自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479791775

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  • 「きみには問題がある」――上司に突然こう言われたら……?会社や家庭で起こるトラブルの原因は自分の「行動」にあるかもしれない。良い家庭、良い会社、良い社会になるためにどんな振舞いをするべきか。

    上司バドと主人公“わたし”の会議室でのやりとりを通して、日常の問題点を紐解いていきます。攻撃的な態度や口調になる、相手の一度のミスを逆手にレッテル貼りをする……気持ちに余裕がない時ほどついやってしまう行動がいくつか頭に浮かび、バドの柔らかくも的確な指摘がぐさぐさと胸に刺さります。
    ストーリー仕立てになっていて、読み手も“わたし”と一緒に疑問点をひとつひとつクリアにしていく展開です。状況を好転させたいときに取るべきアクションとは、まず自分が「箱」の外に出ること。そして「相手を変える行動」ではなく「自分を変える行動」を取ること。自分自身を客観的に捉えるという点で良いきっかけを与えてくれる本だと思います。

    ただ個人的に、世の中には「距離を取った方がいい人」も一定数存在すると思っています。そうゆうタイプの人と接して悩んでいる人には、本書が提示する「自分の行動を直す」「自分が変われば相手も変わる」という考え方に囚われず、さっさと逃げてほしいと思わずにはいられませんでした。
    周囲と良好な関係で、心穏やかに日常を送りたいですね(しみじみ)。

  • いかに今まで自分が自分勝手で、この本のいう「箱に入った」状態だったか、反省しきり。

    自分が思ってる以上に、自分の思ってることは口に出してなくても相手に伝わっている。

    つまり人間は、相手が自分のことをどう感じているかを察知する能力があるらしい。
    言葉でいくらおじょうずを言ってても、ほんと気持ちは伝わっている。

    自分の感情、純粋な思い、相手に対しての思いやりを裏切ることによって、いかに今まで自分を正当化するのに必死で無駄なエネルギーを使っていたか、を思い知った。

    自己正当化のイメージ、そして自分が勝手に作ってしまっている思考の枠、この本では箱の中にいるから、まわりに対して批判的だったのかがわかった。

    なにより箱の外に出るには、自分が箱の中に入っているということを認識して、単純にこの箱の外に出たいと願うこと。
    それには目の前にいる人をありのまま受け入れ、尊重すること。

    人間関係をよくするには、やり方ではなくて、やはり日頃の自分のあり方の問題だと思えた。

  • 会話文のような形式だったので若干自分には読みにくかったが、とてもためになった。
    この間の自分の行動を振り返ってまさに自己欺瞞から相手との壁を作っていたなと捉え返した。実践編も読んで行動を改めたい。

  • ビジネス書かと思って読み始めたのですが、仕事だけでなく人間関係全般に大切なことが書かれている本でした。

    本書で言う「箱の中に入っている」状態というのは、自己欺瞞に囚われている状態のこと。
    「箱の中にいる」とき、人は自分で自分を裏切り、そんな自分を正当化するために、周りの人たちを低く評価したり、身近な人にひどい態度を取ったりするのです。

    本書は、主人公が上司のバドから「箱」についてのレクチャーを受ける形式でストーリーが進みます。
    バドは優しい語り口のとてもフランクな人物ですが、「箱」について主人公と読者の痛いところを突きながら、的確に抗議を進めていきます。
    読みながらヒリヒリした思いで我が身をふりかえること多々。
    時々、自分が「箱」の外にいるのか、中にいるのか、客観的に自分を観察する目線を忘れないようにしようと思います。

  • 自分の小さな「箱」から脱出する方法
    アービンジャー・インスティチュート(著)
    金森重樹(監修) 富永星(訳)

    2006 11/5 第1刷発行
    2016 2/1 第45刷発行

    再読。
    良くお客さんに紹介させていただいています。

    今回久しぶりに手元に戻って来たので
    あらためて読ませていただきました。

    人間関係にとって大切なことは言動ではなく
    その時の「心の位置」だと

    分かりやすく説明してある本書。

    自分への裏切りと正当化により
    目的と違う努力をしてしまうために

    本来の結果が得られない。

    わっかりやすー!
    ホントにわっかりやすー!

