双頭の悪魔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 2-3)
- 東京創元社 (1999年4月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488414030
感想・レビュー・書評
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香りを想像しながら読むのが風靡でよかった
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古い作品だし、面白いけど読みにくい、時代の古さを感じるパターンかな?と思いつつページをめくって行ったら、そんなこと微塵も感じず、とにかくよくできてる作品だった。トリックとかロジックもなんですが、何より登場人物の心の機微が良かったなぁ。
前作も、この次も読んでみたいと思ってます
2019.6.25
98 -
孤島パズルの最後のマリアがとても気になっていたのでこの本を読み始めて少しホッとしました。しかしこの厚さ!持っていて重いほど。なのにこれを一気に読ませてしまう筆力はさすがだと思います。マリア視点が最初読みにくかったのですが慣れてしまえばこれもなかなか。理詰めの推理も納得いくもので自分でわかった部分も多くてとても満足でき、楽しめました。でも一番心に残ったのは江神さんへの予言です。作者が長編5冊短編集2冊って決めてるのはこれも関係してくるんでしょうか…。本当に先を読むのがもったいなくなります。
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作者は、推理小説に必要なのは「トリックよりロジック」と語ったという。それを具現化したのがこの本。丹念に理詰めで細かい可能性を潰していき消去法でこれしかないという結論をくだす。
その過程はふむふむなるほどとなるのだが、アクロバティックなどんでん返しがあるわけでもなく名探偵のすかっとする犯人当てがあるわけでもない。 -
『色んな人と色んな話をして、私というがら空きの本棚に一冊ずつ本が並んでいくような、そんな気がするのです。』
「舞踏家になる、という夢はどうなるんですか?」
「舞踏家という言葉には『踊る者』という意味しかありません。いつでもどこでも、私は踊れます」
『私自身の孤独。私自身の弱さ。私自身の迷い。私自身の狡猾さ。私自身の傲慢さ。そして私自身の輝き、私だけのもの。』
「犯罪者は芸術家でしょうが、探偵は批評家にすぎません」
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タイトルがすべてを語っている・・・
さすがです -
シリーズらしいが前作2作は読んでいないので少し意味が分からないところがありそれが残念。
話の展開も、
トリックも、
動機も、
すべて良かった。
大体こういう長編はラストはこじつけが多いけどこれは違ったので読み終えて爽快!てな感じでした。 -
学生アリスシリーズ第三弾。アリスとマリア、章ごとに2人の視点で交互に物語は進んで行く。マリアの父の依頼により、マリアを連れ戻しに、四国のとある閉鎖された離島に向かう推理研の4人。しかし、その島への侵入に成功したのは江神さん1人。そして、離島、アリスのいる本島。2つの場所で殺人事件が起こってしまう。
今回は、マリアの視点が入ったことが新鮮だった。そして、アリスが織田や望月と力を合わせながら事件解決に向けて活躍することも嬉しかった。江神さんの素性が少し語られる場面も。
残念ながら、今回もうまく推理することができなかった。伏線に注意しながら読んでいったのにな。。自分も、美大出身で今もクリエイティブな仕事をしている身なので、芸術家には少なからず親近感を感じている。今回の舞台のモデルは、香川の直島かな?と思った。
マリアとアリスも少し近づいたかな。続編も楽しみ! -
なんとなく社会派とかハードボイルドとかの要素がない
日本語で書かれたミステリを読みたくなって買ってきて読む
19年ほど前の作品だが舞台背景に変わらず作品の仕掛け自体既に古典の趣き
この種のミステリはコナンでも金田一でもなく『NERVOUS BREAKDOWN』の絵で再生される
ああいう絵での表現がこの種の作品には合っていると単に感じるからだが
解説は力作で納得させられる