- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532260026
感想・レビュー・書評
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石田衣良の傷つきやすくなった世界でを読みました。R25に連載されていたエッセイを一冊にまとめたものでした。石田衣良の視点には共感できるものが多く、小説が面白いと感じるのはこのようなベースがあったのか、と思ってしまいました。R25世代の若い男性たちに対する応援歌が書かれていて、あっという間に読み終えてしまいました。やはり、なぜ日本の男性たちはこんなに毎日遅くまで仕事をしなければならないのか、という問いかけに反応してしまいます。みんな気持ちに余裕がなくなっていて、恋愛などもできない状況になってしまっていて、他人に寛容になる余裕もなくなってしまっています。やはり日本は「傷つきやすく」なってしまっているのでしょうか。
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19時台のバラエティを見ていたら、石田衣良が出ていて(そして完全に空気で)、 「この人けっこういい声してるんだなぁ」とか思いつつ、夕食後になんとなくこの本を読み返していたら、
21時台の臨時番組で福田首相が辞意を表明していて、びっくりしました。
だってこの本に、安倍さんが辞めたときの話があって(「ミステリー辞任、KY辞任」)、「日本の首相はよほどつらい仕事なんだろうな」とか、総裁選どうなるんだろうね、とか、読んだばっかりだったから。
福田さんも、こんな風にとつぜん辞めるって言いだしちゃって。
話を聞いていたら、なんか与野党のすごいしがらみがいっぱいあるんだろうなということはわかった。総理大臣が中間管理職みたいで泣ける。
小泉さんの自分大好きパワーってすごかったんだなぁ。
本題。
この本は、石田衣良がフリーマガジンのR25で連載していたエッセイをまとめたものの第2弾。ちなみに第1弾は読んでません。
ちょっと前のことになるけど、石田衣良が、真白で整頓された生活感のまるでない仕事場をバックに、厭味じゃない程度におしゃれな服装で、シャネルスポーツJ12のホワイト(しかもダイヤベゼル)を身につけて取材に応じている写真を見た時に、「年甲斐もなくミーハー趣味だなあ。ちやほやされてんなあ」と胡散臭く思ったものです。
だいぶ昔にもこの人のインタビューをみたことがあるけど、木目の本棚をバックに、すごい変な柄のシャツ着てて、ちやほやはされてたけど、そんときは好印象だったのに。シャツの柄がすごい変だったから。
で、件のシャネルスポーツJ12ホワイト以来はじめて手に取った石田衣良の本がこれ。「格差社会、勝ち組負け組、ネットカフェ難民、サービス残業、いじめ――厳しさを増し、ナイーブになった世界を生きる若い世代へ、人気作家が贈る優しく力強いメッセージ」という触れ込み。このむずむずする胡散臭さがたまらなくて!
でも通して読んでみたら、思ったほどやな感じがしなかったです。あれ?
石田衣良という人は、優しいっていうか、根本的にはイイヒトなんだろうなあと思いました。マイペースっぽい気にしぃじゃないの?この人。
石田衣良のファッションとか、すごいきれいな仕事場とか、本人のミーハー趣味とか自己顕示欲ももちろんあるんだろうけど、流行作家のアイコンになろうとしてるのかなあとも思う。文学に興味のない層に対しても何か発信しようとして、自己をトータルプロデュースっていうか形から入るっていうか。きっかけは何でもいいから、興味持ってもらいたいのかと。
あれほどの数の取材とメディア露出をこなそうと思ったら、首相なみにお忙しいでしょうに、こつこつがんばっているのは、本人の言う「恩返し」のためだけじゃなくて、有名人になって、いろんな人に何かを伝えるっていう使命感みたいなのを持ってるからなのかなと思った。
若者を啓蒙する使命感に燃えるイイヒト、親切なヒト、という印象をうけました。そういう自分のことが好きなんだろうな。。(数作、小説を読んだことがあるのと、この本1冊だけで、何がわかるんだって話ですが)
そんな著者によって、この本はとても親切に書かれています。
日常を語るエッセイはいかにもブログ風。流行作家も一般人という主張をしゃれた言葉に乗せて。
あいまに扱われる難しい話題も、軽妙な語り口ですらすら読ませるし、一見わかりやすい。楽しい、おもしろい。おしつけがましくない程度に、著者の意見も述べられている。正論かどうかはさておいて、一見正論っぽい。
しかしこれに右にならえではあまりにお粗末で、話題にのぼっていることがらについては自分で考えなくちゃいけないことばかりなのだけど、
とはいえこの本が、今まで考えたことのなかった何かを考えるきっかけになるかもしれない。たくさんの人がこの本を手に取れば、たくさんの人が何かを考えるきっかけを手にするということなのか。
流行作家・石田衣良が書く意味。
やらない善よりやる偽善。
石田衣良の牛丼の「たべかた」に驚いた。辛さで牛丼の味がわからなくなりそうだ。
最後に。
「やわらかい」「やわらかな」という、ひらがなの言葉を多用が気になる。「たべかた」もそうだけど。
本の最後に挿まれたレースのカーテンの写真、あれって「やわらかい」の象徴のように感じたのだけど、考えすぎでしょうか。光をほんのり遮る、「やわらか」そうな布。部屋に差し込む光は「やわらかい」。
「やわらかい」と言うのは一言だけど、ではたとえば頻出の「やわらかい」心というのはどういうものを指すか?