    さらに踏み込んだ「実践 自分の小さな…」も
    読むと良いと思うよー。

  • この本をよんで私は人間関係がぐっとシンプルに考えられるようになった気がします‼
    この本では前置きでこう述べています。


    我々が『人間関係の問題』と呼んでいる一見バラバラな症状、あらゆる問題を引き起こしているのは、たった一つの原因なんだ。それさえ知っていれば、人間関係の問題を効率的に解決でき、問題を一撃で解決できる

    ほんまかいな、と思いながら読み進めると、どんどん引き込まれました。

    箱の外にでる、ということは相手を悩みや希望を持った、一人の人間としてみること。それこそが、箱の外にでるということなのだそうです。こう書くと当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが、私たちは普段周りの人のことを「もの」としてみてしまっているのではないでしょうか?

    そして、自分自身が他の人に対してすべきだと思ったことに対して、背く行為を自分自身への裏切りと呼ぶ。いったん自分を裏切れば、自己正当化と言って、周りの世界を自分の裏切りを正当化する視点から見るようになる、と述べています。

    例えば、「私」息子が幼かったある晩、息子の泣き声で目を覚ます。妻が隣で寝ており、妻が休めるように何かをしてあげたいと思った。ところが、「私」は自分がすべきだと思ったことを裏切り、ベッドに入ったまま動かない。妻のためになにかすべきだと思った自分自身を裏切り、逆らって行動したのだ。感情に背いて行動した結果、「私」は自分のことを正当化し始める。眠ったまま起きない妻は泣いている子供を放ったまま狸寝入りを続けるひどい妻、怠け者と評価し始める。自分のことは子供の変化に敏感で、勤勉ないい夫だと評価し始める。翌朝しなくてはならない仕事が、さも重要に思えてきたり。

    起きない自分を正当化する理由になる。そうなると、自分がほんとうに求めているものが見えなくなり、そして、自分が正しい、正当化されることが一番になる。自分が正しいことを証明するために、
    相手を責めるようになる。

    では、箱の中から抜け出すには?
    行動を変えても、コミュニケーションをとっても、自分が箱をもっていることは相手に伝わる。
    肝心なのは、一人の人間として、人と接することと、自分が相手のためにこうしたい、と思うことを実行すること、というシンプルなもの。


    以上がこの本の要旨ですが、この本全体を読んでストン、と腑に落ちた感じがします。

    わかりやすくて一気に読んでしまえるような本なので、職場や家庭での人間関係に一役買うと思います!

  • 会社の人全部嫌い、生まれ育った家族も嫌い、新しくできた家族も子供以外嫌い。なんでこんなに嫌いな人だけなんだろう。でもさすがに周りが全部悪いなんてことはないんだろうなぁ、自分のとらえ方の問題なんだろうなぁと思っていたけど、どう問題があるのかはわかってなかった。
    この本を読んで、私の問題は、私が自分ですべき、と思った行動をしないツケを、周りの人の評価を自分で下げることで自分の中で帳消しにしていること、感覚的には周りの人をモノと思ってしまっていることだとわかった。そこから踏み出すには、自分は間違っているかもしれないと振り返ることが必要。振り返った後は、自分を裏切らないようにふるまうことを決めた。
    ーーーーー
    ①自分の周りの人は、会社の人は会社に利益をもたらす仲間、家族は幸せになるためにすごく仲間である
    ②自分のすべきことをせず、裏切ると、①のような人たちに対して、周りの人が悪いから自分はしなかったんだと思い、周りの人の評価を下げてしまう
    ③結果、モノとしてみなしてしまう
    ④そこから抜け出すには、自分を顧みること。意地になって戦いを仕掛けてないか、自分の正当性をしめそうとやっきになっていないか
    ⑤思い当たる節があれば、過去の振る舞いについて正直に謝る
    ⑥その後は自分を裏切る行為、すべきと思ったことを、理由を付けてやらないという自己欺瞞行為をやめる。④から⑥の見直しを続ける。

