入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法

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  • ダイヤモンド社
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  • / ISBN・EAN: 9784478014585

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  • 自身のライティング技術が中々向上しないと感じた為、基礎から学ぼうと思い読んだ。

    入門編ということもあり、基本的なことであるがライティング技術向上の為に意識すべきことが分かりやすく記載されており、すぐに実践できそうな内容だった。

    例えば日本語の特性が、ロジカルライティングに不向きな点であることや、常に読み手の立場になって考えライティングを行うこと。またライティング上達の為にはライティングの数をこなすよりも、考えのプロセスを確り行うことを何度もやることが大事。

    日々のメールや毎日10分のピラミッドトレーニングを行なっていくことを決意。

    〈要旨〉
    ・考えるプロセスと書くプロセスを分ける
    ・読み手の立場になって文章を書く
     →OPQ分析を行い、読み手の疑問を明らかにする
    ・帰納法、演繹法を用いピラミッドを作る

    ・一度に覚えられる数は限界がある(7±2)
    ・要約メッセージは一般論にならないようにする
     →名詞表現、体言止め、あいまい言葉、しりてが接続     
      詞は使用しない
     →メッセージは1つの文章で表現する

    ・So Whatを繰り返し、構成に問題が無いかチェック
     →帰納法はつなぎ言葉、演繹法は前提をチェック
    ・and接続詞、しりてが接続詞の多用を極力避ける
     →日本語から外国語に翻訳する場合上記接続詞が
      無ければスムーズに変換できる

    ・毎日のメールで本書内容を意識し作成する。
     →感謝の言葉にPDF
    ・毎日仕事で送った/作成した文章を10分以内で
     ピラミッド化する

  • 会社での書類を書く際に、読み手にわかりやすい文章を書きたくてこの本を読んだ。
    読み手の疑問を明らかにするOPQ分析。
    OBJECTIVE 望ましい状況
    problem問題すなわち現状とOBJECTIVEとのGAP
    question読み手の疑問
    answer答え 文書の主なメッセージ

    メッセージを絞りグループ化
    ビラミッドの基本
    帰納法でロジックを展開する
    接続詞が大事!
    しりてがはなるべく使わない

    メールのポイント
    感謝の言葉にPDF
    感謝の言葉
    purpose statement
    Detail
    follow trough

  • ■感想
    迷っているなら、読むことをお勧めします。
    簡潔に纏まっていて、実践的な内容です。また、分量も少ないので半日で読めます。
    本家バーバラミント女史の本をより日本人向けに、プラクティカルにした内容です。実は私は本家の方は挫折しているので、このような入門編を手に取ることができて大変助かりました。

    ■要諦
    入門 考える技術・読む技術

    第1章 読み手の関心・疑問に向かって書く
     OPQ分析
    Objective: (読み手の)望ましい状況
    Problem:(読み手の)問題、すなわち現状とObjectiveのギャップ
    Question:(読み手の)疑問
    Answer:(読み手への)答え/文書の主メッセージ


     OPQ分析のコツ
     全て読み手視点で表現する
     比較のレール(トピック)を外さない
     文書の主メッセージはQ直接答える


    第2章 考えを形にする

     メッセージ構造:グループ化
     何かを認識するとき=読み手が情報を受け取るとき、僕たちは物事を様々なグループやカテゴリーに仕分けする。
    なお、グループ化は帰納法のチェックで後述。


     キーメッセージ
     キーメッセージは一般論にならないようにあうす
    例:①天気予報は雨といった、②今朝早く、カエルがうるさく鳴いていた、③西の空には黒い雲がある→「今日は雨になるだろう」というのが要約メッセージ。「天気を予想するためには様々な自然現象の考察が必要である」では内容としては正しいが、要約にはなっていない。

     要約メッセージを文章にするときの「4つの鉄則」
    鉄則①:名詞表現、体言止めは使用禁止とする
    例:「東南アジア市場の推移」のような体言止めだと、何について言いたいかはわかるが、何を言いたいかという中身には触れられていない。
    鉄則②:「あいまい言葉」は使用禁止とする
    例:「営業組織の見直しを提案する」→「東京大阪など大都市圏での営業人員を増大させる」/「営業戦略の再構築が必要である」→「営業戦略を、東京・大阪など大都市強化型に変更する必要がある」。あいまい表現とは、「見直し」「再構築」「問題」「適切な・・・」である。
    鉄則③:メッセージは1つの文章で表現する
    例:文章が2つあるならメッセージが絞られていないということ。


