川に死体のある風景 (創元クライム・クラブ)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 210
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012151

感想・レビュー・書評

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  • なかなかに豪華な作家陣によるミステリ・アンソロジー。
    佳多山さんだけ読んだことがない作家さんだったのですが、他の作品も読んでみようかな。
    本編よりも、あとがきか何かに有栖川さんが書いていた、「考えている間にオフェーリアがどんどん流されていった」みたいな文章が何故か記憶に残ってます。

  • 「川と死体」がテーマのミステリ・アンソロジー。綾辻行人の「深泥丘」シリーズの話はホラーだけどミステリ要素も入っているのが好き。全体的に満足。

  • 図書館にて。
    作家陣が面白そうだなと思って借りてみたけれど、やはりなかなか良かった。
    1作目の『玉川上死』(ダジャレ?)はさすがのトリック。『悪霊憑き』は振り返ってみれば単純なないような気がしないではないけど、引き込まれた。ラスト『桜川のオフィーリア』は切ない美しい作品。個性的な作品ばかりで楽しめた。

  • 『川と死体』をテーマにしたアンソロジー。こう言っては不謹慎かもしれないが、川を死体が流れていく、あるいは川に死体が浮いているというのは、とてもイメージしやすいと思う。それを6人の作家が描いているのだが、肉付けの仕方がバラエティーに富んでいて楽しめた。川にもいろいろあり、死体が流れるわけもまたいろいろある。そしてその死体を目にする者にもまた『生きている者』としてのドラマがあるのだと改めて気づかされた。

    <収録作家>
    綾辻 行人,有栖川 有栖,歌野 晶午,大倉 崇裕,佳多山 大地,黒田 研二

  • (収録作品)玉川上死(歌野晶午)/水底の連鎖(黒田研二)/捜索者(大倉崇裕)/この世でいちばん珍しい水死人(佳多山大地)/悪霊憑き(綾辻行人)/桜川のオフィーリア(有栖川有栖)

  • 「川に死体」というくくりだけだけど、いろんなバリエーションがあるものだなあ。でも大倉さんのはご本人もあとがきで書かれていましたが、「川」より「山」が思い浮かびますね(笑)。
    お気に入りは当然綾辻さんなわけです。ホラー幻想テイストだけれど、ミステリとしての要はきっちり。でも書かれなかった「川ミス」がものすごく読みたいの、私だけじゃないよねえ。
    黒田研二さんの「水底の連鎖」も好き。不可解状況という点では一番魅力的でした。

  • 急流を押し流されていく顔の潰れた男、淀みに漂う全裸の女・・
    この人物は誰なのか?なぜ死んでいるのか?と次々に膨らむ想像・・
    川とミステリーはとてもよく似合う。

    『川に死体のある風景(略称・川ミス)』を題材に、六人の作家が競作した短編集。


    川に死体、確かにミステリーにうってつけのシチュエーションではないですか。
    サスペンスドラマにもちょくちょく登場するシーンですね。温泉客が川に転落とか、つり橋から落下とか・・崖の上での犯人告白ぐらいお似合いです。

    そんな題材で、歌野晶午・黒田研二・大倉崇裕・佳多山大地・綾辻行人・有栖川有栖の六人がそれぞれの趣向を凝らして書きあげた作品集です。

    川の流れに任せ流れていく死体。若い警察官がおろおろと後を追い、思はず「止まれ」と声をかけて赤面する。死体に呼び掛けてどうする・・しかし、死体が応じたように止まった。しかもむくむくと起き上り声をはっした「僕のことですか?」

    トップバッター、歌野さんの『玉川上死』。
    死体がある現場には似つかわしくないちょっとユーモラスな警官のあわってぷり。しかも、死体だと思っていたものが動いて度肝を抜かれる・・読み手も驚かされました。なんせ『川ミス』なんですから、流れていくものは死体と頭っから信じてしまいましたからね。実は高校生の悪戯だと判明する。じゃあ死体はどこに?この後
    彼の同級生二人が河原で死体となり見つかるわけです。
    短編なので、あまり凝った仕掛けは使えないのですが、その中で歌野さんの作品が一番おもしろかったです。冒頭の逆転の発想からそうですが、なぜ?についてきっちりオチをつけてくれました。他作品は動機付けがちょっと弱いような気がしたのですが、これは納得できましたから。

  • 面白い作品が少なかった。

  • 「川と死体」という題材でこれほど違った作品ができるとは思いませんでした。
    6人6様の物語で楽しめます。
    そして、6人のあとがきも面白かったです。
    トップバッターの歌野晶午著「玉川上死」は虚をついた始まり方で面白いです。
    ただ、話が後半で急に展開し、いきなり出てきた人物が推理披露をしたことに違和感を感じました。
    どことなくバラけたように感じました。
    話自体は面白かったです。
    綾辻行人著「悪霊憑き」はしょっぱなからあの有名な古本屋の決め台詞が出てきて、「うはぁ」と思ってしまいました(笑)。
    作中には古本屋の著者の名前が出て、「うはは」と思ってしまいました(笑)。
    話は変化球な感じで、どうなるかなぁと思っていたんですが、結末はきちんとミステリに仕上がっていました。
    有栖川有栖著「桜川のオフィーリア」は学生アリスが登場してきてビックリです。
    「あとがき」でこの作品は江神二郎シリーズ第4長編への助走のようです。
    江神二郎シリーズで自分が読んだ作品は1つだけで、しかも長編ではなく短編。
    「月光ゲーム」「孤島パズル」「双頭の悪魔」は読みたいんですが、いまだに読めていません。
    満足度は★★★★☆。
    1冊で6人6様の「川と死体」のミステリを読めるのはお得です。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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