通天閣

著者 :
  • 筑摩書房
3.33
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本棚登録 : 1080
感想 : 204
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480803993

感想・レビュー・書評

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  • 40代後半の、毎日同じ生活をする男性と、20代後半の、彼氏と遠距離恋愛しているけれど、最近彼から連絡がなく。という2人の視線で物語は進んでいきます。

    テーマは愛そう!か、愛せ!だと思います。

    単調な毎日かもしれない。最悪な日なのかもしれない。でも、誰かを愛せたら、自分の人生を愛することが出来たら、そんな単調な毎日も、素敵な毎日になるかもしれない。

    そして、この本を読み終わってから、WEST.の「アンジヨーヤリーナ」という曲が頭から流れてきています。

  • 男と女、それぞれの主人公が交互に描かれている。
    この二人が、どう繋がるのか、繋がらないのか?読み始めは分からなかった。
    とても人間臭くて、共感する部分もあり、生きていく辛さを感じながら、でも頑張ろうと思ったり。
    読み進めていくと、この二人がだんだん重なりあっていき…
    最後は一気読み。
    あー、そうなのか!と。
    希望が見える終わりで良かったです。

  • 最初から最後まで見事に毒づいているのが
    痛快といえば痛快
    そうやってどんどん吐き散らせばいい
    そうでもしないと心の均衡が保てないほどの環境と情緒なんだろう

    ずっとタクシーの列を見張ってるジジイは、ずっと列を見張ってなきゃやってられない
    タッチさんは、立ちんぼをしてなきゃやってらんない

    そうしなきゃやってられないんならそうすればいい

    みんな自分が居なくなっても誰も悲しまないと思いながら、それでもどうにか「こなしてる」

    毒づきながらも、自転車を押しながら見た先の通天閣は誰でも平等に見えるはずで
    そこには、ちょっとした感動物語が待ってるんだ
    オチ付きで(笑)

    そうやって泣き笑いしながら
    時間を紡いでいけばいい

    「そうだ、それでこそ、お前の人生だ。」

  • うまい
    おっさんの描写がなんで、こんなにうまいんだろう。
    陰気で気持ち悪い話だなと初めは思ってたが
    感動してしまった。

    愛されるのを待っていてはだめ。
    愛すのだ。

  • マメにしがみついている雪がせつなかった。あてつけのように、夜の仕事で頑張っている自分をアピールしたい気持ち、共感できた。男女二人の物語がこうなっていたとは!誰もが愛されたいと思っている。愛されるよりも愛する人間になれたら幸せだと思った。

  • ネイティブ大阪弁で繰り広げられる、情けなくもおもろい人たち。おっしゃ、わても、がんばるでぃ。

  • うーーん。
    淡々とかなりくらい暮らし振りが続くので
    結構読み勧めるのがつらかった作品です。
    ただ、ためてためて最後に通天閣で発散させる
    とこと女の子の主人公の働く飲み屋さんの
    はちゃめちゃぶりは面白かったです。
    主人公の男、無関心を装ってる割には、
    結構よい男でした。

  • 旅の贅肉も2kg落ちましたが、今宵も宅呑みしてますw

    ってな事で西加奈子の『通天閣』

    率直な感想は、思ってたのと違ったw

    加奈子ワールドを期待し過ぎたのか……。

    タイミングが悪かったのか、ちょっと響かんかったw

    ダーク過ぎるかなぁ、ラテン系のわしには合わんかった(笑)

    もっと、楽しく生き抜きたいね♪

    2016年42冊目

  • 西加奈子さんらしい気がした。
    どんな人間がいいとか悪いとか、誰にだって事情がとかあんな人でも良いところもあるとか、そういう説教みたいなものじゃなくて、ただそれぞれの人間がありのまま描かれててそれを否定も肯定もしないというか、それぞれのペースに任せてる感じ。
    人が変わるチャンスやきっかけ、それをどう受け取るか全部各個人に任せてるように見えた。そしてどんな結果でも受け入れるような感じ。

    私もそんなふうに生きていこうと思った

  • 頑張らないでいきること。
    心で思っていることと生きるためにとる行動は違う。
    否定しても拒んでも、人間は他者とのコミュニケーションで刺激をうけ、変化する。どんな人生でも喜びがあるし、変われるきっかけがある。
    うまくいかないこともひっくるめて人生を謳歌したい。
    頑張らないで生きるのは性に合わないとも感じた。自分達の子供はどうなのか。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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