    鉄則④:「してりが」接続詞は使用禁止とする
    例:メッセージは1つの主語、1つの述語がベスト。日本語の特性上「してりが」は違和感なく聞こえるが、メッセージが2つになってしまう。「してりが」とは「・・・し、・・・」「・・・であり、・・・」「・・・して、・・・」「・・・だが、・・・」「・・・せず、・・・」「・・・なく、・・・」

    Before After
    A社は倒産し、B社は黒字になった。
    A社は倒産したにもかかわらず、B社は黒字になった。(逆説)
    B事業は赤字であり、今後も黒字化は期待できない。 B事業は今後も黒字化は期待できない。(赤字であることは自明)
    あのマンションは、1000万円も値下げしてようやく売却できた。 あのマンションは、1000万円値下げすることにより、ようやく売却できた。(因果関係)
    わたしの貯金目標は300万円だが、あと3ヶ月で達成できそうだ あと3ヶ月で、300万円の貯金目標を達成できそうだ。(単文へ)
    役員に若い人がおらず、ネット事業への取り組み意欲が低い 役員に若い人がいないために、ネット事業への取り組み意欲が低い。(因果関係)

     So What?を繰り返す

     これは具体的なメッセージを出すために行うもの。
    例:A事業は多くの問題を抱えている→A事業から撤退するべきだ

    第3章 ピラミッドを作る
     帰納法と演繹法
    ビジネスの世界では絶対的に正しい前提があまりないため、一般的に帰納法の方がよく使われる。演繹法が使われるのは、「過去や現在の事実」に「正しい法則」や「妥当な仮定」(一般的に正しい)を適用して将来を予測する場合。

     帰納法のチェック方法
    「つなぎ言葉」をメッセージ文の冒頭に入れてやる
    「なぜそう判断するかと言えば」「なぜならば」「例えば」「具体的には」をつけ、音読する。グループ内で同じ「つなぎ言葉」でいけそうなら、7割型問題ない。違和感があるなら、そこが論理的に問題。

     演繹法のチェック方法
    「前提」をチェックする。「本当に正しいと言えるか?」

     ピラミッド作成のコツ
    コツ①:1つの考えを短く明快に
    書き方は要約の4つの鉄則に従う。主メッセージとそれを直接支持するキーメッセージを早い段階で決める。ピラミッド内には1メッセージにする。文章化は別のステップで実施。

    コツ②:縦と横の2次元を意識する
    縦の関係は、結論と根拠・説明の関係になっているか。帰納法はつなぎ言葉チェック、演繹法は前提チェックが有効。
    横な関係は、帰納法は、グループ内のメッセージに仲間外れがいないか。演繹法は、第1前提文の主語か述語が、第2前提文にバトンタッチされているか。

     ピラミッド作成の罠
     1対1ピラミッドの罠。
    ビジネスには不確定要素が多く、ある前提を自明だと思い込んで、1対1のロジックを作ったが、前提が自明ではなかった。不安定な前提ではロジックにならないし、説得力も出ない。
    一方、「大丈夫、前提は自明であり、疑問の余地はない」というのであれば、わざわざ1対1のピラミッドを作るまでもない。1つのメッセージの中で、ロジカル接続詞(後述)を用いた複文で表現すれば十分。
     前提が間違っているケース
    ↓は設備投資したら、固定費増するので、必ずしも黒字になるとは言えない。

     同じメッセージの繰り返しになっているケース
    1対1のピラミッドで結論・根拠で同じ内容のメッセージになっているのはよくある。
     例外:イメージによる説得
    事例を取り上げて、キーラインを支持する場合は、1対1でも良い。が、論理関係はないので、線で繋がないこと。
     読み手にとって既知なことは書かない
    OPQ分析においては、読み手目線なので、既知のことはノイズになる。特にキーラインでは書かないようにする。

    第4章 文書で表現する
     概要
     メッセージごとの固まりが一目で分かるようにする
    メッセージごとに見出し、段落、箇条書きにするなど。
     基本、各メッセージ文を固まりの冒頭に配置する
     ピラミッドのメッセージをそのまま形にする
     主メッセージの位置を決める
    冒頭か、最後
     目次をどのようにつけるか
    内容を匂わせる目次か、内容を匂わせない目次か。主メッセージの位置が前なら匂わせる方、最後なら匂わせない方。