  • 本書はなかなか面白い例え方をしている。自分の殻のことを、箱と表現しているのだ。そして、箱から出て世界を見ることを勧めている。以下は私のお気に入りの考え方である。本書より抜粋している。

    「相手を責めている場合は、必ずこちらが箱の中に入っている。自分が他の人にすべきだと感じたことに背く行為を、自分への裏切りと呼ぶ。そして、一旦自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。 」

    これらを知ってから、自分が他の人にすべきだと感じたことは、率先して行うよう実践している。初めのうちは簡単ではないが、時期に慣れるであろう。自分への裏切りについては、自分自信で薄々気付いていたのだが、このように文章で指摘されると、明確に意識出来る。自身は分かっているつもりであったが、ここまではっきりとは理解していなかったと反省した。

  • 自分の考えの中に陥ってしまうこと、またその状態を「箱」と表現している。自分中心の考え方を修正していることを箱から「出る」と言っている。まず、自己中である状態を説明して、その状態を確認すること。自分をあざむくことから、問題が発生する。自分は気付いていない、自己欺瞞が発生源であることを説明する。問題が見えない人ほど深くはまる。自分への裏切り⇒あいてのするべきことを責める⇒被害者の自分を正当化。箱の中は居心地がいい(相手も)箱の中に入るように仕向ける。箱から出るためには、「素直な自分を引き出す。楽な人間関係を選択。他の本でも同様の事柄の説明をしていたものがあるが、本書の説明が自分にはあっていたようでよく分かった。
    時々読み直す必要があると考える。

  • 何度も読み返して、この考えをきちんと自分の中に取り入れたい、と思い3周は読んだのだが、まだ人に説明できるまでには至っていない。自分の考え方次第、心のあり方次第なのだと考えさせられた。


  • 『人生のバイブル』

    自分はアダルトチルドレンであり、
    人間関係に大変困っていました。。

    この本に出会ってから
    良好な人間関係の作り方や接し方、
    相手の状況把握などができるようになりました。

    人生において数少ない死ぬまで
    何度も読み返したい本です^^

  • 人間関係、対人関係について、なぜうまくいかないのか、どうしたらうまくいくのか、をわかりやすく、明確に説明した本です。人間関係の悪化の真因が「自己正当化」(=「箱」に入ること)にあるとし、「箱」の中にいると、自分が本当に求めているものが見えなくなり、気づかないうちに相手を責める行動に出ていると筆者は指摘。「箱」から出るために人のために何かをしたい、と心から思うこと。

  • 【おすすめ】
    ・人と対立しがちな人
    ・フラットな考え方を持ちたい人
    【概要】
    全ての人は何かの概念や立場にとらわれている。この本ではそれを「箱」としており、その箱から出ることによってはじめて客観的に物事を捉えられるようになる。まずは箱を意識することが重要で、今自分が箱の中にいるのか外にいるのかが分かるようになれば箱から出られるようにもおのずとなっていく。
    【共有したい箇所の引用】

    【足りないところ】
    箱からどうやって出たらいいのかが結局曖昧だった印象。どの箱に入っているのかを自分の中でリストアップするのが難しく、理解できているようで理解できていない感じになってしまう。
    【どういう時に役に立つか】
    ・人と対立してしまっているとき
    ・物事がうまくいかなくて行き詰っているとき
    ・自分を客観的に見たいとき
    【全体感想】
    定期的に読んでおきたい本の一つ。「箱」という独特の概念を用いながら物事を客観的にとらえるコツが書かれているので、一度箱が何なのかを理解できれば箱をうまく使えるようになれそう。今まで読んだ客観視に関する本の中では一番わかりやすかったし、実践方法が曖昧とはいえ概念さえ理解できれば用いることができる機会は多いと思う。

  • 考え方を変えるきっかけとなる本。そういう意味で、最近読んでいる本は当たりが多い。意識が変わると、気持ちが楽になるなぁと読み終わってからここ数週間で実感しているところ。
    一度に変わらなくても、そのことに気がつき意識をする努力はできると思うので、これからの人間関係に活用していきたいと思います。寄藤文平さんかな?イラストレーションも可愛い。ストーリー形式なので読みやすく誰もが陥りやすいシチュエーションで語られているので、引き込まれました。

