大衆の反逆 (ちくま学芸文庫 オ 10-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480082091

感想・レビュー・書評

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  • 長く、きちんと読めないまま、来てしまいましたが、読み通しました。1930年に刊行された大衆社会論であり、ファシズム、スターリン的マルクシズムが挫折していく以前の書ですが、説かれている内容は、今こそ、真剣に取り組まなければならないように思いました。
    読み返しをして咀嚼していきたいと思います。

  • オルテガ 「大衆の反逆」。大衆社会への批判と国家観を論述した歴史哲学な本。ヒトラーの大衆操作と民族的国家観と 比較しながら読んだ。

    著者が伝えたかったのは、大衆を批判することで、人間のあるべき生き方。

    「歴史は 農業と同じく、谷間から養分を吸収するのであって山頂から ではない。社会の平均水準から養分を取るのであって、傑出した人からではない」

    大衆=平均人=慢心しきったお坊ちゃん
    大衆社会=大衆により平均化された社会
    *歴史的水準は向上した
    *生の水準は向上した

    ヒトラーは 大衆を言葉と権威で服従させたが、オルテガは 大衆を言葉で目覚めさせようとしたのではないか。国家観については ヒトラーとオルテガは 全く逆。ヒトラーは単一民族主義、オルテガは多民族混血主義。

  • 文学
    歴史

  • 私もまた自分自身が凡俗であり続けながらも自己の希望と好みを押し付けるという大衆の一員であります。

  • 全部が全部ではないのだが、ところどころグッとくる記述がある。「一般人が専門家を尊敬しなくなり、専門的な知識でさえ、一般人の直感とそぐわなければバカにする」といったくだりは、今まさに、2ちゃんねるとかみてると、連日のように書き込まれている内容そのものだと思う。ほかにも、大衆というより、オタクの説明かと思うような箇所もあり、その新しさ、今でも通用する度に驚いた。なんとなく、再読するとまた新たな発見のありそうな本。ちなみに、前から気になってて、たまたまブックフェアで安く売ってたから買った。""

  • 【要約】


    【ノート】

  • きわめて強力でありながら同時に自分自身の運命に確信が持てない、自分の力に誇りを持ちながら、その力を恐れている時代。優越感と不安感の入り混じり。
    大衆⇔貴族:努力の人、優れた人というに等しい。つねに自己を超克し、おのれの義務と要求を強く自覚して、既成の自己を超えてゆく態度を持つ者。
    大衆が国家という匿名化された機械を使う
    アメリカはヨーロッパから生み出された若返りにすぎない
    アメリカが優れているのは市場が広大である事の結果にすぎない
    国家(state)は一つの均衡状態を意味する。しかし平衡状態ということは、そのうちにダイナミズムが秘められているという事。
    ヨーロッパ各国のアイデンティティのほとんどはヨーロッパ内で共有されている物
    大衆の願望は、いかなるモラルにも束縛されずに生きることにある
    現代は大衆人(生の計画を持たない存在)が支配している→大衆人の「お坊ちゃん」化。自分を取り巻く豊かな環境を当たり前に感じてそれが生み出され維持されている事に感謝を忘れ、自分より優れた者の声に耳を貸さない不従順で自己閉塞的で野蛮な人間になっている。
    現代の危機は、模範的人間の欠如と反逆的大衆の増大の両方。解決するためには、過去の歴史など、現状の背景を意識する必要がある。

  • 現代社会の主役となった大衆が、現在の自分らを支えている権利や文化、技術の意義を顧みず、あたかも原始人として振舞う(過去の過ちを繰り返す)ことに対して警鐘を鳴らす。社会科学って大事ですね
    自然科学にしろ社会科学にしろ、これまで人類が積み上げてきた叡智は莫大な量になった訳だけど、人間にそれ全部を使いこなす能力はない訳だから、自然と何処かで叡智を機械化、簡略化、ブラックボックス化しないと最先端の事象は扱えない。何でもかんでも顧みてなんて、現実的には無理なんだよな

  • 加谷さんオススメ

  • 大衆とは、閉鎖的で凡俗。凡俗であることの権利を主張し、その一方で無気力。国家へ主張することの意味を自覚しない。この存在が集合体となれば、国家はおろか国際社会をも脅かす強大な力となる。世界で保護主義が蔓延しつつあるいまだからこそ、読んでおくべき一冊。

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