     文書のわかりやすさ
     ロジカル接続詞

    ロジックの種類 日本語 英語
    時間 ・・・する時に When
    ・・・する前に Before
    ・・・した後で After
    ・・・するまで Until
    ・・・して以来 Since
    対照・対比 ・・・である一方 While, where, whereas
    ・・・であるけれど Although, though, even though, however
    原因・結果 ・・・であるがゆえに Because, since, as
    ・・・の結果 So…that, such…that, as a result
    ・・・であるにもかかわらず Despite that, in spite of
    ・・・するためには In order that, so that
    条件 もし・・・ならば If, in the event that
    もし・・・でなければ Unless
    ・・・になるという条件で Provided that

     「しりてが」接続詞の部分的な解禁
    ピラミッドやメッセージ文には使用禁止だが、メッセージを支持・説明する補足説明文に限り、2つか3つまでなら見逃し可。日本語とは切ってもきれない関係なので。

     英訳依頼時のコツ
    「しりてが」を排除する、全ての文章に主語を入れる、あいまい言葉の排除

     読み手を惹きつける「導入部」
     OPQ分析を使って導入部を作ること。つかみなので、OPQ全てを網羅する必要はない。端折り、統合、表現変更、順序を変えてもいい。読み手を本文に向かって効果的にガイドできれば良い。


     「結び」で今後のステップを示唆する
    ★3つのサンセットマークを使用するか、行間を取り、デッドラインとタスクを書く。

    終章 メール劇的向上術

     感謝の言葉にPDF
    日頃の感謝、Purpose statement(目的), Detail(詳細), Follow-through(今後のアクション)

    付録 ピラミッドの基本パターン

  • ピラミッド形式でロジカルに主メッセージを伝える方法を非常に分かりやすく書いてくださってます。
    バーバラミントの本筋の方で挫折した方にオススメです。

  • (心構え)
    ・読み手の「疑問」に答えること
    ・ピラミッド化→文章化

    (実践すべきこと)
    ・感謝とPDF
    ・ピラミッド化の練習(4ヶ月)

  • いきなり文章を書き始めるのではなく、一度ピラミッドを作成してから、文章を書き始める。

  • 有意義
    得られたもの
    1読み手の立場に立つ。顧客によりそう。
    2論理的に組み立てる
    3文章の書き方


    〜コンサルティングの流れ〜
    1OPQ 顧客はなにを求めているのかを把握する
    2次に市場分析→これは他の書籍
    3得たデータを論理的に組み立てる→帰納的or演繹的
    グループ化とようやくメッセージが重要
    4わかりやすく伝える メールの構築 つなぎ言葉の禁止

    非常に良い本だった。
    何度も読み返すのが良い。

  • バックグラウンド問わず必読。
    個人的にはESに四苦八苦している就活生が読むと効果大。

    明快な「発信術」のノウハウの全てが
    豊富な具体例と共に記載されています。

    以下、私的重要事項のメモです。

    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

    ●相手が求めている結論を最優先に書け
    ビジネス文書読む意図は何らかの課題を解決したいが故。
    上手い文章ほど「相手視点」を大事にしている。

    ●相手視点の獲得にはOPQ分析を用いよ
    O : Objective … 相手の望む理想状態
    P : Problem … 理想状態と現状のギャップ(隔たりの要因)
    Q : Question … OとPから当然の様に予測される問い
    → Qに対するAnswerこそが主メッセージ

    ●主メッセージと下部メッセージの関係性に留意せよ
    下部メッセージに求められる条件は2つ。
    ①全て並列の関係である ②主メッセージの下支えである

    ●以下の様に読み進め、ロジックが通るかチェックせよ
    主メッセージ→ロジカル接続詞→副メッセージ

    【ロジカル接続詞の種類】
    ①Why型 … なぜかというと〜である、その根拠は〜である
    ②How型 … 具体的には〜をすべき、そのためには〜が必要だ

    ●メッセージから曖昧言葉を徹底的に排除せよ。理由は2つ。①結局言いたいことが分からない ②理解に齟齬が生じ得る

    【曖昧言葉の例】
    適切な処置、〇〇が問題だ、検討の余地がある
    →So whatを繰り返し、曖昧言葉を明確な表現に。

    ●メールは感謝 + PDF
    感謝 → Purpose massage → Detail → Follow through
    言い換えると、感謝→主メッセージ→根拠→今後のアクション



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