柔軟性?弾力性?応用力?適応力?
それっぽいイメージはある。だけど確固たる形をもたない。
そういう言葉づかいが、はたして「わかりやすい」と言えるのかどうか。考えなくては。
★
誰かのもっともなアドバイスがいくらただしく、経済的に有利でも、生きている当人の考えや気もちほどの重さ、真剣さはないのだ。
誰かを実際にそうである以上に過大評価したり、あるいはそうであるより遥かしたに過少評価したりする。それは評価する側の未成熟のあらわれでしかない。その評価の振幅にブレがあるほど、元から人を見る目がなかったのである。 -
石田衣良さんのエッセイである。格差社会とかネット難民とか、社会や経済の話から、牛丼の話までいろいろ。私は個人的に石田衣良さんの物の考え方が好きなので、楽しく読めたけど、他の人はどう思うかはよくわからないなあ。石田さんは、社会的弱者について寛容で、上に立ってモノを言う感じがないところが気に入ってます。たまーにおバカな君達にもわかるように簡単に書いてあげたからねという匂いがしないでもないけど。でも、みんな一緒に人生を楽しもうよ。って言われてる気がするんだよなあ。私の一緒にお酒を飲んでみたい男性作家さんナンバー1です。ちなみにナンバー2は原田宗則さんだ。どうでもいいですね・・・
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会社の先輩に貸してもらった本。
前から本屋さんで気になっていました。
R25連載をまとめたということで、1つひとつの章が
短くてとても読みやすかったです。
この本もうなずくことがたくさんありました。
石田さんは自分のことをよく知っていて、
自分らしく生きている。
素敵な人だなと感じました。
他の作品も読んでみたくなりました。 -
R25連載をまとめた本。石田さんはやはり小説が読みたいですね。図書館予約数は17(08/06/28現在)です。
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「R25」で石田衣良が連載するエッセイ「空は、今日も、青いか?」に掲載されたものに加え、いくつか書き下ろされたエッセイも載せられたエッセイ集。
決して「こうすれば楽になるよ」といった心理的なものではなく、ただ筆者が、現代が抱える様々な問題に意見を述べたり、こう考えていきゃいいんだよみたいなほんの少しのメッセージを送るような本。僕はこの本を読んで、改めて小説家がカバーしている領域の広さに驚いた(少し観点がずれているが)。
僕はまだ生きてきた年月は短いし、昔何があったなんてわかんないけど、マスコミが騒ぎ立てるほど「ここ数年でおかしくなってしまった」とは思わない。きっと今ある問題の半分以上は昔からずっとあったはずだ。それがネットの普及やマスコミの過剰報道によって広まってしまったがために、ほとんどの問題がここ最近発生したように感じられているのではないか。そういった中で僕も含み、傷つきやすくなった世界を生きる人たちにほんの少しのエールを送るような、そんなエッセイ集である。1つ1つのエッセイはかなり短いので、さらりと読める本だと思う。 -
石田衣良の作品はあまり読みませんが、テレビ出演時のコメントなどは好きなので、買ってみました。ら、思った以上に素敵な方で、すごく好きになりました。
こういう大人がいてくれるということに、まだまだ日本も捨てたもんじゃないな、と思えます。「自分の思った道が正しい」なんて、普通に言われたら「綺麗事だ」と思ってしまうのに、石田衣良に言われると素直に納得してしまう。笑 迷っていた心が少しだけ、楽になった気がしました。 -
いつだって興味深い視点を提供してくれる。
素晴らしい発想と着眼。
こどもの年齢の変化に
ゆるやかな時の流れを感じた。
うん、おもしろかった。 -
心のタフネス、ほしいなぁ。。(弱いからね
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発売日に行ったのに横浜の丸善で見つけられなかったのです。
で、久々に紀伊國屋まで足を延ばして無事購入。
「R25」で石田さんが持っている連載コラムをまとめたもの。
端々に素敵な事が書いてあります♪流石です。
これを読んで沢山勇気と元気と心の余裕を貰いました。
このくらい柔軟に物事を考えられる大人になりたいですね。