とりつくしま (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.47
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本棚登録 : 2104
感想 : 221
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428295

感想・レビュー・書評

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  • 本の帯に「大好きな人に今すぐ会いたくなる本No.1」「やさしさに包まれながら号泣してしまいました」と 書いてあり、即購入したけれど、期待が大きすぎたせいか、少し物足りなかった。
    一度命を落としたあとに、もう一度だけ会いたい人に会えるからといって、無生命体にとりつくことがその人のためになるのかどうか…
    自分がいなくなった後のことを知って、落胆することも多い
    悔やんでも悔やみきれないことは もう一度という言葉は存在しないと思う

  • 短編であっさり読み切れた。
    亡くなった人が物に取り付く話、どれもうまく書かれてる。

  • 自分が死んだ後、何かに魂を移せるとしたら…
    考えようによっては年月とか本音が出て残酷な感じだけど、これは優しい気持ちになれる話ばかりで良かった。短くて読みやすい。桃子さんの話が一番好き。

  • 2017.9.3「本嫁の会」にて紹介。

  •  死者の視点から見た、残された者たちのその後の物語。ありそうで、意外にない設定だな~と思ったのが最初。で、読んでいてとても嬉しいような寂しいような、苦しいような気持になった。

     自分にとって大切な人たちは、その後の人生を歩んでいて、そこには自分はいなくて、自分の意思が介在する余地は無くて。無視されているというか、何もできないもどかしさがあって、それが辛い。

     もし私が死んで、とりつくしまのチャンスが与えられても私は活用したくない。その後を生きている人の干渉をしたくないし、見たくもない。忘れてもらっても構わない。ただ、少しでも生きてほしい。読んでいてそう感じた。

  • わたしはとりつかずにいきたい。

  • 1話目はうるうるしながら読んで、読み終わった後、じーんとしていました。その他の話も似た感じかと思ったら、話によっては怖くて…。。。でも、どのお話も心に響きます。

  • ちょっとホロリとして温かい気持ちになれるような本が読みたいなと思って選びました。
    しかし。一般的な感覚と私の感覚がズレているのでしょう、はっきり言ってゾッとしました・・・

    死後、モノになって言葉も発せず自分の意志で動くこともできず、ただ世界を見つめるだけの存在。
    大切な人の思い出のマグカップになって生活を見守っていたら大切な人が新しい恋人を連れてきたり、母の補聴器になるも投げ捨てられたり・・・

    いつまでモノでいられるって明言されてなかったと思うんだけど、モノ自体の寿命が尽きない限り永久的にだったら。怖すぎる・・・
    そういう意味では一番最初の「ロージン」が私の中では一番しっくりきたかな・・・私も消耗品がいい。

  • 死んでしまった後、何かモノにとりつくことができたとしたら、私は誰の何になりたいかな。
    どの作品の死んでしまった人たちも、悲しいとか苦しいじゃなく、淡い諦めと共に、温かいものに包まれているような穏やかな気持ちになるところが好きだった。

  • 2017.07.07読了

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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