「上から目線」の構造

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532261399

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに惹かれて購入。

    コンプレックスからくる防衛の方法の一つかな~とも思える。
    空気を読んだり、コミュニケーションの方法の変化とかいろいろと面倒な時代になったあたりから、「上から目線」が出てきたようにも思う。

    p204に、“今では、どこの大学でも、成績表を学生本人だけでなく、保護者にも送付する。”と書かれていたが、確かに(苦笑)。
    最初に入った大学では、自分しか成績内容は分からなくて済んだのに、30過ぎて編入した大学では、成績表を実家の親宛てに送ってきた。この年になって親に成績を知らされるとは思っていなかっただけに、笑うしかなかった思い出がある。

    心理学の側面で書かれており、文章も読みやすかった。

  • 心理学者で、たぶん、カウンセリングとかもしてると思われる著者が、最近の日本の社会問題とコミュニケーション能力の低下を関連付け分析している内容。

    著者がどういう立場の人なのかわからない、ほんまにそんな若者いてるんか?とうくらい自分にとって実感がない事例が多い、他の学者の説を説明する箇所も多かったり、色々な情報が散髪的に書いてあって、なるほどねーと思いながらさらっと読んだはいいけど、つまり、、、が言いにくい内容だった。

    自分ごととして、残っているのは、
    上から目線、とかそういう感覚をもってしまう人は、自分に自信がなくて下に見られる事を恐れている、という話。
    上の人に上から言われるのは当たり前なのに素直に受け入れられないのは、近所の遊び場がなくなって、上下入り乱れての遊びを経験していないことが、一因という話。

    子供は視力は正常でも、丸を丸の穴におとし、四角を四角の穴に落とすことが、最初はできない。
    どう見ても違う形でも、それが理解出来ていないよう。
    不思議だけど本当に経験を通じて、色々できるようになるのが人間なんだなーと。見ている、の半分は脳の働きだと以前読んだし、コミュニケーションも「見る」と同じように経験を通じて身につけていくもののようだ。
    子育て、とっても気を遣うなー、バランス感覚大事にして、しっかり育てたいな〜と気を引き締めた一冊。

  • われわれは常に論理的判断の基準と空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである。半数以上のメンバーが賛同できない結論が「空気」によって強引に採択されたりするのだ。「察しのの文化」が深く根づいている日本では、場の「空気」に抗うのは至難の業なのである。今とくに求められるのは、自己中心的心性から抜け出して、もっと他人に関心を向けることである。人間は、だれでも自分の視点からしか世界をみることができないが、相手に対する共感性を何とか高め、想像力によって自他の視点の溝を埋めようと努力するのである。

  • 自分が人にどう思われているかが気になって仕方がない。それは自己愛過剰。自分のことにしか興味がないから、自分がどうみられているかが気になって仕方がないということ。日本社会の特徴的な事象。

  • エーリッヒ・フロムのことを初めて知った。心理学は奥が深い。
    今の若者の間では自分を無造作にさらけ出す行為はタブーで相手の表情や場の空気を読んで相手の望むキャラになることがマナーや礼儀作法になっている。

  • 上から目線と言われたので読んでみました。
    どちらかというと、上から目線が気になる人、上から目線だなって感じる人向けの本でした。

  • 上から目線、確かに気付いたら周りに溢れてた言葉。そして自分も言われる言葉、言う言葉。ただの若者批判と片付けるのは簡単だけれども、もっと謙虚にならないとなと身を引き締める必要があるとも感じた。実るほど頭を垂れる稲穂かな。

  • 上司のアドバイスや叱咤に対して、「上から目線で言わないでください」と抵抗する若者が良く見かけられる、という事例から、なぜ人は上から目線と感じてしまうのか、を論じた一冊。

    そもそもの発端である事例では直接上司に「上から目線だ」と指摘しているらしく、それは信じがたい事例なのだが、陰で「偉そうにしやがって・・」と言うのはよくある事例だと思う。

    結局その様に上から目線だと憤っている側こそ、実は上から目線でその上司なりを品定めしているというのが実態。
    なんだか複雑な環境が生まれているようです。

    著者は教育現場の変化や、家庭における教育やら道徳の変化にその原因があるようだと論じているが、これはある意味よく語られているテーマでもあると思うので、この本の論述自体は新鮮味があまりない。

    などというこのレビューも「上から目線」かもしれないと、ふと思う。

  • 図書館に予約をかけ、半年以上かけてやっと借りられた本。なるほと、現代の人間関係を如実にあらわしている。そして、自分も他人の目を気にすることがあり、周りからの言動に「何を上から目線で言っているんだ。」と思うことがあったので、自戒していこうと思った。

  • 今の時代をうまく説明している。
    自分らしさを出すことが出来ない社会。経験もなかったということなのだと思う。
    スポーツの部活動を経験してきたということは、非常に役立ったということなんだと思う。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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