三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 4048
感想 : 475
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025777

感想・レビュー・書評

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  • 宮田ナノ「ハラヘリ読書」つながりで。といっても、引用されてたのはごく一部で。これが「金閣寺」や「豊穣の海」を書いたミシマなのか、というくらい、全編通俗of通俗。20代と40代の男女5人の愛憎欲望うずまく手紙のやりとりだけで構成された一編。「世の中の人間は、みんな自分勝手の目的へ向かって邁進しており、他人に関心を持つのはよほど例外的だ、とわかったときに、はじめてあなたの書く手紙にはいきいきとした力がそなわり、人の心をゆるぶる手紙が書けるようになるのです。」(p.221)が一番ささってきたところかな。群ようこが解説で引いていた、心して毎日暗唱したいと書いていた2フレーズも。

  • 登場人物それぞれの人柄や容姿まで生々しく想像できる描写が魅力的である。
    テンポがよく読みやすいため、これまで何度も5人のやり取りを垣間見た。

  • 手紙という形式で登場人物達のやりとりが展開されていく小説。読み終えて、もっと深く理解するには何度か読み返したほうがいいんだろうなーと感じた一冊。
    どの人達も人間らしく自己中心的な感じがあり、ユーモアがあった。やっぱり何歳になっても恋愛したり、友情であったり、人は人との繋がりを求める生き物なんだなと思った。
    三島由紀夫の小説は過去に金閣寺を読んで、途中で挫折したのだけど、また三島由紀夫の小説を読んでみたいと思った。

  • 「肉体の学校」を読んだ時も感じたけど、この人ってウブなんだなぁ。あんなに頭が良くて色んな経験もしてて金も名声もあって顔も悪くないのになぁ。

  •  1960年代に週刊誌で連載されていたというこの作品は、レター教室と銘打ち様々なシチュエーションにおいて全て手紙形式でやりとりしながら話が進んでいきます。登場人物は年齢も職業も異なる男女5人。ちょっとコミカルな設定のこの5人には繋がりがあって、恋愛・借金・中傷、はたまた陰謀?、それに割とどうでもいいこと?などなどがもつれあい…。
     それぞれの書く手紙には本人たちの個性や思惑がよく表れていて、まあ時代感覚のズレはあるものの、ユーモアと皮肉がきいておりテンポ良く読めてしまいます。
     レター教室の最後は、作者から読者への手紙で締め括られています。

  • 読んでると性格が悪くなりそうだ。おもしろいけど。はみ出したシュークリームて…。

  • 手紙から5人の男女の関係性を読み取り、ストーリーを補完させる構成が斬新でした。登場人物の人となりや喜怒哀楽がひしひしと伝わってきて楽しかったです。

    特に好きな章は「身の上相談の手紙」です。山トビ夫の返信が印象的でした。

  • 戯曲!おもしろい

  • いやらしい中年女の自覚がでてきた私、群ようこさんの解説にドキリ。登場人物は男女五人。年齢も性格もバラバラな彼らの手紙のやり取りだけで物語が進んでいく。 当時の小説としてはとても画期的だったのではないだろうか。手紙の書き方指南本として活用できるかはさておき、大変面白い。 エレベーターガールやモノクロテレビなどところどころ昭和を感じるが、笑いあり下ネタありで読みやすいので、三島由紀夫は教科書に名前の出てくる作家、と身構えることなく先ず本書から入ってみてはどうでしょう。

  • 三島由紀夫という人物にとても興味があります。と言っても今作が初ですが。見た目の印象からの私の勝手な想像ですけど、彼の作品の中では異色なのでしょうか。5人の登場人物が交わし合った手紙で、人間関係の縮図とでも言えるような、それぞれの赤い糸がもつれたり解れたりしながら、話が進んでいきます。とても読みやすくユーモアがあり、ある程度年齢を重ねたから楽しめる作品だと思いました。「手紙を書くときには、相手はまったくこちらに関心がない、という前提で書きはじめなければいけません。これがいちばん大切なところです。」納得です!

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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