- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480429018
感想・レビュー・書評
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あらすじを書くのが難しい作品。ストーリーを追うと言うより、物語が1つの絵のように広がっていて、その絵の細部を順々に見ているような感覚を受けました。
舞台となる洋館と広大な庭は、まるでフレスコ画のような古びた美しい景色を思い起こさせます。
一転、登場人物たちはどことなく醜い。優美なドレスに身を包み、美酒美食にふけってぶくぶくと太る館の住人たち。高慢な女主人。優雅な生活の影で仕事に押し潰され、苛立ちを募らせていくめしつかいたち。彼らの姿はとても生々しく人間らしい。宗教画の人物のような、よく見るとぞっとする表情に似ていました。
冬の花火、人形の部屋、そしてラピスラズリと、雰囲気あるモチーフが次々と登場して世界観にのめり込みました。読了後もぼおっと物語の世界にふけってしまう、そんな精密な言葉で構築された作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芸術作品としての小説とはこういうものなのだ、と思いました。わたしの浅い読み方では内容を理解するところまで至っていないのだけれど、美しく、複雑な模様の織物を見せていただいた気持ちになりました。
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2012年1月10日、初版、並、カバスレ、帯無。
2014年7月1日、津BF。 -
初読。初山尾作品。タイトルだけで買ったけど、思っていたよりきらいじゃない。でも苦手かもしれない。全部は理解していない。「トビアス」と「青金石」が特に。漠然と、完全な異世界の物語と思ってたら違ったのが意外だった。繰り返し読むと、あの一言はこう言う意味だったのかって分かる瞬間がある。繰り返し読まないと自分にはあらすじすらなかなか追えなかったし、今でもよく分からないんだけど。個人的には「閑日」がすきかな。
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寒々しい雰囲気に冬の夜に読むのがいいかと。
ただ、独特の世界観のせいか、集中するのに時間がかかってしまった。 -
好きなタイプの話かと思ったけど、読みづらくて話も入ってこなかった。
残念ながら合わなかったみたいだ・・・。 -
文章の美しさはわかるけど本としてはどこにも引っかからなかった…幻想小説ダメなんだなあとほん。残念。