  • 人間関係において、知っておくと楽になる1冊。

    ・自分がすべきことをしなかった時、自分を正当化しようとして相手を悪者にしがち
    ・他人を尊重するとは、他人も自分と同じ人として接すること

    「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と「己を愛するがごとく、汝の隣人を愛せ」を思い出した。

    しかし一方で、一度憎らしくなった相手を愛すには、相当な労力が必要だ。つまりは、人間関係は初期段階が極めて大事で、なるべく先入観なく相手を見て、自分の穿った見方に気付いた時点ですぐに修正することが重要である。改善より継続の方が遥かにコストが少ない。
    相手が自分にとって大切な人なら、どんな状況であっても関係を再構築する方が良いかもしれない。
    しかし、正直に言えば、「何故この人のために自分が箱から抜け出さなければならないのか」と考えるケースもある訳で、その場合は切り捨てた方がいいのかもしれない。

  • -あらすじ-
    人は箱の中に入ると(自己欺瞞に陥ると)、自分を正当化することに精一杯になってしまい、周りの人間をモノとして扱い、尊重できなくなってしまう。人はどのように箱に入るのか、そして箱からどう脱出するのか、対話形式で教えてくれる。


    人が無意識のうちにいかに自分の都合の良い考え方をしてしまうのかがわかり、恐ろしくなった。

    人に否定的になったり不満を感じた時には、自分が本来すべきことから逃げて自分を正当化しようとしているのではないか、と疑うよう日常的に意識していきたいと思う。

    一回読んだだけでは、まだ府に落ちない部分もあるので、繰り返し読んで、ぜひ日常生活に生かしたいと思いました。

  • 読んでから何年も経つので果たして記憶にある内容が何処からどこまでこの本から得た物なのかも若干曖昧な部分はあるものの、、
     社会人になって数年が経ち、ボチボチ仕事を覚え、リーダー、係長級の役割を担い始める中で、会社や周囲、特に上司や困った後輩(と当時は感じていた)に不満や手を焼く部分が多く、なんでこうなっちゃうんだろうと思い悩んでる時期になんとなく本屋で手に取ったこの本。
    自分にとって人生最大の眼から鱗体験だったのは今でも変わり有りません。
    周囲のメンバーに不満があったり、周りが馬鹿ばっかりに見えるようなことがあったら一読の価値アリ。
    貴方ももしかすると「箱の中」から物を見ているのかもしれません。
    自分の場合は自己欺瞞が行き過ぎる前にこの本に出会って本当に幸運だったと思う。
    共感力やコミュニケーション力の高い人は自然に身に付けるスキルなのかもしれませんが、この本で言う箱の外から物を見る視点と言うのは本当に大事で、
    周囲に良かれと思って接しながらも、結果的に悪い方向にいってしまっているリーダー、上司、苦しむその部下の様子を見ると、上司にこの本を差し出したい気持ちになります。
    要旨を書き出せるほど覚えてないので、自分の言葉で超絶要約すると、
    ・悪意を持って失敗を起こしたり、貴方に迷惑を掛けている人はいない(ほとんどの場合)
    ・相手の立場に立ってみればそれは当然の行動かもしれない
    ・一旦一方的な視点で相手が悪いと決めつけると自己欺瞞が始まる
    ・そのまま自己正当化を続けると自分に対する嘘が積み重なり、感覚が麻痺して正しい判断が出来なくなる
    ・当たり前だがその状態では他者を悪と見てしまっているので相手も箱に入ってしまう
    ・以下エンドレスループ、負の循環
    てな感じだったと理解しています。
    表題の脱出する方法と言うのはこのループから抜け出すって事で、言葉にすれば簡単そうな話ですが、仕事でそれなりに結果を出せる人も結構ループに陥っていたりするので、個人的には職場環境改善の為に輪読してみたいレベルです。


  • 後輩にお勧めする本、その5。
    自分の考え方の偏りに気づきます。

  • 自己欺瞞=箱の中に入っている、という話。
    なぜあの部下はあんなにも無能なのか、パートナーはなにもわかってくれない、自分の子がこんな落ちぶれているだなんて世間の恥でしかない、という様々なコミュニケーションのねじれがなぜ起きているのかを解き明かしていく。

