRA モデル/mina

  • 《文中より》

    アイシテル
    トオクハナレテイテモ
    ワタシタチハ
    ツナガッテイル

    それは、わたしから、わたしへのメッセージだった。
    宇宙の彼方を彷徨う「エンキョリレンアイ」という名の惑星。
    そこに潜んでいるもうひとりのわたし地上から、
    過去と未来をつなぐ中継地点から、わたしは来る日も
    来る日も信号を発信し続けた。

    愛は帰る場所が同じふたりのあいだにあると
    朝まで隣で眠る、ふたりのあいだにあると

    「愛は他愛ない会話と、つないだ手のぬくもりの中にある。
    愛は一緒に歩いていくこと。
    愛は一緒に坂道を登っていくこと。
    だから、愛は狂おしくはないも。
    だから、愛はせつなくない。

    愛はそばにいてと願ったりしない。
    願わなくてもいつもそばにあるもの。

    「人の気持ちは他人には絶対わからない。」
    冷たい考えのようですがこれは真実です。
    どんなに相手のことを思っていても、
    別の人間である相手にはその思いは「わからない」のです。
    しかし、わかることが一つあります。
    それは自分の気持ちです。

    人を思う気持ちが最高に表現されている。
    顔が見えない、声も聞こえないのに自分で勝手に思いながら一喜一憂してしまう。
    自分が弱いのか、負けてしまっているのか。

    海晴は言う「この距離に恋愛を育ててもらっている」と

  • うーん

  • 一目ぼれから遠距離恋愛に入るお話。久々に恋愛ものが読みたくて、タイトルだけで恋愛物と解るこれを購入。上手くいきすぎ感はありますが、すれ違い部分には号泣しました。

  • この作品もまた、近所の図書館の「バレンタインにラブストーリーを」特集の中の一冊です。ある日バイト先で声をかけられて知り合った桜木花音と井上海晴。東京でOLをする花音とアメリカでシェフ修業をする海晴。日本とニューヨーク。12時間+2時間の時差をかかえながら、遠距離恋愛をすることとなりました。海晴からのメールでうめつくされた章と、会いたい気持ち、寂しい気持ちを毎日の生活の中で切実に感じる花音の章と、交互に書かれ、遠距離恋愛をする女性の気持ちが哀しいほど伝わってきました。遠距離恋愛の、コミュニケーション手段は電話と手紙、メールだけ。だから第三者が介入したりすると、誤解やすれ違いがおこり、自然消滅や別れになったりします。この作品も二人の前途が危ぶまれましたが、そこは強く赤い糸が結ばれていたようで・・・。とても、気持ちのよいエンドでした。はらはらする遠距離恋愛、私なら辛くてできないでしょう。因みに漢字で書く「遠距離恋愛」は生々しく悲しみや寂しさを感じるけれど、カタカナの「エンキョリレンアイ」はさっぱりしてあっけないほどカラリとした感じがします。作品中でもこの話は出てきますが、文字から受ける感じをうまく使った作品だなと思いました。

  • 2011/12/18 読了

  • 「この距離に恋愛を育ててもらってる」

    「いかなる状況にあっても、好きだという気持ちで乗り越えていく」


    珍しくハードカバーで持っている1冊。
    これを読んだら湿っぽくなるって分かっているのに、急に引っ張り出してみた。
    話の下りを知っていても、やっぱり泣く。
    12年経っても忘れられないような、そんな深い想いを誰かに対して抱くことが自分には出来るんだろうか。

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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