- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425027
感想・レビュー・書評
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ちょっとした手紙を書くのにもPCで下書きをするくらい、カット&ペーストなしには文章が書けない。構成できない。恐らく、道具が紙とペンしかなかったであろう時代の文章を読みたくて、全集を1冊ずつ制覇中。文章に何とも言えない湿り気がある。作家が文机に向かってガリガリ書いたであろう体温や匂いが伝わってくる。収録作で一番は「枯野抄」。文章の流麗さに参りました。
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上手く言葉にできないけれど心に渦巻く感情を、まさにぴったりな表現で言葉に織りなしてしまう凄さがもう……
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どれもこれも、本当に面白い。取り分け地獄変、魔術、蜜柑がお気に入り。
ただ、いずれも人の業を突きつけられている様で、読後ふと我に返ったとき、暗い穴の中を覗き込んだ様な心持ちがする。
あと、鼻を顎に読み変えると、完全に「俺のことかーッ!?」状態になる。
茹でても縮みませんので、悪しからず。 -
「鼻」というのはやっぱりペニスのことだろうと思う。禅智内供が「湯屋」に通う僧侶たちの「鼻」を観察しながら、思わず自分の「鼻」を触って「年甲斐もなく顔を赤らめ」るところとか、茹でた「鼻」を若い坊主に足で踏まれて「気もちのいい」と感じちゃうところとか、同性愛の匂いがぷんぷんする。『河童』にも男色を嗜む河童が登場して「男色は超人的行為である」とのたまうところがあるし、どうも芥川はソノケがある文学だと思う。ドノンケの谷崎なんかと比べると、なおさらそう感じる。
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『手袋』収録。素晴らしく美しい詩。
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サウンド文学館・パルナス「トロッコ 蜜柑」 朗読:米倉斉加年
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蜜柑が久しぶりに読みたくなったので。
或る阿呆の一生も好きです。
12.07.25 再読
地獄変ってこんなにも美しい文体だったでしょうか…!
語彙の豊富さに圧倒されます。
11.01.15 -
トロッコ(1922年2月)
蜜柑(1919年5月)
お辞儀(1923年9月)
鼻(1916年1月)
芋粥(1916年8月)
地獄変(1918年4月)
藪の中(1922年1月)
杜子春(1920年6月)
奉教人の死(1918年8月)
開化の殺人(1918年6月)
魔術
ひょっとこ
玄鶴山房
枯野抄
河童
或阿呆の一生
発句
詩
・山吹
・相聞一〜三
・手袋
・「となりのいもじ」より酒をたまはる
・船乗りのざれ歌
・夏
・戯れに(1)(2)
解説 安野光雅