- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480082091
感想・レビュー・書評
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1930年当時の社会批判。人々は自己完成に努めろ、己の生存を可能にする社会基盤に対して責任を持て、などと説教くさい趣旨だが、今でも意義を保ちえてしまう檄文だと感じる。
また、国民国家の本質は血縁・地縁ではなく参画している人々の共同意志、というような指摘も、そのような見方ができるのかと思った。ただし、時代の影響か、ヨーロッパ中心主義的な物言いがみられるので、そこは差し引かなければならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ポピュリズムが影を覆う今だからこそ読むべき本だと思います。これだけ上から目線で書かれた本も珍しい。今だったら『炎上』必死の内容です。
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1930年刊行で90年が経過。
オルテガが指摘したように、大衆が大衆であることを認識しているだけならまだしも、大衆が凡俗ではなく一門の人間であると声高に主張するような時代になりつつあり、もはや軌道修正などはかれそうもないという絶望を感じつつ、コロナ禍でシステムの中にいることが当たり前ではないということに気づけた人たちがいるのは、もしかしたら意識を大きく変えられるチャンスなんじゃないかと思った。
数学の公式を利用した物理学が天文学の分野で活かされていて、ピタゴラスが「星は動きながら音を出す。そして宇宙は音楽を奏でている」という言葉を残したように、独立しているであろう学問が実はすべて結びつきがあるという考えがすごく好きなんだけど、象牙の塔に籠らず総合知を身に着けるという考え方はもっと広まって欲しい。
岩波版の評価もよいのでそちらも読んでみたい。 -
学生の頃に探すも見つけられなかった本が筑摩の文庫にあった。18世紀のルソー「社会契約論」19世紀のマルクス「資本論」、20世紀はこれと言われた社会論のバイブル。皇帝、覇王など選ばれた人のための国家と違い、近代の国民国家は、ビジョンも持たず自ら責任も取らない「慢心しきったお坊ちゃん」たる大衆が支配者になった。大衆の集まりによる自由民主主義の限界。今後どうあるべきか。90年前オルテガはファシズム、ナショナリズム、スターリン的マルクシズムの限界を見抜き、ヨーロッパの現状を憂いて書いたが、今やアメリカも日本も、世界がこの状況にある。多くの学者や思想家が影響を受け、論じてきたが誰も答えを見つけられていないまだるっこしさ。天才を待つしかないのか!大衆は待つしかできない(TT)
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どうも説教くさい内容で受け入れられないところもあったが、心に残るフレーズがいくつかあったので登録した。
国民国家を定義するものは、DNAでもなければ、言語でもなければ、領土でもなく、成長を志向するダイナミズムであるという点には共感を覚えた。このようなダイナミズムは少数のエリートの国家に対するビジョンによって生まれるのである。昨今の日本がナショナリズムに傾いているのも十分うなずける。上記3点に胡坐をかいているだけでは駄目なんだろう。
過去の自分を乗り越えていくためにできることは毎日続けようと決意させてくれたことに感謝している。 -
難解…
EU設立など予言している。またゆっくり読みたい
つながりがあると思う本
群衆心理
自由からの逃走 -
慢心し切ったお坊ちゃん、これは今の日本にも当てはまると思う。皆(もしかしたら私も)権利ばかりを主張してばかり。
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[出典]
100分de名著 大衆の反逆 2019.02月