    それは自分を裏切ることから始まる、全てはその裏切りを正当化させるために自分は絶対に正しいという思い込みを招いている悲劇に過ぎない。
    その様子をストーリーの時系列で感情を可視化しその箱の正体と向き合っていく。

    テーマが重くてなかなか気がすすまず積読されっぱなしだったけど、読み始めたらかなり面白くしかも書き方がわかりやすい上にポップなので、サクサク読み進めることができた。

    自分を正当化するために他人が間違っていてくれないと困る
    という負のループから抜け出すことによって人生の安らぎは増え、仕事へのモチベーションは上がりいいことしかない。
    だからその箱の存在に気づいてその箱の外に出よう、全ては自分の素晴らしい人生のためにってちょっとテーマ壮大だけどユーモアたっぷりに書いてあってそんなに壮大すぎる感じもなく読めた。

    それに、思い当たる節がいっぱいで自分は間違っているかもしれない問題は自分自身にあるかもしれない、そうやって気づくだけで変えていけるなら常にそのことは頭においておきたいな。

    自分への裏切りから自由になって他の人々の抵抗するのをやめて業績向上、関係の向上に集中する人生でありたい。そんな自分の願いともしっかり向き合えていい本との出会いだった。

  • この本は図書館等で借りずに購入して手元に置いておいた方がいい。
    驕りを自覚する→自省する→どうすればなくせるかを対話形式でまとめているため分かりやすく、読み終えた頃には実践できるようになる。
    文章は柔らかいのに、心にグサグサ突き刺さって来、読むのが辛かった。

    常に箱を意識しながら生活できるようになる。
    息苦しいことではなく、むしろ心が軽くなる。
    自己中心的、我が強い、相手の気持ちを推し量るのが苦手、プライドが高い、
    これらのいずれかを一度でも指摘されたことがある人は、ぜひ読むことをお勧めする。

  • 温もりを持った本。
    「君は運悪く、しょっちゅう箱の中に入っている人間と働いていた。辛かったと思う。そうなると、自分も箱にいとも簡単に入ってしまう。でも、相手が箱に入っていることを責めず、箱の存在に気づけたら、その方がずっといいと思わないか。状況を良い方向に持っていくことができるようになる」
    こう言われて救われた気持ちになる人がどれだけいるだろう。周囲の人にこの言葉を言えるように、箱の外にいられる自分でいたい。

  • ぐっどうぃる博士のお薦めで読みました。
    読みやすかったけど、今までいろいろな
    生き方や人間関係の本を読んできて
    特に感銘受けたというものではありませんでした。

    でも読んだことは無駄ではなかったと思います。
    他の方のレビューを見ると
    絶賛の嵐なので、自分はこのくらいでもいいかなと。

  • 人間というのは、常に他の人々に対して、箱の中にいるか外にいるかのどちらかである。箱の中に入っていようと外にいようと、外から見た行動は変わらないが、他の人々に及ぼす影響は大いに違ってくる。組織における成功は、その人が箱の中にいるか外にいるかによって決まり、リーダーとしての影響力も、やはり箱の中にいるか外にいるかによって決まってくる。
    自分がこうすべきだ、ということに逆らって行動する、このような行為を自分への裏切りと呼ぶ。自分への裏切りが、自分自身を箱の中に追い込む。一旦自分の感情に背くと、周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになり、現実を見る目がゆがめられる。ときが経つと、いくつかの箱を自分の性格とみなすようになり、それを持ち歩くようになる。自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中に入れてしまう。箱の中にいると、互いに相手を攻撃し、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与え合う。
    箱の中にいると、①相手を変える、②相手と全力で張り合う、③その状況から離れる、④コミュニケーションを取る、⑤新しいテクニックを使う、⑥自分の行動を変える、ように行動することは、しても無駄である。
    箱から出るためには、①相手に逆らうのをやめ、②自分が間違っているかもしれないと考え、③相手のために行動する、必要がある。

