未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II
- CCCメディアハウス (2012年5月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784484121109
感想・レビュー・書評
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イノベーションを生み出すのに必要な6要素を
「イノベーションエンジン」と称し、その重要性を説いた本。
6要素とは内部が「知識」「想像力」「姿勢」。
そして、外部が「資源」「環境」「分化」であるが、
外部の特に環境の重要性を感じる。
これら6要素を体系的に結びつけて活かすというよりは、
まずは概念的に理解した上で、
それぞれの要素を個別に意識して取り組むという
個々人の意識改革がイノベーションを生み出すには重要なのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタンフォード大学の集中講座第2弾はクリエイティビティについて。
リフレーミングやゲーミフィケーションなど、クリエイティビティを発揮するための方法や実験例など。
イノベーションのエンジンは
・知識・想像力・姿勢の3つで構成。
知識は想像力の燃料であり、想像力は知識をアイデアに変える触媒、姿勢はイノベーションエンジンを動かす起爆剤。
一番印象に残った言葉は、想像力というのは記憶を新しいアイデアにかえる能力なんだという話。
記憶力を失った人は未来のビジョンを描くことが出来ないという証拠があるらしい。そうなのかー。
クリエイティビティというとどうも自分の仕事と直接関係ないような気がしてしまうけれど、この3つがあればどんな場面であっても発揮できる場ってあるのかも。 -
読みやすい本の構成だった。 各章が適度な長さで、そろそろいいかなと言ったところで結章する。 理解もしやすかった。 別の見方をすれば、この本は途中の章から読み始めても、理解できる本であると言うことかも知れない。
内容はというと、 比較的言い古された格言を作者の身近な経験をもとに判りやすく解説しているともいえる。
「失敗は正しくやりなおすチャンス」 = 失敗は成功のもと
「好きこそものの上手なれ」 どこの章かは忘れてしまったが、、、確かに書いてある。。
ならば、新しいことは書いていないのかと考えると、そうともいえるかもしれないが、なぜか内容には新鮮さがある。 おそらく今の生活、仕事に近いところに事例をもってきているからだろうと思う。 読み進めながらインセンティブをもらい、そのうちに あ、あの格言のことだな と気づく。 いろいろな切り口から分析を進めると、やがてその基本原理に行き着くのだな と改めて認識したような気がする。
イノベーションエンジン、要素として文化、環境、資源 という外部から供給される要素は、今の日本には豊富に揃っている。 私たちはかなり恵まれた場所にいるのだと思う。 ゴミ箱にだって資源は揃っているのだから、、、
だとすると、私たちに足りないのは、その内側にある 姿勢、知識、想像力??
いま、会社でビジネスモデルのアイディアを募集している。 応募はしたものの、具体性に乏しくどうしようかと迷っていた。 この本を読み終えて、それでも恐れずに提案してみようと言う気にさせられただけでも、この本の価値をもらえたと思う。 -
クリエイティブな能力は生来のものではなく、観察し、組合せ、創造する力は鍛え高める事が出来る。等々、参考にはなったが、内容は想像の範疇を超えない。
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いわば発想法の一つととらえた方がよく、
世の中の流れを分析して新しいことを考えようというものではありません。
ヒラメキは大事だと思いますが、その前段である「何に取り組むか?」という点がもっと重要だと思うのですがいかがでしょうか? -
すべての言葉に惹きつけられました。読んでいるだけでワクワクが止まらない。なんて素晴らしい本なんだろうと思いました。スタンフォード大学で実際に講義を受けている人が羨ましい。学生の頃に出会っていれば、悩んでいたことがウソのように解決できたなーと思います。
けれど、今からでも遅くない。組み合わせる能力、創造する力、観察する力は今からでも鍛えることができる。昔の自分を超えるように、日々の努力を行っていく。 -
現時点で平均★三つの評価だが、イノベーションや創造性について、平易さと学術性のバランスが冴えていると思うので、高評価しておいた。
●知識、想像力、姿勢、資源、環境、文化がイノベーションにかかわる要素。
●想像力
・見方を変えること。なぜと問うと変えやすい。
・グラミー賞も受賞したジョシュア・ベルは、普段何百ドルとするコンサートとおんなじ内容を駅構内でやったら、32ドル17せんと。しかもベルと気づいた人は20ドルだけ。
・びすぽーく社は、義肢をおしゃれとみなして大儲け。
・スタンフォード教育大の援助で、サンフランシスコの高校歴史授業で、「活動する歴史家」ごとく、生徒はある時代に生きた人々の手紙や古地図などの素材を渡され、それを読み解いていく、というスタイルの授業をとった。普通の授業より成績は優れていた。
・アイデアをアイデアと結び付けること。
・TRIZ発想法
●知識
・観察力を磨くこと:ワイズマンは、不運なグループに、新たに成功のチャンスを与えた。新聞紙の中ほどに、大きな文字で、「試験官にこの但し書きを読んだことを申告し、250ポンドもらってください」。申告した人は一人もいなかった。不運な人は、観察ができなくなっている。
●環境
・空間
・制約
・インセンティブ:ごくまれにしか評価をしないと、その評価直前に頑張るだけになってしまう。頻繁にフィードバックがあれば、そういうことにはならない。ゲーミフィケーション -
前作がよかったので今回も購入。
昔は自分は想像力のある人間だと思ってたのだけれども、就活の時にそうではないと思い知らされた。けど、これを読んでいろいろアイデアを思いつく方法はいろいろあるのだと知る。
それと、著者がある時いきつけの食料品店の天井をみると、そこにはオブジェがあるのに気づき、店員に最近できたのかと尋ねると開店当初からあったと笑われてしまった。と書いてあったけど、これは自分にも経験がある。バイト先のスーパーの上に食料品の絵画が飾られていて、最近リニューアルしたからその時につけたのかなと思って尋ねたら前からあったと笑われた経験が・・・。普段から、観察力を身に着けたいものです。 -
創造性への対峙の仕方は欧米人と日本ではDNA自体が違うように思い、自身はどうしても直観的なアプローチを取ってしまいます。しかし創造性は鍛えることができるというプラグマティックな取組提示には感心します。一読をお勧めする著作です。
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著者のティナ・シーリグ氏が前の著書『20歳のときに知っておきたかったこと』刊行に合わせて来日した際、彼女の講演を少しだけ聴く機会がありました。
“ひとことも言葉を発せずに、誕生日順に一列に並んでください”という課題が出され、まさにこの『未来〜』に書かれているとおりに、指を使って自分の誕生日を伝え合いながら整列、結果はでたらめ。その教訓は、「人はたいてい解決策を思いつくと、最善だと思えなくても、それにこだわるという落とし穴にはまってしまう」。
個人的には、第4章の観察力について、第5章の空間についての内容を楽しく読みました。