生き延びるためのラカン (ちくま文庫 さ 29-3)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480429117

感想・レビュー・書評

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  • ラカンは難解、とは思っていたけれど、わかりやすく読めました。
    これがどこまで自分の身になったかは、わかりませんが・・・。

    p.14
    いうまでもないことだけど、言葉に実体がない。つまり、言葉は空虚だ。その空虚な言葉でできあがっている僕たちの心も、本当は空虚だ。僕たちが互いに語り合えるのは、言葉を共有しているから。言い換えるなら、おなじ空虚さを共有しているからなんだ。

  • すごく面白かった。ラカンの概念が初めてすっと頭に入ってきた気がする。
    言葉の世界としての象徴界。イメージ(それがかなり身近である)の想像界。不可触な現実界。
    鏡像段階と想像界の優越。ファルスとしての象徴界。
    欲望の原因としての、不在の対象a。享楽と快感原則。

    ここらへんの概念の理解をより厳密に、深めるために別の本に進みたいところ。
    あと、己の欲望を自覚せよ、というメタメッセージを受信した。

  • 精神分析は、やっぱりよく分からない!

    で、どのへんが「生き延びるため」なの?

  • 学生の頃、ラカンの入門書を何冊か読んだ。結局、何も理解できなかった。

    ソシュール研究で有名な丸山圭三郎も、『エクリ』の原書を読んで意味不明だったと、どこかに書かれていて、そんなものかと思っていた。

    ラカンの入門書は、「今度こそわかる」「初めて理解できる」的な煽りが多い。要は、理解できないのである。

    本書を読んでみた。「日本一わかりやすいラカンの入門書」らしい。

    いろいろ比喩が出てくるのだけど、それがいちいちわからない。論理的飛躍というのではない。何がどうなっているのかがわからない。

    精神分析の門外漢であることもあり、よけいにわからない。ラカンだけでなく、コフートとかも読んで理解できないから。

    去勢不安とか、精神分析にもう少し馴染んでから読めば、少しは手ごたえを感じられるのかもしれない。

  • 一旦整理するために読んだ、ありがたかった

  • ラカンのエディプス・コンプレックス解釈について理解するために読了。
    堅苦しい口調ではなく、知人に語りかけるような話し方でラカンの精神分析について説明されている。
    そのため、比較的読みやすく、またその内容についても(正しいかは不明だが)理解しやすいように感じた。

    内容についてはウェブ上の連載(https://www.cokes.jp/pf/shobun/h-old/rakan/01.html)と同じように見えた(未検証)。

  • 2022/06/26
    図書館の期限切れで途中まで。面白いし斎藤環さんの普段のひきこもりの本よりとっつきやすい。ちゃんと読まなきゃ

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  • 世界一わかりやすいラカン本。文体が砕けすぎてるのは好み次第か。対象aに対して「この場合はお金」みたいな具体例を出すのは余計理解を混乱させている印象。

  • P.122
    「フェチの多くは、女性をモノとしてあつかうところから快感を得るものです。それゆえ、女性の立場からは不愉快としか思えないフェチも登場するでしょうが、のこはひとつ大人になって、笑ってみのがしてください。」

    男性中心主義的思想が過ぎて読むに堪えなかった。ラカンの思想を理解するものとしてはいいかもしれないが、解説書として時代にそぐわない。不愉快な感情をなぜ女性が我慢しなければいけないのか。この本の読者は男性だけではないはずなのだが。

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著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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