もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- ダイヤモンド社 (2009年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478012031
感想・レビュー・書評
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『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』読了。
JKの頃にヒットした小説で一度は読んでみたいと思いながらも難しそうだなぁと感じてなんとなく読むことを躊躇っていた。
すごく良かった。
野球の知識がなくても面白かった。
内容的には高校生の頃に読んでも意味が分からなかったと思う。
今だから読んでわかる部分があってすごいなぁと思った。
社会に属するようになってこんな風に目標に向かっているんだなと思うと必然と感動が湧く。
もっと社会の歯車の一部になって頑張りたいなぁって思えるような内容でした。
2019.11.2(1回目)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドラッカーの「マネジメント」入門編として読んだ。
マーケットイン志向や成果主義といった経営の考え方から、組織の在り方、運営方法まで、ポイントを押さえて紹介されている。また、ストーリーの中で、具体的にどう落とし込むかも例示されているため理解がしやすい。
組織の具体例として「野球部」を選んだのは、非常によい設定だと思う。
なぜなら、営利組織を例にしてしまうと、読んだ経営者に「現実はこんな風に儲からない」といった揚げ足取りや、「うちの業界には当てはまらない事例だ」といった言い訳の余地を与えてしまう。
また、ストーリーの結末として「儲かったかどうか」がクローズアップされ、結果的に「顧客を満足させること」の重要性が薄まってしまう危険性もある。
そういった点から、企業ではなく、非営利団体の「野球部」を選んだ点はとても大きな効果があると思う。
マイナス点は、小説としての出来栄えと挿絵。
正直、小説としては表現も文体もレベルが低いと思う。また、挿絵も世界観を邪魔しているように思う。何より文体とミスマッチだ。挿絵のページにくると暗澹たる気持ちになった。
まあ、本書の内容からすればこれは枝葉末節だとは思うが。
いずれにしても、「マネジメント」の入門書としてはとてもよくできていると思う。 -
ドラッカーへの入門書としてはいいんだろう。
ただ、小説として読んだら、「そんなにうまく行ってたまるか」と言いたくなるし、「みなみは結局、マネージャーに復帰したのか?わだかまりはどうやって解消したのか?」がないのは、物足りない。 -
ストーリーとしては個々の実力はあるけれどまとまりきれていない野球部が特別なきっかけによって大会を勝ち上がって行くという王道系。
本書の売りはその「特別なきっかけ」がドラッカーのマネジメントを読んだマネージャーというところ。
元々著者が小説家ではないためか、文章能力というか表現能力はそれほど高くないけれど名著として名高いドラッカーのマネジメントをうまくストーリーに落とし込んでいる。
マネジメントという本自体が普段そういった分野に馴染みのない人間からするとちょっと難しめなため、ざっくり知る上では入門書として優秀なのだと思う。
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組織の目的は人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和する事
成果とは長期的なもの
優れている人ほど、多く間違え新しい事を試みる -
大変面白かったですね。小説としては拙い出来だと思いますが、実践の難しいマネジメントに対する一つの仮想シミュレーションとして秀逸かと。何よりこの小説とタネ本(元々ロングセラーだが…)に脚光が集まり多くの読者がマネジメントについて考えた。これまさに著者渾身の成果なり
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昔流行った本が100円で売られていたので、一応読んでおくかと購入。
結果、同じような経緯で過去に読んだ電車男やスウィングガールズ同様、不覚にも感動しつつ読んでしまった。
折に触れてドラッカーを引用しつつ、それが面白いように当たって最後はハッピーエンドなんだろうな、という事前予想はほぼそのとおり。しかしいかに予想どおりだろうと、凡百の日本人である自分は見事に心動かされてしまう。
ドラッカーに触れる量は思ったよりも少なめ。ただ、あまりにドラッカー解説に紙幅を割くとエンタメ性が損なわれるので、そこはバランスを取った結果だろう。
著者は専門的な文筆家ではないようで、確かに見せ方や設定、伏線回収などで拙さを感じる部分もある。とはいえ、そんな批評家根性は捨てて、フラットに読み物として楽しんだ方がよいと思う。
通ぶって、頭ごなしにベストセラーを批判するのもよいが、そんなことで楽しみを減らしてむっつりと生きるのはもったいない。
エンタメ性が高い一方で、確実にドラッカーへの興味を喚起する本でもある。
自分はライトなビジネス書はよく読むが、ドラッカークラスの世界的名著はまだ数えるほどしか読んでいない。自分でも安直とは思うが、次はドラッカーのマネジメントを読んでみようと思った。
日本全体に与えた影響・功績も大きい1冊と思う。若い世代を中心に、自己啓発への入り口として愛されてくれればいいと思う。 -
○組織における共通理解等を実現するには「我々の事業は何か?」を定義することが不可欠
○組織の定義づけは「顧客」により方向づけられる。(顧客が考えている現実・欲求・価値を引き出さなければいけない)
○マネジメントの重要な役割は「働く人たちに成果をあげさせること」
○働きがいというのは重要。それを与えるには仕事そのものに責任をもたせなければいけない
○人のマネジメントとは人の強みを発揮させることである
○組織の目的は、人の強みを生産に結び付け、人の弱みを中和すること。「人は最大の資産」
○トップマネジメントがチームで機能するには下記の厳しい条件を満たす必要がある(仲の良さだけでは上手くいかない)
①メンバーは担当分野において最終的な決定権を持たなければならない
②メンバーは担当分野以外には意思決定を行ってはならない
③メンバーは仲良くする必要はない。ただし、攻撃し合ってはいけない
④委員会ではなくチームである
○マーケティングでは「集中と目標」つまり、何かに集中を置くために何かを捨てるということも重要
○組織の関心を努力ではなく成果に向けさせなければならない -
いいヒントをもらえました。自分の職業にも生かせそうだなと思います。
何回か読んで、自分の今の立場ならどうするかを考えてみたいです。