大衆の反逆 (ちくま学芸文庫 オ 10-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480082091

感想・レビュー・書評

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  • なぜ大衆が生まれたのか、大衆とはどのようなものか、なんてことを考える上で参考になります。

  • 19世紀の民主政治と科学技術のおかげで、増大した生命力、たくさんの可能性を包含する環境が生まれ、人間の生そのものが力強く豊かになった。そのとき、本来他人に導かれてしかるべき存在であるはずの大衆が、それらのものはまるで空気のように自然に生まれ在り続けるものと思い込み、維持する努力や他者に従順な姿勢を持つことを忘れ、ただ自分の権利を主張し自ら負うべき義務や耳を貸すべき優れた少数派の意見を捨てて滅びの道を突き進んでいる。

    ヨーロッパ主義、人種差別主義がひょこひょこ見える気もするが、日本の場合は「甘やかされたお坊ちゃん」にぴったりと思う。最後の「未来に借金を残している若者」の話が、実は一番笑えるし、一番分かりやすい教訓かも。

  • 大衆とインテリゲンティアを対比して書かれた本。
    かなりな影響を受けて、何度も読み返しました。
    愛読書。
    歴史哲学とか社会学的なことも書いてるけれど、平易な日本語に訳されているので
    読むのにあまり根性がいりません。

    高校(金大附高)の先生(世界史担当教官)に読めと言われたのがきっかけ。
    この後、カンサンジュンとかエドワード・W・サイードとかに読む分野が移っていきました。

  • 本書は、第一次世界大戦後のスペインで活躍した哲学者オルテガ・イ・ガセットの、最も重要な著作である。オルテガは、比較的エリート主義的な思想の持ち主であり、その思想の中には現代社会においてはおよそ受け入れがたいと思われる部分も存在するが、一方で、彼の予言した「大衆が権力を得ることによって引き起こされる種々の問題」は、21世紀を迎えた日本においても確かに散見される。本論考の論理展開には些かの綻びはあるものの、そのような予言を可能にした直感的な洞察力には感嘆せざるを得ない。

  • ★未了。95年の12月11日に購入している。大学1年生以来まだ読み終わっていない本。

  • 社会とは<少数者>と<大衆(=平均人、凡俗人、凡庸人)>とのダイナミックな精神統一体。<大衆>が支配する現代社会で「自己の姿を実現」するには・・・「自我」&「環境」という【条件(データ)】を前提に・・・

  • 年をとってきたのか最近エキサイティングなことがあまりない。これは私個人に限ったことでなく世の中全体の風潮のようにも思える。我々は欲しいものはほぼ手に入れこの期におよんでこれ以上を何を望んでいいのかわからなくなってきたのではないか。かつて待望していた便利な「夢の」未来世界は既に訪れてしまった感がある。この状態はオルテガの描いた何を目指すのかというビジョンを喪失した大衆社会にそっくりだ。大衆はもはや便利になってしまった世の中でそれを当然のように使い消費するのみだ。遺産を食いつぶすだけの存在だ。これはかなりヤバい状態になってきているにもかかわらずどうしようもないというのが今の自分の気持ちでもあるしオルテガのこの著書を支配するトーンでもあるように思える。

  • そうねえ、テレビやネットで言われてること鵜呑みにしちゃだめよねえ…くらいは考えさせられる本です。あの、面白いです。

  • 名著。

  • 近代になって誕生した大衆の出現や進歩主義を批判、精神の貴族たれと説く。

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