- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480429018
感想・レビュー・書評
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正直なにがなんだかわかりませんでした。だけど美しく物悲しく生と死がふわふわと時にはがやがやと織りなす調べにただ身をゆだねるのも読書の悦楽でしょう。それで充分満ち足りてしまったのですが、そんな読み方でもよいでしょうか?
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始めの1ページ目を読んで、5☆と感じた。読みたいと思っていたような文章。第1編が思ったよりも短編で、続く2編は連作かと思われたが、ふと息を抜いたところで全体が見え難くくなって結果分からず仕舞い。全体の雰囲気が安定していて、明確な世界の雰囲気に他の作品を是非読んでみたいと思った。
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難しかった。
一文一文は美しいのだけどなにを言っているのか、どこに話が向かっているのかわかりにくかった。
解説の、「でもね、小説らしい小説とは、物語の安易な説明や世界観の自動化にまったをかける小説のことではないかと思うのです。」という言葉が印象に残った。 -
どこか、微かに反発を覚えるほど見事。
あまりにも…で、…とか…と思いつつも、夢中になってしまう。 -
文章は美しくうっとりとするものなのだが、読み物としてのスムーズさ、というか親切さに欠けているので、こういった散文的小説に慣れていない向きには多少つらさが感じられる。
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あるサイトで「幻想小説おすすめ第1位」だったので読んだが、文章がわかりづらくて挫折。この手の構成に慣れていれば読めるのかもしれない。そして「幻想小説」で澁澤龍彦の著作(『うつろ舟』など)のようなものを期待していたが、これはどっちかというとファンタジー。
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綺麗な作品だとは思うのですが、内容が難解。
登場人物が次々に変わるので、読んでいるうちに「今誰の話をやってるの?」となりました。
冬眠者、使用人、人形、ゴースト、春の目覚め。
寒々しいイメージが重なりあい、絡み合い、幻想的な美しさを醸し出しています。 -
「画題をお知りになりたくはありませんか」
<冬眠者>のお話。読んでいてそのシーン一つ一つが、頭に浮かんできた。
ただ、場面が細かく移っていくため、一読で理解は難しい。導入部は不思議な世界観で、サクサク読める分少し残念。
また期間をあけて、読み返してみようと思う。 -
絹のような手触りの硬質な文体で綴られる冬眠者をめぐる幻想的な連作短編物語。
全体的に色は表紙と同じ褪せたような赤紫が基調で渋さが増している。
幻想的なとは言ったが、登場人物たちは意外と世俗的でわがままであり、傷つきやすくもある。
冬眠者を描いた絵画のお話。
冬眠中に目覚めた少女がゴーストに出会い屋敷を冒険する話。
冬眠者たちが眠りにつこうという秋にお屋敷で起こる事件。
日本の冬眠者の末裔の少女の話。
誰もいなくなったお屋敷のその後。
時も場所も飛び越えて綴られる冬眠者たちの物語は創作意欲を駆り立てるものがある。
冬眠者という設定をもとに空想の翼が広がる。 -
さらさら溶ける感じ。物語の内容より雰囲気。伝承をまとめる途中で本来の意味や寓意をなくしてしまった物語。