- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480082091
感想・レビュー・書評
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オルテガの言葉は直球であるものも多く、刺激をもらった。
また驚くべきほど現在にも適応している言葉が多い作品。ただ現在の社会には適していないこともあるわけで、その明確な区別が自分にはつけることができなかったので、自分の力のなさも痛感した。
次は『エリートの反逆』を読んでみようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。これも結構お気に入り。
ガセットなりの大衆の定義に基づいて、いかに大衆が社会を支配していくかの分析は素直に頷ける。
それはあくまで心的事実でしかなくて、だとしたら「少数であることによって多数の不在を強調する」くらいしか出来ることはなさそうだ。と勝手に結論。 -
19世紀から20世紀に移り変わる時にどういう変化が起こったかがわかりました。
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科学・技術にかかわる人間は全員読むべし!!!!
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この本が書かれたのは1930年。ソ連はスターリン独裁時代、イタリアは、ムッソリーニ独裁時代。前年の29年のNY株式暴落をきっかけとした世界恐慌のまっただ中に書かれた本。
世界経済の混乱、失業者の増大。ティーパーティ運動に見られる反知性主義的大衆行動の活発化など、遠い過去と思っていた1930年代に、現在の状況が似通ってきているだけに、20世紀代表する著作と言われる本書と向き合うことは十分に価値がある。
「凡庸な精神が、自己の凡庸であることを承知の上で、大胆にも凡庸なるものの権利を確認し、これをあらゆる場所に押しつけようとする。」ことを現在の状況(大衆による支配)であるとし、「社会は貴族的である限りにおいて社会であり、非貴族化されるだけで社会でなくなる。」
とする貴族主義的な立場で書かれている。
内容に関して語ろうとすると相当の準備が必要なので置くとします。それにしても、オルテガは、信玄と信長なら信玄が好きなんだろうな、きっと。(負けちゃうけどね・・・) -
僕の大衆批判の基礎を提供してくれた名著
★5つにしても良いのだが解決策や代案を提示していないので★4つにしました -
80年以上も前に書かれたこの本の内容が,現代の先進国の社会の内容をこれほどまで正確に言い当てているとは,著者の慧眼にただただ敬服するしかありません.
著者は,18世紀,19世紀を代表する哲学者がそれぞれカント,マルクスならば,20世紀を代表する哲学者はオルテガである,とまで言われた人です.
La Barbarie del "Especialismo"
The Barbarism of "Specialisation"
「専門主義」の野蛮性
という章は,科学技術に携わる全ての方に一読をお薦めします.
原典(スペイン語)
http://www.laeditorialvirtual.com.ar/Pages/Ortega_y_Gasset/Ortega_LaRebelionDeLasMasas01.htm
匿名訳者による英訳
http://www.ellopos.net/notebook/masses/index.htm -
納得。同時に今の自分にもあてはまることがどれだけ多いことか。
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大学生の時にカッコつけて読んだ本。
そのタイトルとは裏腹に大衆を批判する内容となっている。
今でこそ有象無象の大衆批判本あれど、30年代にスペインの哲学者によって書かれた意義は大きいと思う。
自分は小学生から民主主義というものに疑問を抱いていた。
高学年ともなると学級会で「多数決が正しいとは限らない」と主張し、学級会を混乱させていた嫌味な子供だった。
というのも小学校レベルの教師では民主主義の絶対性など万人に納得できる形で説明できるわけがないと思っていたし、事実説明してくれなかった。
「多数決で決めるかどうか、多数決で決めようと思います」という展開になればこっちのモノだった(本当に嫌なガキ)。
この著者であるオルテガはその社会階層や出自を問わず精神的に大衆であることを批判し、高邁な精神性を持つ真の貴族たれと説く。
ただ心の貴族として成し得るために未来に向かって不断の努力をしなければならない、などと主張されても現代では難しいだろう。
少なくとも日本では貴族なんて求めてられていないから。
しかし現在の日本の現状を予言した内容となっている。
オルテガは同時に科学者も批判しており、その慧眼ぶりには驚かされるが、その反面自身が「この本を政治的に利用するな」と言いつつ見事なまでに政治家に転身していったことを考えると何と評価していいものか判断しかねてしまう。
まあ個人的には選挙権も不要なので、カリスマ的天才が大衆をリードしてくれればそれで良いかなとも思う。
「それは独裁につながる」という反論もあろうが、「真の天才は独裁などしない」のだから安心して国家を任せられるのではないか(笑)。
適当な意見で申し訳ないが、世界では反政府デモというのが流行っているらしく、そこでパッと思いついたのがこの本だった。