通天閣

著者 :
  • 筑摩書房
3.33
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本棚登録 : 1081
感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480803993

感想・レビュー・書評

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  • 通天閣そばで暮らす、工場勤務のしがないおっさんと、失恋しかけててスナックのチーフをやってる女の子の話が交互に出てくる。

    おっさんが昔子連れと結婚していたこと、工場の新入りの奥さんが臨月なこと、食堂のぽっちゃりさんが気になること、女の子の勤めるスナックの面白スタッフ、立ちんぼのおかまのおっさんが世をはかなむこと。

    いろいろ面白い出来事があるんだけど、最後は泣いた。
    笑いながら泣いた。おっさんがステキすぎて恋してしまう。

  • 2013/12/2
    読了。読んで良かったと思える本に出会えたシアワセ。感謝。

  • ちょっと思い当たる等身大の"素"…ここまで酷くないか!?。身近すぎて見落としている何気ない様々な着目点と、独創(独走!?)する人物造形の世界、、小さな笑いが小気味良く、切ない直情のエレジーが絶え間なく一人歩きしていく…追いかけるのに夢中になってしまった。ラストは通天閣の脚下の気さくさと暖かさ!しゃあしゃあと道標を記す。二人の接触はさりげなく肩透かし…憎いなぁ♪

  • 汚くて気持ち悪いし痛いし暗いんだけど、面白い。この西加奈子の世界は癖になる。勝手な人達に振り回されながらニヤッと笑え、最後のとても丁度良くヌケた感じが素敵。バランスが絶妙。

  • ★1.5

  • 「円卓」や「漁港の肉子さん」などの西加奈子さん作品が好きなので、ちょっと最近の作品はしんどいなと思い、過去作品を読みました。とても西加奈子さんらしい言葉が多く散りばめられていて、共感がいっぱいあり、やっぱり西さん作品好きだなと思いました。

  • 人生の縮図

  • 西加奈子は、初めて読む。
    痰やらヘドやらの描写は、正直キツかったけど、物語の展開が落ち着いた先は、清々しくホンワカと心に温まるものだった。
    主人公の男の報われなさも、偶然の為せるワザで、幸せを祈った昔の義娘を救うことになる。そこまで読んで読者は報われた気持ちになれた。
    そして、自殺者を救うことで主人公も何かを得た。
    自分の人生を貫く勇気を得たのだ。

  • 「涙がとまらなかった。しかも
    私のこの涙はむくわれないと思うと、ますます悲しくなった。私が泣いていることなんて誰も知らない。皆自分のことに夢中で、夢中になっていることは本当につまらないことで、そしてまた明日を待っている。」
    誰かのことを心配やとか、好きとか、腹立つとか、自分はこんなけ思ってんねんけど!って思うほど、人は自分のことなんか全然考えてへんし。多分それは自分も誰かに対して同じことやけど。やからこそ、「だれかから」を待っとってもしょうがないから「自分から」にせなあかん。やしその後のことも全部自分で納得さしたらなあかん。それでもそういうことに気づくきっかけになるんは誰か自分じゃない他の人の行動や言動やったりするから、人は一人じゃ面白くないなって思う。

    大阪で働いてたときを思いだす

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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