  • これはかなりの衝撃ですわよ。
    どうしてこんなにがんばってるのにうまくいかないの?って、その答えにふれたような気がしてる。
    一気に読んで、終えていまじわじわきてる。

    これを消化するのに納得するのに、箱から出るのには、私にはちょっと時間がかかりそうだけど、
    ぶっちゃけ認めてしまうことに抵抗があるもうひとりの自分もいて、葛藤してるのだけど、
    それでも、忘れないようにくりかえし読みたい。
    すぐにもう一回読みたい。読むぞ。

    ストーリー調なので、ちまたの自己啓発系とは違って読みやすい、理解しやすいのでは。
    私は休み休みながらも、3時間ほどで一気に読めました。

    人それぞれ、合う合わないもあるかもしれん。
    それでも、読んでみてほしいな、
    特に発達さん系の人たちに。

  • 知人に紹介してもらって読んだ本ですが、
    非常に興味深い内容でした。

    「箱」とは「殻」みたいなもの。

    一度自分の「箱」に入ってしまうと、
    自分を正当化して、現実を正しく見ることが出来なくなる。
    この状態を本書では「自己欺瞞」と呼んでいた。
    その「箱」の中から何をやっても変わらないので、
    何よりもまず、「箱」から外に出て物事を見つめたり、
    新しい行動に移したりといったことをする必要がある。

    相手のためにと言うが、「箱」の中にいるときは、
    結局は自分を正当化することしか考えていないから、
    たとえ相手が自分の期待に応えたとしても、
    それに満足しないし、さらには感謝することも無い。
    その反応が相手に対して悪循環を生み、
    お互いがいがみ合うことになってしまう。

    まずは自分自身の考え方に誤りが無いかを見つめなおし、
    それから改善に向けてのアクションを取ることが大切。

    印象に残った内容(メモ):
    ・経験豊富、能力がある人が大勢集まっていたとしても、
     上手くいく会社と上手くいかない会社が存在する。
     その違いは、「自分をあるがままの人間として見てもらえているか」だ。
     あるがままの人間として見てもらえると、頭の切れる人は更に頭を
     働かせ、スキルを持った人はさらにそのスキルを発揮し、よく働く人は
     さらに懸命に働く。

    ・自分の感情に対して目をそむけたときに、人は「箱」の中に入る。
     一度箱に入ってしまうと、以下のような悪循環に陥る。
     1.いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、
       自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
     2.周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、
       現実を見る目がゆがめられる。
     3.時間が経過すると、いくつかの箱を自分の性格と見なすようになり、
       それを持ち歩くようになる。
     4.自分が箱の中にいることによって、他の人たちも箱の中に入れてしまう。

    ・箱の中にいるときに、してもムダなこと
     1.相手を変えようとすること
     2.相手と全力で張り合うこと
     3.その状況から離れること
     4.コミュニケーションを取ろうとすること
     5.新しいテクニックを使おうとすること
     6.自分の行動を変えようとすること
     要するに何をやってもムダである。

    ・箱の外に出るためには、
     「自分が間違っているのではないか?と疑う」
     「相手のために何かしてあげたいと感じる」
     ことが大切で、特に1つ目が重要。

    ・完璧であろうと思うな、よくあろうと思え!

  •  もうずっと前に読んだ本なんだけど、思いついたことがあるので書く。
     人が箱に入りたがること、箱に入るとろくなことにならないこと、これはすごい納得なんだけれど、箱ってなんなのか、なぜ人は箱に入りたがるのか、それがどうしても分からなかった。続編を読んでもそうだった。だけど、それが分かったの。
     箱って言うのは「敵から身を守るための構え」なんだよ。箱に入るっていうのは、敵がいるっていうこと。そして、その敵から身を守る、または、自分の利益を横取りされないように、傷つけられないようにするための気持ちのありようが箱なんだ。で、ここで「敵」っていうのは、攻撃してくる相手だけじゃない。利益が競合する人、自分の利益を損なう人も敵なんだ。
     ところが、それは本当は敵じゃないんだよ。その人はあなたの同僚や家族や、あるいは特別な必要を持っている人なだけで、決してあなたの利益を横取りしようとしている訳じゃない。あなたはそれらの人々と、進んで利益を分かち合うことができる。それどころか、そういう心持ちで(=箱から出て)人と相対することで、箱に入っていた時よりももっと大きな利益を手に入れることができる。
     つまり、敵と見なして競合するか、味方と見なして協力するか、前者が箱に入った状態、後者が箱の外にいる状態。相手が本当に敵ならば自分を守る必要はあるけれど、そうじゃない時にも敵と見なしがちで、だから、すぐに箱に入っちゃうんだ。でも、実際はそうじゃなくて(家族や秘書の人は、主人公の敵ではなかったよね)味方なんだから、協力したほうが良いよ、そのほうが物事うまく行くし会社も儲かるよ、っていうことなんだよ。
     で、これはキリスト教の愛の話だよね。自分自身や身内に向ける愛を、すべての人に向けなさいよっていうのが聖書に書いてあると思うんだけれど、これは逆に見ると、人はほっとくと自分や身内は愛するけど他人は愛さないってこと。愛さないっていうのは、利益を分かち合わないっていうことだよね。で、人はすぐに箱に入って自分の利益を守ろうとしがちなんだけれど、そうじゃなくて、誰だって敵ではなくて隣人なんだから協力しなさいよ、それが幸せにつながるんだよってなことなんじゃないか。つまり、善きサマリア人は箱の外に出てるけど、祭司やレビ人は箱の中にいる、ということ。
     とりあえず、なんかそんな感じ。

  • <特に印象に残ったこと>
    *自分を欺いているときには、わたしたちは「箱の中」にいるというわけだ
    *自己欺瞞に冒されえいる人ほど問題が見えない
    *自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を自分への裏切りと呼ぶ
    *周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる(good)
    *したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る
    *自分が箱の中にいることによって、他の被とたちも箱の中にいれてしまう。
    *他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる
    *完璧であろうと思うな。よりよくなろうと思え
    *他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ
    *他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ(good)

  • ■自分の箱

    1.自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく。

    2.箱の中に入ると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。

    3.自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外にでているか否かにかかっかている。

    4.他の人に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。

    5.他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ。

    6.他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸せているかどうかに気をつけろ。

    7.相手を一つの集団として見てはいけない。一人ひとりについて考えるんだ。

  • 全ての人間関係に通ずる考え方・良くする方法を教えてくれる本。(家族/友達/恋人/職場など)

    人間関係が上手くいくかどうかのキーを「箱」という概念で表現している。

    ■基本思想
    ・自分が「箱」の中にいる間は、意識が自己正当化に集中しており、どんな行動もマイナスとなる
    ・「箱」の外にいる時、結果に集中でき、どんな人間関係も上手くいく。周りに好影響及ぼす。

    ■知っておくべきこと
    ・自分への裏切りは、自己欺瞞へ、さらには箱へとつながっていく
    自分への裏切りとは:自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動。(例)電車で高齢者に席を譲らなかった
     →いったん感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになり、歪んで見える。=箱に入る
    ・箱の中にいると、業績向上(成果)に気持ちを集中できなくなる。
    ・他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。

    ■この話を知り、今後どう行動すべきか
    ・完璧であろうと思わない。よりよくなろうと思う
    ・他の人にこの話をする時、「箱」という言葉は使わない。まずは自分の生活にこの原則活かす
    ・他の人の箱を探すのではなく、自分の箱を探す
    ・箱の中に入っている他人を責めない。自分自身が箱の外に留まる努力をする。また、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるか考える
    ・自分が箱の中にいることが分かっても諦めない
    ・他の人が手を貸してくれるか気に病むのはやめる。自分が他人に力を貸せているか気をつける。

    ■感想
    内容の理解は少し難しいが、読んでいるうちにハッとすることが多い本だった。
    自分自身、人間関係が上手く行かない時や、他人を責めてしまっていた時は、「箱」に入っていたと感じる。
    まずは身近なところから、自分への裏切りをなくす努力をしようと思う。家帰ったら洗い物しよう。

  • かなり面白い 結論までがかなり長いが読んでて面白い。 最後は、感動してしまう!

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